おりものの色やにおいが更年期で変化?女性のデリケートな悩み対策

コラム・心地よいわたし

女性の体の状態を示す「おりもの」。更年期に入ると、おりものの量やにおい、色にいつもとは違う変化が生じるといいます。こうした変化は、なぜ起こるのでしょうか。
おりものが変化するメカニズムや体が発するサイン、おりものの変化に伴って起こりやすいデリケートゾーンのトラブルへの対処法についてご紹介します。

[2020年12月17日更新]

おりものの量は世代によって変化する

おりものとの長い付き合いの中で、その色や量、粘度が定期的に変化することを感じている女性は多いはず。実際、おりものは女性ホルモン(エストロゲン)と密接な関係があり、年代によって量や状態に変化が表れます。

特に、女性ホルモンが減少し始める40代以降は、これまでとはちょっと違った変化が見られやすい時期。まずは年代ごとに、おりものに表れる一般的な変化を確認しておきましょう。

■年代別・おりものの変化

<20代・30代>
女性ホルモンの分泌がピークを迎える時期で、おりものの量は多く、周期も安定している。

<40代>
女性ホルモンの減少に伴い、おりものの量が徐々に減ってくる

<閉経後>
閉経から2~3年経つと女性ホルモンの分泌がほとんどなくなるため、おりものが出なくなる。腟内が乾いて自浄作用が弱まり、腟炎を起こしやすい。炎症によって、これまでと異なる黄褐色のおりものが出ることも。


おりものの正常なにおい・危険なにおいの違いとは?

おりもののにおいは、健康な状態であれば、腟内は酸性に保たれているため、少し酸っぱいようなにおいがすることがあります。これは、特に気にする必要はありません。

ただし、においが通常よりも強く感じられる場合は、何らかの原因で免疫力が低下して雑菌が繁殖していたり、尿や便などの汚れが落ちていなかったりする可能性があります。

いつもと明らかに違うにおいや悪臭がするときは、細菌性腟炎や性感染症などの病気が潜んでいるかもしれません。生臭さや刺激臭を感じたら、できるだけ早く婦人科を受診してください。

<こちらもCHECK>
デリケートゾーンのにおいが気になる...更年期以降の悩みを医師が解説

更年期の女性が注意したいおりものの変化

おりものの状態には個人差があるため、正常かどうかを明確に判断する基準はありません。しかし、変化の中には病気のサインが隠れている場合もあるため、日頃から自分のおりものの状態をチェックしておき、変化にいち早く気付けるようにすることが大切です。

特に、更年期の女性に多いのが「萎縮性腟炎(老人性腟炎)」です。発症すると、おりものに変化があらわれ、悪臭がしたり、色が変化したりすることがあります。


萎縮性腟炎とは?

健康な腟は、肌と同じように細胞の新陳代謝によって自浄され、酸性の状態を維持しています。このとき、グリコーゲンという物質が粘膜とともにはがれ落ち、腟の常在菌によって乳酸に変わることで腟内のpH(ペーハー)を酸性に保ったり、細菌の侵入や増殖を防いだりしています。

ところが、年齢とともに女性ホルモンの分泌量が減ると、腟粘膜の萎縮や腟の乾燥が起こるほか、グリコーゲンも減って、腟は次第に酸性を維持できなくなってしまいます。こうして腟の自浄作用が低下し、炎症が起きた状態が萎縮性腟炎です。

萎縮性腟炎になると、腟壁が薄くなって乾燥したり、腟自体が萎縮したりして、痛みやかゆみといった症状が起こります

さらに、腟を守るグリコーゲンが減ることでバリア機能が失われて抵抗力が落ちるので、デリケートゾーン周辺に常在している大腸菌などの雑菌が腟に入り込んで繁殖し、おりものから強い異臭がする細菌性腟炎に発展する場合もあります

<こちらもCHECK>
デリケートゾーンの痛みの原因は?更年期以降の悩みを医師が解説

d247dec5dce923715ec69a972cf8dc952d0be07b-min.jpg

おりものの色でわかる体の危険信号

萎縮性腟炎以外にも、注意したいおりものの色があります。いつもは透明から乳白色のおりものが、茶褐色やピンク・赤に近い色、黄色~緑っぽく変化した場合は、病気が隠れている可能性も

更年期の女性が気を付けたい萎縮性腟炎では、先に挙げたおりものの量の増加や悪臭のほか、色もグレーや黄緑色に変化することがあります。

明らかな色の変化があるときは疾患の可能性を疑い、腹痛や発熱、不正出血などがないかといった体調の変化も見ながら、婦人科を受診しましょう。


■おりものの色から見る病気の可能性

table_2_1124_B-min.jpg

なお、おりものは下着について乾くと黄色っぽく変化するため、下着につく前のおりものの色を確認するようにしてください。

気になるデリケートゾーントラブルをケアするには?

