なぜ寒い季節は肌が乾燥するの?冬の乾燥の原因と対策を紹介

冬は、四季のなかでもっとも空気が乾燥する季節です。それに伴い、肌の乾燥に悩まされている方も多いのではないでしょうか。
首や肘など乾燥しやすい部位はいくつかありますが、なかでも顔が乾燥すると、赤みが出たりメイクのノリが悪くなったりして、その1日がブルーな気持ちになってしまいます。
そこで今回は、冬に肌が乾燥する原因とともに、乾燥対策を紹介します。冬でも美しい肌を保ちたい方は、ぜひ最後までご覧ください。
肌の乾燥とは
肌の乾燥とは、肌の水分や皮脂が不足し、みずみずしさがなくなっている状態で、カサカサして粉を吹いたり、かゆみが出たりといった症状がみられます。また、入浴や洗顔のあとの肌のつっぱりも乾燥によって引き起こされるものです。
特に顔の肌の乾燥は、シワの形成にもつながるため注意が必要です。肌のうるおいが失われると弾力がなくなり、表皮の細かなシワが目立つようになります。そして、これを放っておくとシワ同士がつながり、さらに長く深いシワへと変化してしまうのです。
このようなさまざまな肌トラブルを防ぐためには、乾燥対策を早めに行うことが重要です。
冬に肌が乾燥する原因
さっそく乾燥対策の紹介へと移りたいところですが、その前になぜ冬は肌が乾燥するのか? という点を押さえておきましょう。原因を押さえておけば、後述する乾燥対策とのつながりが見え、より理解が深まるはずです。それでは、冬に肌が乾燥する原因を2つお伝えします。
気温の低下
冬に肌が乾燥する原因の一つに、気温が下がることが挙げられます。
気温の低下が肌に与える影響は、皮脂や汗の分泌量の減少と血液循環の悪化の大きく2つあります。
人の肌の表面には、皮脂と汗が混ざり合ってできる"皮脂膜"があります。皮脂膜は肌の内側にある水分の蒸散を防ぐ役割を担いますが、冬になると汗をかく機会が減るため、おのずと皮脂や汗の分泌量が減少し、この皮脂膜が形成されにくくなります。そうして、本来であれば皮脂膜によって守られていたはずの水分が外へ出ていき、肌が乾燥するのです。
また気温が低下すると、人の体は熱を逃がさないように血管を収縮させます。血管の収縮は、血液循環の悪化につながり、ひいては肌のターンオーバーの乱れを引き起こします。このようにしてターンオーバーが滞ると、結果として"天然保湿因子(NMF)"が十分に生成されなくなってしまうのです。天然保湿因子とは皮膚に元来備わっている、肌の水分を保つのに欠かせない成分です。この天然保湿因子が少なくなると、水分を保持できずに肌が乾燥してしまいます。
空気の乾燥

