めまいがする、汗がでる...それ、甲状腺疾患の症状かも!発症の原因と治療法とは?

甲状腺の異常によって、全身の体調や精神面にさまざまな悪影響を及ぼす甲状腺疾患。日本甲状腺学会によると、およそ20人に1人は何らかの甲状腺疾患を抱えているといわれる一方、潜在的な患者が多い病気でもあります。患者の多くは女性で、「疲れやすい」「汗が大量に出る」といったサインが更年期障害と共通していることも、発見の遅れにつながっているのでしょう。そこで今回は、早期発見を助ける甲状腺疾患の特徴を中心に、オリビアさんに解説してもらいました。



【PROFILE】

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オリビアさん(43歳)

自身も妊活を経験して授かった1児を育てながら、今も現役で働く医療系ライター。さまざまな学会にも足を運び、ドクターと仲良くなるのが得意。産後に始めたヨガにハマり、最近のリフレッシュ方法はもっぱらヨガスタジオに通うこと。

長引く体調不良は、甲状腺疾患のサインかも?

初夏の日差しがまぶしいある朝、駅のホームで電車を待っていたオリビアさん。近付く夏の気配にワクワクしていると、隣にいた女性がしゃがみ込んでしまいました。

オリビアさん 「大丈夫ですか?とりあえず、ベンチに座りましょう」

Aさん 「急にめまいがして...。ここのところずっと、熱っぽかったんです」

オリビアさん 「病院には行きましたか?」

Aさん 「ええ。疲れからくる体調不良だろうって言われたんですけど、あまり良くならなくて...」

オリビアさん 「うーん、単なる体調不良じゃないかもしれませんね。ほかに気になる症状はありますか?」

Aさん 「体がほてって汗をかきやすくなったとか...。年齢的に、更年期もあるのかなと思っているんですが...」

オリビアさん 「そうですね...ただ、更年期の症状かと思いきや甲状腺のトラブルだった、ということもあるので、一度、甲状腺ホルモンの数値を測定してみてもいいかもしれませんよ」

Aさん 「甲状腺、ですか...。なんだか怖いです...」

オリビアさん 「甲状腺疾患は、早めに適切な治療を受けることができれば、これまでと同じ生活を送れますよ。もしよろしければ...ご説明しましょうか?」

甲状腺のトラブルにまつわる症状とは?

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まずは、甲状腺疾患のよくある症状について説明しておきましょう。
甲状腺のトラブルは、大きく3つあります。


・甲状腺中毒症

自己免疫的なメカニズムで甲状腺の機能が高まったり(バセドウ病)、何らかの原因によって甲状腺の細胞が壊れたりすることでホルモンが大量に分泌されます。体がほてる、動悸がする、汗をかきやすくなるなど症状が出て、常に運動をしているような状態になるんですね。また、その結果体重が減ることもあります。

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・甲状腺機能低下症

甲状腺機能が低下してホルモンの分泌が足りなくなることで、だるくなったり、髪の毛が抜けたり、皮膚が乾燥したり、足がむくむことがあります。

・結節性甲状腺腫

甲状腺が腫れたり、しこりができたりします。その中で8割は良性の「結節性甲状腺腫」だといわれています。

甲状腺疾患の症状のうち、甲状腺中毒症と甲状腺機能低下症は、だるくなったり、動悸がしたり、発汗の異常を起こしたり、不安感などの精神症状が出るなど、更年期障害の症状と似ていることがあります。ただ、甲状腺疾患の場合は、首の腫れや足のむくみなど特徴的な症状が出ることも。いずれにしても、「変だな」と思ったら、迷わず専門の医療機関を受診しましょう。

甲状腺疾患って、どうして起きるの?

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甲状腺は、喉ぼとけの下にある臓器。小さいけれど、甲状腺ホルモンを分泌して新陳代謝を助け、体中にパワーを送っています。甲状腺に異常があると、体のあちこちに不調が起きるのはそのためなのだそうです。


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甲状腺疾患の多くは自己免疫疾患ですが、そのはっきりとした原因はわかっていません。女性では、妊娠・出産などをきっかけに発症することもあります。また、遺伝的な要因もかかわっているので、ご家族に甲状腺疾患の人がいる場合は、気にかけておいたほうがいいでしょう。

甲状腺疾患になると、どんな影響があるの?

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甲状腺機能が必要以上に活発になる甲状腺機能亢進症の代表例が「バセドウ病」です。進行すると、心臓に負担がかかります。また、甲状腺の慢性的な炎症である「橋本病」が進行すると甲状腺機能低下症になり、心身ともに力が入らず、甲状腺の腫れなどが起こるといわれています。


甲状腺疾患と妊娠・出産との関係も、ILACY(アイラシイ)世代には気になるところですよね。甲状腺機能低下症の場合は、不妊や流産、早産のリスクになることがあります。そのため、甲状腺疾患を指摘された場合には、妊娠前に治療が必要になる場合があります。また、出産後には、妊娠時との免疫的な環境の違いによって甲状腺機能に異常をきたすことも...。そのため、定期的に婦人科の検診を受けることで、異常を発見できるようにしましょうね。

もし、甲状腺疾患になってしまったら?

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甲状腺疾患は、腫瘍の手術を除けば、基本的には投薬治療です。日常生活では、適度な運動と休養を心掛けましょう。海藻類に多く含まれるヨウ素は、甲状腺機能低下症の場合には症状を悪化させる可能性があるので、食べ過ぎには注意してくださいね。

※掲載している情報は、記事公開時点のものです。
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