インフルエンザを徹底的に予防するにはどうすればいい?

秋の気配を感じるころになると、気になってくるのがインフルエンザ。毎年11~12月にかけて流行し始め、翌年1~3月頃にピークを迎えた後、4~5月頃に終息するのが一般的です。
その感染力は非常に強く、幼児や高齢者、慢性疾患のある人、病気療養中の人などは重症化して死に至ることもあるため、正しい知識を身に付けて、予防に努めることが重要です。特にILACY(アイラシイ)世代は仕事・家事・子育てなど多くを抱えている人も多いのではないでしょうか。

ここでは、インフルエンザを徹底的に予防するにはどうすればいいか、医療・美容記事を多く手掛ける編集者/ライターのライラさんに教えてもらいました。

【PROFILE】

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ライラさん(40歳)

医療・美容を多く手がける編集者/ライター。気になった健康法は試さないと気がすまない性質。「ストレスを明日に持ち越さない」をモットーに、日々体を動かすことを欠かさない。最近、ボルダリングに目覚めた。


ワクチンは重症化を防ぐために有効

インフルエンザの予防接種のため、クリニックを受診したライラさん。そこで近所に住むミチルさんに会いました。

ライラさん 「ミチルさんも予防接種?」

ミチルさん 「ううん、ちょっとおなかの調子が悪くて。予防接種ってインフルエンザ?」

ライラさん 「そうよ。そろそろしておかないとね」

ミチルさん 「私、したことないのよね。だって、予防接種しても感染するときはするじゃない」

ライラさん 「確かに、完全に予防はできないわ。でも、重症化を防ぐにはとても有効よ」

ミチルさん 「そうなの?泣いて嫌がるから、うちの子にもさせてないんだけど...」

ライラさん 「小さい子は感染リスクも高いし、今年はぜひ検討してみて!ワクチンといっしょに試してほしい予防法もあるのよ」

インフルエンザは感染力が強く、重症化しやすい

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まず、インフルエンザと普通の風邪との違いから説明するわね。

インフルエンザも風邪も、ウイルスを病原とする感染症であるという点ではよく似ているの。ただ、その原因となるウイルスはまったくの別物で、症状の出方にも大きな違いがあるの。

一般的な風邪は、のどの痛みや鼻づまり、咳といった呼吸器の症状が中心で、比較的ゆっくり進行するの。一方、インフルエンザは、風邪と同じような症状に加えて、38℃以上の高熱や関節痛・筋肉痛、倦怠感、頭痛といった、全身的な症状も急激に現れるの。飛沫感染するから、咳やくしゃみを介して、あっという間に流行が拡大するのが怖いところ。

小児や高齢者、免疫力が低下している人などが罹患すると重症化しやすく、時に命にも関わる場合もあるのよ。

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インフルエンザの予防法

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インフルエンザを完全に防ぐのは難しいけど、有効な予防法はいくつかあるので紹介しましょう。



ワクチン接種

ワクチンは、体の中にインフルエンザウイルスに対する抗体を作り、免疫力を高めるもの。感染の可能性を下げたり、発症後の重症化を防いだりする効果が期待できるので、インフルエンザの予防でもっとも重要よ。

ワクチンが効果を発揮するのは、だいたい接種の2週間後から5ヵ月間程度。流行シーズン前に、できるだけ早めに受けておくのがおすすめよ。ワクチンの自己負担額は、自治体や会社の補助などによって異なるけど、成人で1回3,500~4,500円くらいのところが多いと思うわ。

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手洗い・うがい

基本だからこそおろそかにしがちな手洗いとうがい。でも、決して侮れないのよ。予防のために重要なのは、ウイルスを寄せつけないこと。接触感染、空気感染で手についてしまったウイルスを落とすには、こまめな手洗いはとても重要なの。

出勤後、帰宅後、調理前、食事前などのタイミングで、指のあいだや手首までしっかり洗いましょう


マスク

空気が乾燥するとウイルスの防御機能が低下してしまうため、インフルエンザ予防において乾燥は大敵。よって、外出時などにはマスクを利用して、喉を適度な湿度に保つようにしましょう。

マスクをつけるときは、鼻からあごまでしっかり覆うようにすることが大切。飛沫感染対策としてもマスクは有効だけど、完全にウイルスをシャットダウンすることはできないので、外出から戻ってきたら手洗い・うがいは忘れずにね。


加湿と水分補給

インフルエンザウイルスは、乾燥した環境が大好き。ウイルスの活動を活発化させないよう、加湿器を使ったり、洗濯物を部屋干ししたりして、室内では適度な湿度を保ちましょうまた外出時にはこまめに水分補給をして、喉を潤すことを心掛けて。マスクには、ウイルスの侵入を防ぐ効果のほか、のどの乾燥を抑える効果もあるので、流行シーズン中に人ごみに行く場合や、満員電車に乗るときなどはしておくと安心よ。


人混みや繁華街への外出を控える

インフルエンザが流行する時期には、幼児や高齢者、基礎疾患がある人は極力人ごみへの外出を控えるのが良いでしょう。疲労気味・睡眠不足の方も要注意です。どうしても外出しなければならない場合は、マスクをするなどして飛沫感染を防ぐ努力をしましょう。


休養とバランスのとれた食事

人は疲れが溜まっていると抵抗力が落ち、ウイルスに感染しやすくなるわ。よって、日頃から十分な休養をとり、バランスのとれた食事を心掛けましょう。

インフルエンザ予防は、流行シーズン前から!

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インフルエンザを予防するには、普段から体の免疫力を高めて、ウイルスを撃退する力を蓄えておくことがとても大切よ。

十分な睡眠と、栄養バランスのとれた食事を意識して、感染リスクをできるだけ下げるようにしましょうね。


この記事を監修した人
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源河いくみ(げんかいくみ)医師

医学博士/日本内科学会 総合内科専門医、日本感染症学会 感染症専門医、国際旅行医学学会認定医
専門分野:内科、感染症
日本大学医学部卒業後、国立国際医療研究センターでの感染症科・渡航者外来勤務を経て2007年より東京ミッドタウンクリニック・トラベル外来医師として活躍中。渡航前のアドバイスや予防接種、予防薬の処方などの渡航者の健康管理を日々サポートしている。


※掲載している情報は、記事公開時点のものです。
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