いびきをかく、寝起きがだるい...それってあの病気のサインかも?

家族や友人から「いびきがうるさい」と指摘されたことはありませんか?疲れていたり、寝る前にお酒を飲んだりした後は、特にいびきをかきやすいといわれています。
慢性的にいびきをかいたり、睡眠中に息苦しさを感じたりするときは、病気のサインかもしれません。注意が必要ないびきの種類や予防法について、医療・美容記事を多く手掛ける編集者/ライターのライラさんに教わりました。

【PROFILE】

ライラ.jpg


ライラさん(40歳)

医療・美容記事を多く手掛ける編集者/ライター。気になった健康法は試さないと気がすまない性格。「ストレスを明日に持ち越さない」をモットーに、日々体を動かすことを欠かさない。最近、ボルダリングに目覚めた。

いびきに隠れた怖い病気とは?

次の連休に、友人のみさとさんと旅行の計画をしているライラさん。会社帰りにカフェで待ち合わせ、相談中です。

ライラさん 「この宿、素敵ね!旅行が楽しみだわ」

みさとさん 「ねえ、ライラ。ちょっと相談なんだけど...。先月、友人と温泉旅行に行ったとき『大きないびきをかいてたよ』って言われちゃって...」

ライラさん 「疲れていたりお酒を飲んだりすると、いびきをかきやすくなるのよ。普段はどう?寝起きに体がだるいことはある?」

みさとさん 「それが最近、自分のいびきで起きることがあるの。十分寝ているはずなのに、眠気が取れなくて一日中体がだるいときも...」

ライラさん 「もしかしたら、睡眠時無呼吸症候群かもしれないわね。いびきには、一過性のものもあれば、慢性化して注意が必要なものもあるのよ。いびきの種類や予防法について説明するわね」

いびきをかく人はチェック!3種類のいびき

ライラ.jpg

就寝時はリラックスして全身の筋肉が緩むと同時に、喉のまわりの筋肉も緩むわ。さらに、重力によって舌の付け根が奥へ下がることで、気道が狭くなってしまうの。

いびきは、気道が狭くなった状態で呼吸をしたときに、気道の周囲の組織が振動して起きる雑音なのよ。症状によって次の3つの種類に分けられるわ。

ibiki-min.jpg


1 単純性いびき症

単純性いびき症は、疲労や鼻づまり、飲酒が原因となる一時的ないびきのことよ。入眠時にいびきをかくことが多いわね。毎日でなければ健康に影響はないし、原因を取り除くだけで解消できるわ。


2 上気道抵抗症候群(じょうきどうていこうしょうこうぐん)

上気道抵抗症候群は、習慣的にいびきをかく上、きちんと睡眠時間を取っているのに日中に眠気やだるさを感じるのが特徴よ。気道が狭まる睡眠中に、無理に強い力で呼吸をするため息苦しくなり、睡眠が途切れてしまうため昼間に眠くなってしまうの。


3 睡眠時無呼吸症候群

睡眠時無呼吸症候群は、習慣的にいびきをかく上に、音が大きかったりいびきが朝まで続いたり、さらに眠っている途中で呼吸が止まってまた再開するような症状が特徴よ。呼吸が何度も止まることで、夜中に何度も目が覚めてしまうため、眠りが浅く、日中に眠気やだるさを感じるわ。

日中の仕事に支障をきたしたり、さまざまな生活習慣病を引き起こしたりすることがあるから要注意。

生活に影響を及ぼす睡眠時無呼吸症候群

ライラ.jpg

睡眠時無呼吸症候群について、もう少し詳しく説明するわね。睡眠時無呼吸症候群(Sleep Apnea Syndrome:SAS)は、眠っているあいだに呼吸が止まる病気よ。一般的に、10秒以上の無呼吸・低呼吸(呼吸が浅く・弱くなる状態)が1時間に5回以上起き、日中の眠気等症状がある場合は、睡眠時無呼吸症候群と診断されるわ。

