消化力を高める白湯の効果。習慣化には生姜やレモンでアレンジを

冷たい食べ物のとりすぎや、ストレスなどによって消化機能が弱っているときは、冷たい水よりも白湯を飲むのがいいといわれています。ただお湯を沸かして飲めばいいと思っている人も多いかもしれませんが、実は白湯には正しい作り方や消化力を高める飲み方があります。
そこで今回は、医療・美容記事を多く手掛ける編集者/ライターのライラさんに、白湯の作り方や効果、飲むときのポイントについて教えていただきました。

【PROFILE】

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ライラさん(40歳)

医療・美容記事を多く手掛ける編集者/ライター。気になった健康法は試さないと気がすまない性格。「ストレスを明日に持ち越さない」をモットーに、日々体を動かすことを欠かさない。最近、ボルダリングに目覚めた。

胃腸の調子が優れない...そんなときは「白湯」がおすすめ

友達のメイさんとランチに来たライラさん。どの料理もおいしそうで、なかなかメニューを決められない2人ですが、どうやらメイさんには別の理由もあるようです。

ライラさん 「食べたい物ばかりで迷っちゃうわね。メイはどれを注文するか決めた?」

メイさん 「うーん、どうしよう...。あまり胃の負担にならない物がいいな」

ライラさん 「あら、どこか体の調子が悪いの?」

メイさん 「実は最近、食事の後に胃もたれを感じることが続いているの。何かいい対処法を知らない?」

ライラさん 「白湯を飲んでみたらどうかしら? 白湯には内臓機能の回復をはじめ、さまざまな体にいい作用があるといわれているの。白湯の効果について説明するわね」

白湯を飲むことでどんな効果が期待できる?

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「白湯」とは、水を沸かしたお湯のこと。一度、沸騰させたお湯を冷まして作ることから、「湯冷まし」とも呼ばれるわ。薬を服用するときや、赤ちゃんの水分補給にいいと聞いたことがある人も多いんじゃないかしら。白湯にどんな効果があるか、具体的に説明するわね。



内臓機能の回復

内臓が温められることで、弱っていた内臓が活発に動くようになるわ。特に、消化不良や胃もたれなど胃腸の調子が優れない人は、内臓が冷えている可能性があるから、白湯を飲むのがおすすめよ。


血液の流れを良くする

白湯には内臓だけでなく、血液や血管を温めて血流を促す効果もあるの。血液が全身に行き渡ることで冷え性が改善されたり、肌トラブルの解消につながったりするわ。


腸の働きを促す

冷たい水よりも体温に近いため体に吸収されやすく、利尿作用が高まるのも白湯の利点。胃腸に溜まった老廃物が排出されやすくなったり、便秘が解消したりする効果が期待できるわ。後述のようなアレンジを加えることで飲みやすくなるわよ。


基礎代謝を上げる

血液や内臓が温まることで、体温が上昇し、基礎代謝のアップも期待できるわ。脂肪燃焼率も良くなるから、白湯を飲むことでダイエットにもつながるといわれているのよ。

ただお湯を沸かすだけじゃない! 白湯の作り方

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さまざまな効果はもちろん、水を沸騰させる道具があれば簡単に作れる点も白湯の魅力。ここでは、やかんを使って白湯を作る方法を紹介するわね。



<用意する物>
・水(水道水または軟水のミネラルウォーター)
・やかんなど水を沸かす道具

<作り方>
1. やかんに水を入れて強火にかける
2. 沸騰したら弱火にし、蓋を取って湯気が上がるようにする
3. そのまま10~15分間沸かし続ける
4. 火を止めて、飲める温度(50℃前後)になるまで冷ませば完成

時間がないときは、浄水器を通して塩素を除去した水や市販のミネラルウォーターを、電子レンジで温める(500wで1分30秒~3分)だけでもOKよ。

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白湯の正しい飲み方と注意点

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一度沸騰させたお湯は、味がまろやかになるため、水よりも飲みやすいのが特徴。でも、一気にゴクゴク飲んでしまうと、白湯の効果は半減してしまうの。ここからは、白湯の正しい飲み方について説明するわね。



ゆっくり飲む

白湯は「飲む」というより「すする」ように飲むのが理想。なぜなら、一度に大量の水分をとると、胃腸に負担をかけてしまうから。10~20分ほど時間をかけて、ゆっくり飲むようにしましょう


1日3回(朝・昼・夜)飲む

朝起きてすぐに白湯を飲むことで、胃腸が温まり、体が目覚めるからおすすめよ。昼と夜は、食事の30分前に白湯を飲むか、食事といっしょにすするように飲むことで消化を助けてくれるわ。

白湯には高いデトックス効果があるといわれているから、飲みすぎると、体が必要とする栄養素まで排出されてしまう可能性があるの。1日に飲む量はコップ4、5杯(約600~800ml)程度にとどめておきましょうね。

アレンジ白湯で飽きのこない工夫を

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白湯は、健康や美容、ダイエットなど、女性にとってうれしい効果がたくさん。とはいえ、味のないお湯を飲み続けるのはつらいと感じる人もいるはず。

次のようなアレンジを加えると、飲みやすさがアップするだけでなく、プラスアルファの効果も期待できるからぜひ試してみて!

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・生姜
生姜は体を芯から温めてくれるから、冷えの改善に効果的。スライスやすりおろした生姜はもちろん、チューブタイプの物でもOKよ。

・レモン
ビタミンCやクエン酸が豊富に含まれるレモン。肌トラブルの解消を促してくれるほか、疲労回復の効果も期待できるわ

・はちみつ
白湯にはちみつを入れるとほんのり甘さが加わり、飲みやすさがアップ。はちみつは、むくみを予防する効果があるといわれているから、むくみが気になる人におすすめよ。

・オリーブオイル
腸の働きを活発にしてくれる作用があるオリーブオイル。便秘が気になる人は、白湯に小さじ1杯程度のオリーブオイルを入れてみて。

・塩
白湯にひとつまみの塩を加えることで、デトックス効果が高まるといわれているの。塩分をとりすぎないよう、入れる量には注意して。

体の変化を実感するには毎日飲み続けることが大切!

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白湯の効果を実感するには、毎日の習慣にして飲み続けることが大切よ。

お湯を沸かすのが面倒なときは電子レンジを利用したり、飽きてしまいそうになったら味に変化をつけたりするなど、工夫しながら無理なく続けられるようにしましょう!



この記事を監修した人

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古川 真依子(ふるかわ まいこ)医師

医学博士/日本内科学会 総合内科専門医、日本消化器病学会 消化器病専門医、日本消化器内視鏡学会 消化器内視鏡専門医・指導医、日本消化管学会 胃腸科専門医、日本ヘリコバクター学会 ピロリ菌感染症認定医 、日本カプセル内視鏡学会 カプセル内視鏡認定医、日本人間ドック学会 人間ドック認定医
専門分野:消化器内科・内科

2003年東京女子医科大学卒業。東京女子医科大学附属青山病院消化器内科で医療錬士として関連病院等にて診療にあたり、2008年帰局後は助手として指導にも尽力。2013年より東京ミッドタウンクリニック勤務。胃がん・大腸がん・腫瘍など消化器系の疾患だけでなく、便秘や産後の痔など女性ならではの悩みにも詳しい。


※掲載している情報は、記事公開時点のものです。
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