慢性的な耳鳴りは要注意？女性ホルモンと耳の関係
頭の奥で、何か音が鳴っているように感じる耳鳴り。更年期を迎えると、めまいを伴った耳鳴りが増えるといわれています。
耳鳴りは、自律神経の乱れが原因で起こることがある一方で、深刻な病気が隠れていることも少なくありません。耳鳴りが起こるメカニズムや、耳鳴りに悩まされたときの対処法について、医療・美容記事を多く手掛ける編集者／ライターのライラさんに教わりました。
【PROFILE】
ライラさん（40歳）
医療・美容を多く手がける編集者／ライター。気になった健康法は試さないと気がすまない性質。「ストレスを明日に持ち越さない」をモットーに、日々体を動かすことを欠かさない。最近、ボルダリングに目覚めた。
更年期のめまいや耳の不調の原因とは？
ボルダリングジムを訪れたライラさん。更衣室に入ると、友人のかおりさんがベンチに座り込んでいます。
ライラさん 「かおりさん、座り込んでどうしたの？」
かおりさん 「ちょっと、めまいがしてね...」
ライラさん 「大丈夫？何だか顔色も良くないわね」
かおりさん 「少し休めば大丈夫なんだけど、時々めまいがして、耳鳴りもするのよ」
ライラさん 「最近、寝不足が続いていたりしない？」
かおりさん 「そうね...。少し仕事が忙しかったから」
ライラさん 「更年期になると、自律神経の乱れから、めまいや耳鳴りを感じることが増えるのよ。少し休んで落ち着いたら、女性ホルモンと耳鳴りについて説明するわね」
更年期は耳鳴りのリスクが増加する
更年期になり閉経が近づくと、めまいや耳鳴りのリスクが増えるわ。その原因は、更年期になると、女性ホルモンの一種であるエストロゲンが急激に減るから。エストロゲンの分泌を促す視床下部が異常を感じてパニックを起こし、自律神経が乱れてしまうのよ。
更年期の耳鳴りは、自分の周囲がクルクル回転するように感じる「回転性のめまい」を伴うのが特徴。体が揺れるような感じがして、「キーン」という音が頭の中から響いてくるわ。
めまいと耳鳴りが同時に起こるのは、平衡感覚を司る三半規管と、外耳や内耳などの聴覚器官が近い位置にあることが関係しているの。
耳鳴りの引き金になるのは、ストレスや疲労、睡眠不足など。更年期に「寝付けない」「何度も目が覚めてしまう」といった症状を感じる人も多いけど、睡眠障害は耳鳴りを悪化させる原因にもなるから、早めの対応が必要よ。
めまい以外の耳鳴りの原因
耳鳴りは、更年期を過ぎると頻度が少なくなっていくもの。もしも、なかなか耳鳴りが治まらない場合、ほかの病気が原因のこともあるから注意が必要ね。ここからは、更年期の症状以外の耳鳴りの原因について見ていきましょう。
血行不良や高血圧による耳鳴り
血行不良による耳鳴りは、体内の老廃物が三半規管や内耳、中耳に溜まって、血行が滞ることで起こる症状よ。中高年になると、高血圧に伴って耳鳴りが起こることもあるわ。耳の近くの血管が硬くなってしまい、雑音として聞こえてしまうの。耳鳴りが気になる場合は、血圧のチェックをしてみてね。
噛み合わせのずれが原因の耳鳴り
噛み合わせのずれも耳鳴りの原因になるわ。噛み合わせの悪い状態が続くと、顔の筋肉や神経を圧迫し、耳の感覚器や聴覚神経への伝達にも影響を及ぼして、耳鳴りが起こるのよ。
病気が原因の耳鳴り
耳鳴りは、突発性難聴やメニエール病などの病気によって引き起こされることもあるわ。メニエール病は、耳鳴りに加えて、難聴や耳の詰まりなどの症状を伴うのが特徴。突然耳が聞こえなくなる突発性難聴は、発症する前後に耳鳴りや強いめまい、吐き気を伴うことが多いといわれているわ。
耳鳴りへの対処法
耳鳴りは、精神的なストレスや睡眠不足によって引き起こされることが多い症状。まずは睡眠をしっかり取って、規則正しい生活を送ることが大切よ。ストレッチやウォーキングなど軽めの運動を習慣化して、ストレスを溜め込まないようにするのもいいわね。
めまいや耳鳴りがしたら、ツボを刺激するのもおすすめよ。耳の後方の骨のあいだにある「頭竅陰（あたまきょういん）」や耳の前方にある「耳門（じもん）」などのツボを刺激することで、血行が促進されるわ。血行不良が耳鳴りの原因であれば、蒸しタオルなどで首や耳の周りを温めるのも効果的よ。
めまいや耳鳴りが頻繁に起こるなど、症状が強いようであれば、婦人科や耳鼻科などの医療機関を受診しましょう。症状によっては、抗めまい薬や漢方薬などを処方されることもあるし、HRT（ホルモン補充療法）による治療をすすめられることもあるわ。
耳鳴りの放置はNG！異常を感じたらすぐに受診して
耳鳴りは、一過性のものであれば心配ないけれど、調べてみると大きな病気が隠れていることも...。あまりにも強いめまいや耳鳴りを感じるときは、脳梗塞や脳出血などの可能性も否定できないわ。「いつもと症状の感じ方が違う」など、異常を感じたら、すぐに医療機関を受診しましょうね。
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この記事は、働く女性の医療メディア
ILACY（アイラシイ）の提供です。