10秒以上の無呼吸・低呼吸が1時間に5~15回だと軽症、15~30回だと中等症、30回以上だと重症と評価されるのよ。

呼吸が止まるたびに脳が覚醒するから、眠りが浅くなり睡眠が不安定になってしまうの。日中に強い眠気を感じて、大事な仕事でミスをするなど日常生活にも支障をきたしてしまうわ。睡眠時無呼吸症候群の場合、次のような自覚症状を感じる人が多いわね。

<睡眠時無呼吸症候群の自覚症状>
・眠っているときに大きないびきをかく
・睡眠時間が長くても熟睡感がない
・起床時に頭痛や頭重の症状がある
・昼間、強い眠気に襲われる
・集中力がなく、ケアレスミスが増える

睡眠時無呼吸症候群は、さまざまな生活習慣と大きな関わりがあるといわれているの。たばこやお酒が好きでやめられない人、特に寝る前のお酒が習慣になっている人は注意が必要ね。

慢性的にお酒を飲んでいびきをかくことで、いびきも慢性化してしまうのよ。

いびき_3-min.jpg

また、暴飲暴食をしがちな人や太りぎみの人も、睡眠時無呼吸症候群になりやすいといわれているわ。太ることで、舌や喉にも脂肪がつくため、気道が狭くなりやすいの。さらに、太っていると眠るとき横向きになりにくいため、仰向けで眠ることが多く、気道がより狭まっていびきをかきやすくなってしまうのよ。

ただし、やせているからといって安心はできないわ。顎が小さい人や下顎が後ろに引っ込んでいる人、小顔の人、歯並びが悪い人、舌や舌の付け根が大きい人も気道が狭くなりがちで、いびきをかきやすいといわれているの。

女性の場合は、特に更年期以降に睡眠時無呼吸症候群になる人が多いのよ。女性ホルモンのひとつであるプロゲステロンには、上気道開大筋群(上気道を開く筋肉)の筋活動を高める働きがあるけれど、閉経後にホルモンバランスが変化することで、この筋肉をコントロールするのが難しくなってしまうの。

いびき改善のためのセルフケア

ライラ.jpg

いびきを放っておくと、血圧や血糖値の上昇、新陳代謝の異常による肥満などを引き起こすなど、生活習慣病のリスクが高まってしまうわ。症状が軽いうちであれば、自分でいびき対策をすることで、それらの症状を軽減することができるわ。

ここからは、いびき改善のためのセルフケアについて紹介するわね。


横向きに寝る

体を横向きにして寝るだけで、仰向けよりも気道が狭まらなくなるわ。これだけでいびきが改善する人もいるから、まずは試してみて。


減量する

首周りの脂肪が減ると、気道が確保しやすくなるの。やせることで横向きに寝やすくなるから、いびきの改善にもつながるわね。


寝酒をやめる

お酒にはリラックス効果があるけれど、筋肉が緩みすぎてしまうといびきの原因に。水分で舌が肥大したり、鼻づまりしやすくなったりするから、寝酒はNG!


寝室の湿度を保つ

いびきをかいているときは口呼吸になっていて、喉が乾燥したり、ほこりなどが入って炎症を起こしたりする危険があるわ。炎症によってさらに気道が狭まってしまうから、部屋の湿度を高く保って予防しましょう。


いびき防止グッズを使う

口を閉じたり、鼻腔を広げたりして鼻呼吸を促すテープや、口呼吸を防止するマウスピース型の物など、ドラッグストアで売っているいびき防止グッズも活用してみてね。

いびきが気になるなら睡眠外来などの専門外来へ!

ライラ.jpg

いびきの状態が軽いうちはいいけれど、重症化すると、セルフケアで改善するのは難しくなってしまうわ。生活習慣病の悪化や突然死のリスクもあるから、気になる人は、できるだけ早く専門医に相談しましょう。

「睡眠外来」や「睡眠センター」のような専門外来のほか、内科や呼吸器科、循環器科など、医療機関によって対応している場所が違うから、かかりつけの医師に相談して、専門医を紹介してもらうのもいいわね。快適な睡眠で、健康を維持していきましょう。


※掲載している情報は、記事公開時点のものです。
ヘルスケア
この記事をシェアする

この記事は、働く女性の医療メディア
ILACY(アイラシイ)の提供です。

“おすすめ記事recommended

CATEGORYカテゴリー