寝つきが悪い、途中で起きてしまう...更年期の睡眠を改善するには?

コラム・心地よいわたし

夜なかなか寝つけない、眠りが浅い、途中で目が覚めてしまう――このような、睡眠トラブルに悩む更年期世代の女性は多いといわれています。
これは、自律神経の乱れが原因と考えられており、満足に眠れず目覚めも良くないと生活の質が下がりやすくなるほか、心身にさまざまな弊害が考えられるので、早急に手を打ちたいところ。
そこで、更年期の正しい情報と対策を伝えるNPO法人ちぇぶらの代表理事/更年期トータルケアインストラクターの永田京子さんに、寝る前に行うだけでぐっすり眠れるエクササイズを教えていただきました。

睡眠トラブルの原因は自律神経の乱れ

――更年期を迎えた女性が、睡眠に問題を抱えるケースは多いのでしょうか?

とても多いですよ。更年期症状は女性ホルモンの減少と、自律神経の乱れが原因で起こります。自律神経が乱れるということは、心身の活発な状態を司る交感神経と、リラックス状態を司る副交感神経のバランスがうまくとれていないわけですから、それが睡眠トラブルにつながると考えられます。

――睡眠にまつわる悩みとは、具体的にはどういったことでしょうか。

眠る前は、本来ならば副交感神経の働きによってリラックスした状態になっています。けれども、自律神経が乱れると交感神経のほうが優勢となり、体は疲れているはずなのに脳が目を覚ましている状況の「覚醒(かくせい)」を起こしてしまい寝つけない、ということが起こるんです。

また、きちんと入眠できたとしても、寝ているあいだにホットフラッシュが起きて目が覚めてしまったり、夜中に尿意を感じて起きてしまったりなど、睡眠が途中で妨げられるケースもあります。

――寝たいのに寝られないのはつらいですね。

そうですよね。十分な睡眠がとれない状態が続くと、肌荒れや頭痛、集中力の欠如など、さまざまな不調につながってしまいます。

さらにひどくなると、更年期うつなどメンタルにも支障をきたす可能性もあるんですよ。そのため、質のいい睡眠をとることは健康の要といえます。

ポイントは仙骨(せんこつ)周りと首の付け根の筋肉

――では、睡眠トラブルを改善できるエクササイズを教えてください!

今回は、「リラックスできる呼吸体操」をご紹介します。これは筋力を鍛えるものではなく、副交感神経を刺激してリラックス効果を促すのが目的のエクササイズになります。

<睡眠トラブルを解消するエクササイズ>

1. 仰向けの状態で床に寝ます。

2. 鼻から8秒かけて息を吸いながら、腰の後ろにアーチを作るように腰を持ち上げます。同時に顎も天井に向けて上げてください。

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骨盤を上に傾けるときは、腕が1本通る程度、腰を上げるのがポイント。

3. 口から8秒かけて息を吐きながら、腰の後ろが床にぴったりとつくように腰を下ろします。このとき、顎は二重顎の状態になるまでグッと引きましょう。

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二重顎の状態を作ることによって、首の付け根をしっかりと伸ばせます

骨盤の後ろにある仙骨と首の付け根周りの筋肉をしっかり動かしてください。寝る前にベッドの上で2〜3回行うと、短時間でも眠りを促すリラックス効果が得られますよ。

――仙骨と首の付け根周りの筋肉を動かすとリラックスできるんですね。

背骨の中には神経の束が通っているのですが、副交感神経は仙骨と首の付け根の2ヵ所に集約されています。そして、リラックスを促す指令を出すのも、この2ヵ所だけといわれているんです。

このエクササイズは呼吸と連動しながらピンポイントで首の付け根と仙骨部分にアプローチすることで、素早くリラックスを促すことができるわけです。

――エクササイズを行う際に注意すべきことはありますか?

動かすのは首の付け根と仙骨だけで、肩甲骨を床から浮かせないようにしてください。

というのも、背中まで浮かせると、逆に交感神経を刺激してしまうんです。そうすると、頭が冴えて眠れなくなってしまうので注意してくださいね。

また、副交感神経にアプローチするツボもあるので、そこを刺激するのもいいですよ!

<睡眠トラブルの改善につながるツボ>

神門(しんもん)

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手のひらを上に向けて、手首の小指側にあるくぼみが「神門(しんもん)」と呼ばれるツボです。このツボには、精神的な緊張をほぐしてリラックスさせる作用があるといわれています。

寝る前にゆっくりと息を吐きながら、気持ちいいと感じる程度の強さで5秒×5回押してあげると気持ちが落ち着いて、質のいい睡眠へと導いてくれますよ。

自律神経は自分の意思でコントロールできないので、自律神経の乱れによる睡眠トラブルは仕方ないものとあきらめている人は多いかもしれません。

しかし、リラックス効果を促すエクササイズやツボを取り入れることで、睡眠の質の改善につながることが期待できます。手軽にできる方法なので、ぜひ試してみてくださいね!


お話を伺ったのは...

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永田京子(ながた・きょうこ)さん

兵庫県出身、愛知県小牧市在住。2児の母。東映アカデミーに所属し、役者として舞台やドラマなどで活躍した後、ピラティスや整体、経絡、アロマ、リフレクソロジーなどを学び、ピラティス指導者、産後ケアのインストラクターとしての活動を開始。受講者の声と、更年期障害が悪化して苦しむ母を見ていた経験から、女性ホルモン・更年期の正しい情報と対策を伝えるNPO法人「ちぇぶら」を創設した。「ちぇぶら」は更年期を英語でいう「the change of life」の意。
初の著書「女40代の体にミラクルが起こる! ちぇぶら体操」(三笠書房)が発売中。

NPO法人ちぇぶらホームページ
YouTube「ちぇぶらチャンネル」

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女40代の体にミラクルが起こる! ちぇぶら体操」(三笠書房)
著:永田京子 定価:1,400円+税




※掲載している情報は、記事公開時点のものです。

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