乳がんだけじゃない?知っておきたいバストのトラブル

胸に痛みを感じたり、しこりのような物を見つけたりすると、「もしかしたら、乳がんかも...」という不安が頭をよぎりますよね。しかし、実は乳がん以外にも、さまざまなバストのトラブルがあるのです。

今回は、代表的なバストのトラブルやセルフチェックの方法、治療法などについて、医療・美容記事を多く手掛ける編集者/ライターのライラさんに教わりました。



【PROFILE】

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ライラさん(40歳)

医療・美容を多く手がける編集者/ライター。気になった健康法は試さないと気がすまない性質。「ストレスを明日に持ち越さない」をモットーに、日々体を動かすことを欠かさない。最近、ボルダリングに目覚めた。

バストのしこりや痛みの原因は?

温泉旅行に来たライラさんは、雪を見ながら露天風呂を楽しんでいます。友人のかおりさんが、浮かない顔をしているのが少し気になりますが...。

かおりさん 「ライラは、乳がんのセルフチェックしてる?」

ライラさん 「お風呂に入ったときに、鏡の前で確認しているかな」

かおりさん 「最近、胸にしこりがあるようで気になっているの。少し痛みもあるし...」

ライラさん 「もしかしたら、月経前が多いんじゃない?」

かおりさん 「そういえばそうかも。透明な液体が出ることもあるのよね。乳がんの可能性はあるかしら?」

ライラさん 「バストに痛みやしこりを感じても、乳がんとは限らないわ。女性ホルモンのバランスの乱れによって起こるバストのトラブルも多いのよ。痛みが続くようなら、病院での検査が必要ね。温泉から上がったら、乳がん以外のバストのトラブルや治療法について紹介するわ!」

乳がん以外のバストのトラブル

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しこりや痛み、張り、ひきつれ、乳頭からの分泌物など、さまざまな症状を伴うバストのトラブル。多くは良性疾患だけど、症状がある場合は自己判断せずに、乳腺外科や乳腺科で検査を受けましょうね。 ここでは、バストのトラブルの代表的な疾患や治療法について説明するわ。



ホルモンバランスの乱れが原因の「乳腺症」

「乳腺症」は、ホルモンバランスの乱れによって起こる良性の疾患よ。女性ホルモンのひとつである、エストロゲンの過剰分泌状態が原因と考えられていて、乳房のしこりや痛み、張り、乳頭からの分泌物などの症状が見られるわ。月経前のPMS(月経前症候群)の時期に症状を感じやすく、月経後には自然と痛みがなくなっていることが多いのが特徴よ。

治療は必要ないけれど、あまりに痛みが強いようであれば、病院で痛み止めや低用量ピルなどを処方してもらいましょう。硬いカップのブラジャーで乳房を固定して、痛みをやわらげる方法もあるわ。



乳腺症の一種である「乳腺のう胞」

「乳腺のう胞」は、乳腺症の一種で、乳腺の中の疾患よ。押すと痛みがあって、しこりの形状が丸いようであれば、乳腺のう胞の可能性があるわね。

乳腺症と同じように、月経前に症状が出ることが多いのが、乳腺のう胞の特徴。特に生理不順の人は、しこりが大きくなりやすく、痛みも強くなるの。

乳腺のう胞は、超音波検査で見極めがつきやすいから、痛みやしこりが気になる人は、早めに検査を受けてね。症状がひどくなければ治療の必要はなく、乳腺のう胞から乳がんに移行することもないわ。

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月経周期に影響を受けない「乳腺線維腺腫」

「乳腺線維腺腫」は、乳腺の中にできる良性の腫瘍。押すと痛みがあり、しこりがよく動くことが判断の目安よ。乳腺症や乳腺のう胞とは異なり、ホルモンバランスの乱れに関係なく症状が現れるから、月経が終わっても痛みが消えることはないわね。

病院で検査をして、乳腺線維腺腫とわかれば、後は経過観察で問題ないわ。検査では、超音波検査とマンモグラフィーを組み合わせ、場合によっては細胞診や組織診を行うこともあるわ。急に痛みが強くなったり、しこりが大きくなったりした場合は、医師から切除をすすめられることもあるわね。



葉状腫瘍

「葉状腫瘍」は、乳腺線維腺腫と同じく、乳腺にできる腫瘍よ。外から見てわかるくらい、しこりが大きくなるのが特徴で、良性でも切除することが多いの。

急にしこりが大きくなった場合は、悪性の可能性も高いから注意が必要ね。葉状腫瘍は、切除後も局所再発しやすく、悪性の場合は転移することも...。治療の際は、針生検(組織診)による診断をもとに、個別の対応が取られることが多いわ。



授乳期に発症することが多い「乳腺炎」

「乳腺炎」は、乳頭から細菌に感染して起こる、乳腺とその周辺の炎症よ。授乳期のママに発症することが多く、授乳時の痛みや乳房が赤くなるなどの症状のほか、発熱も伴うわ。

治療法としては、抗生物質の服用や、乳管の詰まりをなくすためのマッサージや吸引などが挙げられるわね。膿が溜まってしまった場合は、乳房を切開して取り除くことも考えないと。初期は胸がチクチクするような痛みを感じるから、そのような症状があれば早めに受診してね。

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月経不順や不妊の原因にもなる「高プロラクチン血症」

「高プロラクチン血症」は、母乳分泌のためのホルモンである「プロラクチン」が過剰に分泌され、出産していないのに母乳が出る疾患よ。月経不順や不妊の原因にもなるから、症状が出たらすぐに婦人科を受診しましょう。

高プロラクチン血症は、精神・神経症状に効果のある薬や降圧剤など、一部の薬剤を常用している人によく見られるわ。ほかに、脳の下垂体に腫瘍がある人にも症状が現れる場合があるわね。下垂体に腫瘍がある場合は、脳外科で手術をしたり、薬でプロラクチン値を抑えたりするなどといった治療が必要よ。



乳首から血液状の分泌物が出る「乳管内乳頭腫」

「乳管内乳頭腫」は、母乳を通す管である「乳管」にできる良性の腫瘍。乳首から血液状の分泌物(血性乳頭分泌)が出るのが大きな特徴よ。

血性乳頭分泌が出る症状は、若いうちはほとんどが良性で、検査の結果、乳管内乳頭腫と診断されるケースも多いわ。一方、閉経後に血性乳頭分泌が出た場合、乳がんの可能性も高いから注意が必要ね。

バストへの意識を高めて早期発見につなげよう

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このように、乳がんのほかにも、さまざまなバストのトラブルがあるのよ。年に1度の検診のほか、どんな種類のしこりなのか、乳首からの分泌物に血液が混じっていないか、月経前に乳房の痛みや張りを感じるかなど、定期的にチェックしていきましょう。

日頃からバストへの意識を高めることで、乳がんを含むバストのトラブルの早期発見につながるはずよ。

【健診・人間ドックを受けるなら】

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内科、婦人科、神経内科(頭痛・めまい)、リウマチ科、整形外科など患者様のニーズに応じた診療科を多数設置しています。風邪や消化器疾患、慢性疾患、健診の二次検査など幅広く対応、各種健康保険も取扱いしております。花粉症の治療について症状を抑えるためにも、適切な治療を受けることをおすすめします。お気軽にご相談ください。

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