顔だけ熱い...手足が冷たくて顔がほてる「冷えのぼせ」とは?

顔や上半身は熱いのに、手足が冷える...。そんな症状に悩まされる女性が増えています。更年期のホットフラッシュと似ていますが、重度の冷え性が原因といわれています。
冷えは、寒い冬の時期だけでなく、室内外の気温差が激しい夏にも起こるので要注意。今回は、顔や上半身だけ熱い「冷えのぼせ」の特徴や対処法について、医療・美容記事を多く手掛ける編集者/ライターのライラさんに教わりました。

【PROFILE】

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ライラさん(40歳)

医療・美容を多く手がける編集者/ライター。気になった健康法は試さないと気がすまない性質。「ストレスを明日に持ち越さない」をモットーに、日々体を動かすことを欠かさない。最近、ボルダリングに目覚めた。

顔だけ熱くなる「冷えのぼせ」とは?

運動不足の解消に、ボルダリングをしにきたライラさん。先にジムで運動していた友人のゆいさんが、汗だくになっているのを見つけました。

ライラさん 「ゆいさん、すごい汗!だいぶ運動したの?」

ゆいさん 「まだ軽く運動しただけなんだけど、のぼせたみたい...」

ライラさん 「でも、手足は冷たいわね。大丈夫?」

ゆいさん 「最近、顔だけぼーっと熱いことも多くて。更年期の症状かしら?」

ライラさん 「それは、冷えのぼせかもしれないわね。近頃、増えているみたいよ」

ゆいさん 「冷えのぼせ?元々冷え性なんだけど、関係あるかしら」

ライラさん 「そうね。冷えのぼせは、冷え性が重症化したものといわれているわ。せっかくだから、冷えのぼせについて説明するわね」

冷えのぼせは「冷え」の一種

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顔や上半身にたくさん汗をかいても手足は冷たいままなのが、冷えのぼせの特徴よ。以下の症状にあてはまる人は、冷えのぼせの疑いがあるといえるわね。



・手足は冷たいのに、顔や頭がのぼせたように熱くなる
・軽い運動をした後、上半身が熱くなり汗が大量に出る
・暖房の効いた部屋に入ると、上半身が熱くなり汗をかく
・冷たい物を飲んだり食べたりするとトイレが近くなる
・手のひらや足の裏にじっとり汗をかく

女性が冷え性になりやすいのは、男性よりも筋肉量が少ないことが原因。血流が良くなったり、発熱したりするのは、筋肉の影響が大きいのよ。ダイエットなどで食事量を制限している場合も、体が熱を作りにくくなってしまうわ。夏にエアコンの効きすぎた寒いオフィスに長時間いるなど、温度差の激しい環境が続くことも、冷え性の原因のひとつね。

そのほか、ストレスが多い人も、冷え性になりやすいといわれているの。ストレスによって、体温を一定に保つ自律神経の働きがうまく機能しなくなり、冷え性を招きやすくなるのよ。

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冷えによって、血行不良の状態が長く続くと、代謝が悪くなって静脈やリンパ管の流れが滞り、手足の末端がむくんでくるの。冷え性になると、体温を一定に保つために、交感神経と副交感神経がいつもよりたくさん働くようになるわ。

交感神経がフル稼働すると、自律神経が乱れやすくなり、血管の収縮・拡張のコントロールがうまく機能しなくなるの。やがて、上半身に熱が集中し、顔がほてったりぼーっとしたりといった「冷えのぼせ」の症状が引き起こされるのね。

悪循環に陥らないための対処法

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冷えのぼせになりやすい人は、元々冷え性であることに加えて、ストレスの多い生活をしていたり、生活習慣に乱れがあったりする人が多いわね。睡眠トラブルを抱えている人も、寝ているあいだに汗をかくことで、体を温められずに、冷え性が重症化することが多いのよ。

ここからは、冷えのぼせの対処法について説明するわね。


冷えのぼせを感じたときの一時的な対処法

まずは、顔や頭、脇の下など、ほてりを感じる部分をすぐに外気にさらすなどして、一時的に冷やして熱を逃がしましょう。そこで気を付けたいのは、体全体は冷やさないようにすること。上半身は熱くても、手や足先は冷えていて、冷えと熱が混在している状態なの。おなかや腰、お尻、足首などは、常に温めることを意識して。

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習慣化したい対処法

冷えのぼせを改善するには、食習慣や生活習慣を見直すことが大切よ。毎日、意識して続けたい対処法について紹介するわね。

・ぬるめのお湯にゆっくり浸かる
お湯の温度は、38~40℃くらいがおすすめ。20~30分ゆっくり浸かって、体を芯から温めて。ただし、のぼせてめまいを起こすこともあるから、あまり長い時間お湯に浸かりすぎないように注意。毎日の入浴で、心身をリラックスさせてね。

・温度調節の利く服装を心掛ける
冷えのぼせは、冷えとほてりが混在する状態。急にほてりを感じたときのために、ブラウスの上にカーディガンを羽織るなど、温度調節しやすい服装がおすすめよ。汗をかいた後は、余計に体が冷えてしまうから、汗を吸収しやすく乾きやすいインナーを選ぶのがいいわね。

・体を温める食材を取る
冷えを撃退するには、食習慣も大切。なるべく体を温めて、血流を良くする食べ物を摂取するよう心掛けて。ショウガやニンニクなどの香辛料のほか、紅茶やココアなども体を温めてくれるわ。反対に、キュウリやレタスなどの葉物野菜や、スイカ、メロンなどの果物は、体を冷やすからできるだけ避けてね。

・適度な運動を習慣化する
激しい運動をする必要はないけれど、少し息が切れるくらいの運動を習慣化して。エスカレーターではなく階段を使ったり、通勤で1駅分歩いたりするなど、日常に取り入れやすい運動がいいわね。

・眠る前に十分なリラックスタイムを
自律神経を整えるためには、毎日リラックスした状態で眠るのが大事。眠る前にパソコンやスマホを見るのは、神経を興奮させるからNGよ。副交感神経が優位になるように、首を温めたり、好きな香りのアロマを焚いたり、自分なりのリラックス方法を見つけてみて。

冷えのぼせの解消は、冷え性の改善から

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自律神経の乱れは、冷え性を悪化させるわ。冷えのぼせの傾向がある人は、仕事が終わった後や休日に、なるべくリラックスした時間を持つよう心掛けて。

冷えのぼせと更年期症状は、見分けるのが難しいもの。「おかしいな」「つらいな」と感じたら、迷わず医療機関に相談しましょうね。



【更年期治療を得意とするクリニック】

浜松町ハマサイトクリニック>(東京・浜松町)

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女性の身体と気持ちへの寄り添いをモットーに、気軽に受診いただけるクリニックを目指し、婦人科・内科をはじめとした外来診療や健診・人間ドックを提供。生理痛、不正出血、子宮筋腫、子宮内膜症などの治療やピルの処方だけでなく、疲れや倦怠感、イライラなど更年期障害の治療も得意としたクリニックです。


東京ミッドタウンクリニック>(東京・六本木)

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病気の早期発見・予防のため、きめ細やかなテーラーメイドの健診を提供しているクリニック。外来診療では風邪などの疾患から専門的な診療まで幅広く対応。婦人科では、生理不順、不正出血、おりものの変化、子宮がん・卵巣がん・性感染症など、婦人科疾患全般について相談が可能です。



※掲載している情報は、記事公開時点のものです。
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