夏バテを放置すると残暑バテに?悪化を招くNG対策

食欲不振、睡眠不足、体の疲れが取れない...。毎年、残暑の季節まで、こんな症状を引きずってしまう人も多いのでは?

夏バテと残暑バテは、実は地続きのもの。「対策をしているのに、なかなか効果を感じられない」という人は、対策の仕方が間違っているのかもしれません。今年こそ残暑を快適に乗り越えられるよう、残暑バテの正しい対策をライラさんに教わりました!



【PROFILE】

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ライラさん(40歳)

医療・美容を多く手がける編集者/ライター。気になった健康法は試さないと気がすまない性質。「ストレスを明日に持ち越さない」をモットーに、日々体を動かすことを欠かさない。最近、ボルダリングに目覚めた。

間違った残暑バテ対策していませんか?

気温30℃を超える猛暑日の午後、ボルダリングジムを訪れたライラさん。ジムでは、友人のえみさんが、汗だくでボルダリングに励んでいます。

ライラさん 「えみさん、こんにちは!今日もがんばっているわね。それにしてもすごい汗...」

えみさん 「ええ、かれこれ2時間くらい運動しているのよ。毎年、残暑バテしちゃうから、しっかり汗をかいて対策しなくちゃ」

ライラさん 「残暑バテ対策なの?それなら、運動しすぎも良くないのよ」

えみさん 「そうなの?確かに、疲れすぎて眠れなくなることもあるわね...」

ライラさん 「もしかして、夜寝るとき、エアコンを止めている?」

えみさん 「エアコンは体に良くないと思って、あまり使っていないのよ」

ライラさん 「それだと、暑くて余計に眠れないでしょう」

えみさん 「1時間後に自動で切れるようタイマーを設定しているけど、暑くて夜中に起きてしまうこともあるわ」

ライラさん 「なるほど。間違った対策を続けていると、残暑バテは深刻化してしまうわ。そうなる前に、残暑バテの正しい対策を知っておきましょう!」

残暑バテは、夏バテによる自律神経の乱れから起こる!?

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食欲がなくなったり、立ちくらみしやすくなったり...。こうした残暑バテの諸症状は、夏バテから来る自律神経の乱れや、朝夕の気温差に体が順応できないことが大きな原因といわれているわ。


人間の体は暑さを感じると、汗をかいて体の熱を放出し、体温を一定に保とうとするの。その働きをコントロールしているのが自律神経なのよ。暑い日が続くと、自律神経が働きっぱなしの状態になってしまうわ。そうやって、自律神経の疲れを回復できないままでいると、体も疲れやすくなるのよ。

更年期の女性は、特に夏バテになりやすいといわれているの。なぜなら、女性ホルモンが急激に減少することで、自律神経をコントロールする視床下部が混乱して、自律神経のバランスが乱れてしまうから。40代半ばを過ぎたら、夏バテ対策をしっかり行って、残暑にも負けないように備えたいわね。

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「汗をかいたから」といって、水分だけをとりすぎるのも問題よ。汗を大量にかくと、体内の水分バランスや神経の情報伝達に関わるナトリウムが体外に排出されてしまうの。ナトリウムが枯渇した状態で水分を過剰に摂取すると、血液中のナトリウム濃度が急激に低下して、疲労や頭痛などの症状を引き起こしてしまうわ。

そうすると、体に必要なエネルギーや栄養を摂取できないことで、残暑バテがさらに深刻化するという悪循環が起きてしまうのね。汗を大量にかいたら、1Lの水に対して1~2gの食塩を加えて補給して。水分と塩分を手軽に摂取できるスポーツドリンクや、経口補水液を常備しておくのもおすすめよ。

症状がさらに深刻化するかも...残暑バテ対策のNG例

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残暑バテを感じているのに間違った対策を続けていると、さらに体が疲れてしまうことも...。疲労が倦怠感や無気力感に変わるなど、症状を深刻化させないためにも、ここからは残暑バテ対策のNG例と正しい対策を紹介するわね!



「夜寝るときにエアコンを使わない」はNG

エアコンをつけっぱなしにして寝ると、体を冷やしてしまうという話をよく聞くわ。でも実際は、寝汗をかき続けることで自律神経が疲労したり、暑さで睡眠不足になったり、ひどいときには熱中症になる危険性もあるの。

人が快適に眠るためには「室温25~26℃、湿度50~60%」が理想といわれているのよ。ただし、快適と感じる温度には個人差があるから、必ずしもエアコンの温度を25~26℃に設定する必要はないわ。起きているときより少し高めの温度に設定して、体が冷えすぎない環境を作るのがいいわね。



「熱いお風呂やサウナに入る」はNG

汗をかいた日は、熱いお風呂やサウナでバッと汗を流して、すっきりしたいもの。でも、熱いお湯に入ると汗をかくから、自律神経がさらに疲れてしまうのよ。残暑バテ対策のためには、38〜40℃程度のぬるめのお湯に5~10分くらい浸かるのが効果的。深部体温(体の中心部の温度)を上げることで血行が良くなって、ぐっすり眠るための準備ができるわ!

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「冷たい物をガブガブ飲む」のはNG

暑いからといって、冷たい飲み物をガブガブ飲んだり、アイスなど冷たい物を食べすぎたりすると、胃腸の負担が大きくなって、機能低下を招いてしまうわ。胃腸が働きやすいのは36℃程度。「ちょっと食欲がないな...」と感じたら、常温か温かい飲み物を飲むように意識して!

食欲がないからといって、そうめんや冷奴ばかり食べるのもNGよ。残暑の季節は、疲労回復効果のあるビタミンB1を摂取したいもの。モツ鍋などは、ビタミンB1たっぷりな上に、冷えた内臓を温めてくれる効果もあるからおすすめよ。レモンや梅干しなどに含まれるクエン酸も、疲労回復にはぴったりといわれているわ。食事から栄養素を上手に取り入れて、残暑バテを撃退しましょうね。

残暑バテは緩和できる!

働きっぱなしの自律神経を休めて回復させるために、まずは質の良い睡眠をとることが大切よ。自律神経の疲れが緩和できたら、食欲も次第にわいてくるはず。
早めに残暑バテ対策をして、すっきりした気分で秋を迎えましょ!

※掲載している情報は、記事公開時点のものです。
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