高齢出産に多い妊娠うつ・産後うつ――予防法と対処法

コラム・心地よいわたし

「トラブルなく産んであげられるのか、ちゃんと育てられるのか、不安ばかりが募る」「母親になる自信が持てなくて泣いてばかりいる」――待ち望んだ出産・育児を前に、なぜか気持ちがふさぎ込んでしまう妊娠うつ・産後うつは、ホルモンバランスの変化や出産・育児のプレッシャーなどが引き金となって、誰にでも起こりうる症状です。

特に、高齢出産に臨む女性は、流産や早産、妊娠合併症に対する不安や、仕事と育児を両立しなければならないという使命感が強いことなどから、妊娠うつ・産後うつを発症しやすいといわれています。
ここでは、妊娠うつ・産後うつの予防法と対処法について、多くの悩めるママに寄り添ってきた元助産師で看護師のリタさんに教えてもらいましょう。



【PROFILE】

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リタさん(53歳)

現在は看護師として活躍する元助産師。助産師時代には数多くの出産に携わった経験を持つ、出産のスペシャリスト。産前・産後のママの良きアドバイザーとして、今もたくさんの人たちから相談を持ち掛けられている。

理由もなく悲しくて体が動かない......これって妊娠うつ?

仕事を終えたリタさんの元に、待望の第1子を妊娠した後輩のマミさんから電話がかかってきました。

リタさん 「久しぶり!来週のランチ、大丈夫?」

マミさん 「そのことなんですけど、最近出掛ける気分になれなくて......仕切り直させてもらえますか?」

リタさん 「あらまぁ、体調が良くないの?つわりは落ち着いたんだよね?」

マミさん 「なんだか気持ちが落ち込んで、体に力が入らないんです......。やっと赤ちゃんが来てくれたんですけど、高齢出産で申し訳ないとか、そんなことばかり考えちゃって」

リタさん 「それ、もしかしたら妊娠うつかもしれないなぁ......。産後のことも心配だし、対処法を教えておくわね!」

妊娠うつ・産後うつとは?

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妊娠うつは、妊娠に伴うホルモンバランスの乱れや、つわりなどのマイナートラブルによるストレスなどが原因で、妊娠初期を中心に発症するうつ症状のこと。高齢出産の場合、流産や早産、妊娠合併症、胎児の染色体異常の可能性といった心配から、妊娠うつになる人もいます。妊娠うつの多くは、出産までのあいだに解消する軽度のうつですが、重症化する場合もあるので注意が必要です。

一方、産後うつは、出産後2週間から3ヵ月くらいの期間に発症しやすいうつ症状です。症状の重さに差はあるものの、10人に1人は経験するといわれ、決して珍しいものではありません。悪化すると、ネグレクト(育児放棄)や虐待といった深刻な事態にもつながりかねないので、早期発見が重要です。

特に、高齢出産の女性は、妊娠前の環境との違いや体力の消耗の激しさなどに戸惑い、産後うつを発症しやすいといわれています。

以下のような症状が表れたら、妊娠うつ・産後うつを疑って、速やかに病院で受診しましょう!

・気分が落ち込み、何をしても楽しいと思えない
・理由もなく悲しくなって涙が出る
・無気力で、外に出たり人に会ったりする気持ちになれない
・眠れない、眠りが浅い
・体がだるく、いつも疲れを感じる

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妊娠うつ・産後うつの予防法と対処法

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妊娠うつ・産後うつは、責任感が強い人や真面目な人、完璧主義者ほどなりやすいといわれています。妊娠したら、できるだけパートナーや家族の手を借り、不安や心配事があれば一人で抱え込まずに、相談するようにしたいですね。

ただ、ご両親が高齢で家族の助けを得られずに一人でがんばろうとしてしまう人、うつになってもご家族にそれを認めてもらえず、受診が遅れる人は少なくないです。そのため、「うつ症状は誰にでも起こること、だから自分にも起こる」ということをしっかり認識してください。

また、孤独感や閉塞感は、うつ症状を進行させます。「妊娠うつ・産後うつかもしれない」と感じたら、勇気を持って周囲の人に打ち明けましょう。身近な人に話しにくいときは、市の子育て相談窓口や保健師に相談するのもおすすめですよ。

しかし、行政はよほどのことがない限り、すぐに動いてくれるわけではありません。そのため、医療ソーシャルワーカー(MSW)がいる病院や、産後の育児やおっぱいケアを含めて頼れる近くの助産院など、妊娠中から産後の頼れる先を探しておくといいかもしれません。

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妊娠・出産には不安が付き物

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妊娠うつ・産後うつの症状が現れると、「あんなに子供が欲しいと思っていたのに、なんて身勝手な母親なんだろう」などと、自分を責めたくなるかもしれません。でも、妊娠や出産に不安は付き物。ほかのママが元気そうに見えるかもしれませんが、実際はそうでもないことが多く、みんな大なり小なり悩んでいます。なので、自分を卑下したり、情けなく感じたりする必要はありません。

どうしようもなくなる前に対処をして、少しでも日々の育児を楽しんでほしいです。赤ちゃんのためにも自分のためにも、妊娠したら少し自分を甘やかして、パートナーや家族と不安を分かち合えるといいですね!


※掲載している情報は、記事公開時点のものです。

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