冬は、ほかの季節よりも湿度が下がり、空気が乾燥するため、肌の水分も蒸発しやすい状態になります。寒い時期でも洗濯物が比較的早く乾くことからも実感できるのではないでしょうか。
そして室内においては、ほとんどの方が暖房やヒーターなどを使用して、部屋の中を暖かくしているはずです。体の冷えは別の体調不良を招く可能性がありますので、適温で過ごすこと自体は問題ありません。ですが、湿度の低い部屋で暖房器具を使用し部屋の温度が上がると、空気中の水分が奪われ、さらに湿度が低下してしまいます。湿度は50%を下回ると、肌が乾燥しやすくなるとされています。
このように、冬は屋内外問わず常に空気が乾いた状態であり、それに伴い、肌も乾燥しやすくなる環境である、ということを念頭に置いておきたいところです。
冬の乾燥対策
前項までの内容を踏まえて、ここからは冬の肌の乾燥対策を6つ紹介します。
どの項目も日常生活にすぐに取り入れられますので、ご自身に合った方法を見つけて、試してみてはいかがでしょうか。
それでは、一つずつ詳しく説明します。
スキンケアでの入念な保湿
うるおいのある肌を保つために欠かせないスキンケアですが、冬は普段よりも念入りに保湿しましょう。
化粧水やクリームは、2~3回程度の重ね塗りをおすすめします。この際のポイントは、保湿成分を肌の奥まで浸透させるようなイメージで、手で優しく押さえ込むように塗ることです。手の水分がなくなるまで肌にしっかりとなじませたら、また新たに化粧水やクリームを手に取り、繰り返し塗り込みます。
また保湿は、こまめに行うことが重要です。朝と夜にきちんと保湿していても、日中の外気や暖房による乾燥はどうしても防げないときがあります。お手洗いや小休憩に行きがてら、乾燥が気になる箇所にクリームを塗っておくと、1日中うるおいを保てます。
紫外線対策
シワやシミの予防だけでなく、冬の乾燥を防ぐためにも欠かせないのが紫外線対策です。
すでにお伝えした通り、人の肌にはもともと、自ら水分を保持しようとする天然保湿因子が備わっています。そして、この天然保湿因子の機能が減少してしまう原因には、紫外線や乾燥などの肌へのストレスが挙げられるのです。
紫外線には、肌の奥深くにまで到達してコラーゲンやエラスチンなど肌に大切な成分を破壊するA波と、深部には侵入しないものの、日焼けやシミなどの原因となるB波があります。特にA波は、窓ガラスを通り抜けて室内にも侵入するため、紫外線カットのレースカーテンを使用して対策することをおすすめします。また、日焼け止めを購入する際は、商品に記載されている"PA値"をチェックしてお選びください。このPA値の+数が高いほど、A波からの影響をガードする効果が高まります。
紫外線は、季節や気候を問わず降り注いでいるので、冬でも日焼け止めを塗布するのはもちろん、帽子や日傘も積極的に活用して乾燥対策を行いましょう。
お風呂の温度調整
乾燥対策においては、38~40度程度の温度で入浴するのが望ましいです。
「冬の寒い時期は少し熱めのお湯につかって、ゆっくりと体を癒やしたい」という方もいらっしゃるかもしれません。ですが、熱すぎるお湯は必要な皮脂までも洗い流してしまい、それが肌を乾燥させる原因となるため、乾燥対策の観点では避けたいところです。
また、できる限り長風呂は避け、体が温まる程度の入浴にとどめておくのもポイントです。
40度のお湯だと、15分ほどつかれば体の芯から温まります。
なお浴槽に溜めるお湯の温度だけでなく、シャワーの温度も熱すぎないように注意を払いましょう。
部屋の加湿
加湿器の使用はもちろん、さまざまなライフハックを活用して部屋の湿度を40~60%に保っておくことも大切です。
今回は、加湿器の使用以外の加湿方法を6つ紹介します。
部屋の湿度を上げる方法
- 室内に濡れたタオルや洗濯物を干す
- 霧吹きを使用して空気中に水分を含ませる
- 浴室のドアを開けておく
- お湯を沸かす
- 水やお湯をコップに入れて置いておく
- 床や窓を水拭きする
濡れたタオルを室内に干す方法を実施する際、可能であれば、エアコンの吹き出し口の近くで行ってみてください。こうすることで、より効率的に部屋全体を加湿できます。ただし、同じタオルを繰り返し使うと雑菌の繁殖の原因となるため、使用後はタオルを洗濯し、毎回清潔なタオルを使うよう努めましょう。
霧吹きで空気中に水分を含ませる方法は、ただ単に空気中に吹きかけるだけでなく、ソファーやカーテンといった布製品を湿らせるのもコツです。しかし、あまり濡らしてしまうとカビや雑菌の繁殖につながりますので、その点には注意が必要です。
水分補給
冬の乾燥対策には、水分補給も効果的です。
人の体は、成人の場合、体重のおおよそ60〜65%が水分でできているといわれています。そしてその水分は、肌や呼吸からの排出、また排泄によって、常に失われていくものです。乾燥対策はもちろん、失われた水分を補うためにも、たっぷりと水を飲んで体の内側からうるおいを与えることは非常に大切です。具体的には1日に1.5~2リットルの水を、コップ1杯ずつ複数回に分けて飲むとよいでしょう。
なお水を摂取するときは、冷たい水だと代謝を低下させてしまうため、常温以上の水を飲むことをおすすめします。
運動の習慣化

健康な肌を手に入れるためには、日常的な運動も重要です。
運動には、血行を促進するメリットがあります。汗をかくことで血行を促進し、新陳代謝が高まれば、乾燥によって荒れてしまった肌もうるおいを取り戻せるでしょう。
乾燥対策の具体的な運動方法としては、ウォーキングがおすすめです。その際には、歩幅を広めにとって自然と歩くスピードを上げながら、1時間ほど行うのが理想的です。
なお、ウォーキングすると汗をかいて体の水分量が減ってしまうので、こまめな水分補給も忘れずに行ってください。また肌の新陳代謝を促すために、なるべくメイクをせずに行うのもポイントです。
冬の乾燥は気温と湿度の低下が原因!乾燥から肌を守るために入念なスキンケアを
今回は冬に肌が乾燥する原因とともに、乾燥対策を紹介しました。
冬はほかの季節と比べて気温が低く、皮脂や汗の分泌量が減ることから、肌のうるおいを守る皮脂膜が形成されにくくなり乾燥を引き起こします。ほかにも、空気そのものが乾燥していることも肌が乾燥する原因の一つです。
冬の肌の乾燥対策としては、日々の入念なスキンケアや紫外線対策、お風呂の温度調整、部屋の加湿などが挙げられます。また水分補給や日常的な運動を行い、体の内側からうるおいを与えることも大切です。
今回紹介した乾燥対策を行い、冬の乾燥に負けないみずみずしい肌を手に入れて毎日を楽しくお過ごしください。