おりものの変化に伴うデリケートゾーンのトラブルの中でも、「周りの人に気付かれてしまうのでは?」と心配になるのがにおいです。

におい予防の基本は、常にデリケートゾーンを清潔に保つこと。自分のデリケートゾーンをよく見て、腟や肛門の位置を把握し、汚れを残さないようにしましょう。

ただし、洗いすぎると腟のバリアがはぎ取られ、萎縮性腟炎と同じ状態になってしまう可能性も。洗浄力が強いボディソープではなく、デリケートゾーン専用の洗浄剤を使って、優しく洗うことをおすすめします。

<こちらもCHECK>
デリケートゾーンのにおいが気になる...更年期以降の悩みを医師が解説


デリケートゾーンの正しい洗い方

洗うときは、つま先を外側に広げて腰を落とし、アンダーヘアから順に尿道口、腟口、肛門という順番で、前から後ろへ、雑菌や汚れが多いほうに向かって洗い進めていきましょう

特に、大陰唇と小陰唇のヒダの内側は汚れが溜まりやすいので、丁寧に洗ってください。

yoshikatasensei (2)-min.jpeg

unnamed (6)-min.jpg

洗い終わったら、デリケートゾーン専用のジェルやクリームを使って、しっかり保護することも忘れずに。

なお、清潔にしていてもにおいが気になる場合は、おりものシートを利用し、こまめに取り替えて使いましょう。生理中は蒸れや経血によってにおいがきつくなることもあるので、通気性の良い下着やナプキンを選ぶことで改善が期待できます

ただし、萎縮性腟炎などによるトラブルは、ホルモン補充療法(HRT)、もしくは女性ホルモンが含まれている腟坐薬などで、根本的な解決を図る方法もあります。

<こちらもCHECK>
「腟萎縮」はなぜ起こる?閉経後のデリケートな悩みの解消法

監修者・婦人科医の吉形玲美先生より

doctor_remi_pc-min.jpg

更年期を迎えると、一般的におりものの量は少なくなります。だからこそ、急に量が増えたり、色やにおいに変化が表れたりした場合は、体の中で何かしらのトラブルが起きているサインであることも考えられます。

気になる変化は放置せず、早めに婦人科の医師に相談すること。その際、おりものの量が増え始めた時期や、色やにおいの状態をきちんと伝えられるようにしておくと、診察がスムーズに進みますので、日頃からチェックするようにしましょう。


【更年期治療を得意とするクリニック】

ハマサイト画像.jpg

浜松町ハマサイトクリニック

「レミ先生の診療日記」監修の吉形玲美医師も診療をおこなっているハマサイトクリニック。内科、婦人科などの外来診療から、定期健康診断・人間ドック、子宮がん検診、乳がん検診まで幅広い診療を展開中。特に女性のライフステージに合わせた健診メニューが充実。その世代の特徴を踏まえた検査治療、予防対策の相談が可能です。

〒105-0022 東京都港区海岸1-2-20 汐留ビルディング2F
TEL. 03-5472-1100(代) 月~金 9:00~12:15/14:00~17:30
JR山手線 浜松町駅 徒歩2分
都営地下鉄浅草線・大江戸線 大門駅B1出口 徒歩2分


この記事を監修した人
吉形 玲美(よしかた れみ)医師

医学博士/日本産科婦人科学会 産婦人科専門医
専門分野:婦人科

1997年東京女子医科大学医学部卒業
臨床の現場で婦人科腫瘍手術をはじめ、産婦人科一般診療を手掛ける傍ら、女性医療・更年期医療の様々な臨床研究に携わる。女性予防医療を広めたいという思いから、2010年より浜松町ハマサイトクリニックに院長として着任。現在は同院婦人科専門医として診療のほか、多施設で予防医療研究に従事。更年期、妊活、生理不順など、ゆらぎやすい女性の身体のホルモンマネージメントを得意とする。

吉形先生の診察を受けられる施設はこちら
浜松町ハマサイトクリニック
ハイメディック東京日本橋コース


※掲載している情報は、記事公開時点のものです。

RELATED ARTICLE関連記事

WHAT'S NEW新着記事

    CATEGORYカテゴリー

    大人女性の心と体の悩みにドクターが回答 withドクターズ READ MORE