再生医療で肌質改善・薄毛ケア。美を細胞から取り戻す時代。

最近、「幹細胞」という言葉を目にしたことはありませんか。幹細胞は、再生医療を語るうえでとても重要な鍵となる存在です。肌や髪の再生にも、大きく関係していることがわかってきています。自分の幹細胞を活用してダメージを修復し、健やかな美しさまで再生させうる次世代の医療を詳しく紹介します。

美肌を目指す幹細胞の謎を解明

幹細胞は皮膚の細胞にも血管にも臓器にもなる

幹細胞はほかの細胞にない2つの特徴を備えています。1つは自分とまったく同じ幹細胞をコピーできる能力。もう1つは自分の体を作るさまざまな細胞に分化できる能力です。たとえば、皮膚に傷ができたとき、幹細胞は必要とされている表皮の細胞に誘導され、一気にさまざまな新しい細胞を生み出すことで、傷やダメージを治していくのです。

自分の細胞で行う再生医療が現実に

今、クリニックで行っている再生医療は、患者さんの耳の後ろから採取した脂肪を整えて、その場で顔の皮膚や頭皮に注入する治療です。脂肪の間に存在する「脂肪幹細胞」は、どんな細胞にも分化できる素晴らしい特性を備えているので、体への負荷をおさえながら、顔のシワや毛髪トラブルを改善することも期待できる時代なのです。

エイジングケアへの応用にも期待

化粧品もますます進化し、その中でも細胞間の情報伝達物質として、細胞から常に分泌される小さい物質のエクソソームは、肌の若返りに期待されていることから、多くの製品も登場しています。数ある情報を見極めながら、「今の自分の肌」に合ったエイジングケアを取り入れていきましょう。

美しい髪には幹細胞の周囲環境が鍵

髪が毎日少しずつ伸びていくのは、頭皮の奥の「毛乳頭」で毛が1本1本再生されているからです。メカニズムに着目し美髪を目指しましょう。

毛の再生には幹細胞とニッチが重要

毛にも幹細胞があり、毛根の少し上にあるバルジ領域に、毛を作る「毛包幹細胞」と、色を作る「色素幹細胞」が存在します。そして、最も重要なのが毛や色を作る幹細胞の周りの環境まで含めた「ニッチ」です。毛の再生医療で脂肪を頭皮に注入する時も、「脂肪幹細胞」など単一の細胞だけでなく、耳の後ろから採取した細胞を全部入れることに価値があると考えます。その刺激で周りの細胞たちも活性化し、連鎖的に再生力を上げていくことができるのです。

大人のヘアケアは長期戦で根気よく

世界人口の約半分は、50歳を過ぎてから薄毛になっていくと言われています。更年期の女性は特に、成長期・退行期・休止期というヘアサイクルに乱れが生じやすく、休止期が長くなって髪がやせたり、薄くなったりしがちです。頭皮に十分な血流が巡らないと、髪を育てる細胞の生まれ変わりが滞ってしまうため、入浴やマッサージで血液の循環を促すことをおすすめします。そして、髪を取り巻く暮らしの「ニッチ」を整えて、再生&改善ケアに取り組んでいきましょう。

肌や髪を美しくする3つの習慣

普段の生活の中で、細胞を意識しながら暮らすことは難しいですが、細胞に良いことをするのは可能です。肌や髪に良いとされる以下3つの習慣を心掛けましょう。

  • バランスの良い食事
  • 十分な睡眠
  • 適度な運動

これらの習慣によって、細胞が1個1個ちゃんと正しく機能するようになり、周りの組織も整うので、体全体の状態を良好していくことにつながります。その上で意識してほしいのが「酸化させない生活」です。人体とともに備わっている抗酸化作用は、年齢とともに弱まり老化を誘導していきます。エイジングを遅らせるためにも「紫外線に長時間当たらない、ストレスを抱えない、添加物を多く摂らない」など健康的なライフスタイルを見直しましょう。

※掲載している情報は、記事公開時点のものです。
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この記事は、働く女性の医療メディア
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