ペットボトル温灸で更年期の症状を改善!3つのツボを使った手当て

コラム・心地よいわたし

更年期になると、のぼせや動悸、イライラなど、さまざまな不調を感じるようになります。体がほてって眠れないなど、ひとつの症状が別の症状を引き起こすことも...。
エクオールなどのサプリメントを摂取したり、ホルモン補充療法を受けたりすることで症状が改善することもありますが、ちょっとした不調を感じたときに、それをやわらげる方法を知っていると心強いですよね。

今回は、「ペットボトル温灸」の考案者である臨床家・鍼灸師の若林理砂先生に、更年期の症状をやわらげるセルフケアについて伺いました。

<前回の記事>
温めたペットボトルで「お灸」ができる!?手間いらずのセルフケアで体を楽に

更年期は体内で「陰の気」が減る時期

――前回、お灸は「体が冷えていたり、皮膚に張りがなかったりするなど、足りない気血を補うための治療法」と教えていただきました。更年期になると心身にさまざまな症状が現れますが、お灸はどのような症状の改善に役立つのでしょうか?

のぼせや疲れやすさ、めまい、動悸、むくみ、イライラなどの症状改善に役立ちます。

東洋医学では、人が健康な状態でいるときは、体内における陰と陽のバランスがうまく保たれていると考えられています。陰陽どちらかが強くなったり、反対に弱くなったりするとバランスが崩れ、健康が損なわれるんですね。

更年期は、体内で陰の気が減る時期と考えられています。それによって、陽の気を抑える力が低下してしまい、上半身に陽の気が上がってくる。だから、のぼせてクラクラしたり、顔だけ汗をかいたりといった症状が出やすくなるんです。体力があるタイプの人だと、イライラを感じることもありますね。

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――動悸や息切れなどが起こるのも、陰の気が減ることが原因ですか?

そうですね。心臓は陽の気の塊と考えられていて、陰の気が減ると暴走しやすくなります。そのため、更年期には、動悸や息切れといった症状が起こりやすくなると考えられています。

このような状態を改善するために使われる治療法のひとつがお灸で、血の気や腎の気といった陰の気を補い、バランスをとっていくんです。

むくみや不眠...更年期の症状を改善する3つのツボ

――ここからは、ペットボトル温灸を使ったセルフケアについて、具体的なやり方を教えていただきます。更年期の症状を改善するには、どのようなツボを刺激すればいいでしょうか?

今回は、3つのツボをご紹介しますね。まずは、60~80℃のお湯を入れたペットボトルを用意しましょう。

1つ目のツボは「三陰交(さんいんこう)」。くるぶしから指4本分上の、すねの骨のそばにあるツボで、冷えやむくみの改善に効果が期待できます。

このツボの周辺にペットボトルを3秒から5秒あてて、パッと離すことを繰り返してください。ツボをピンポイントで狙うのは難しいので、「このあたりかな?」と目安をつけて、ペットボトルを大きくあてるようにしましょう。

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2つ目は「失眠(しつみん)」といって、かかとの裏の真ん中にあるツボです。全身のむくみや寝付きの悪さといった更年期特有の症状のほか、PMSや生理痛などの緩和にも効果が期待できますよ。ペットボトルを横に倒して踏むと、ツボを刺激しやすいと思います。

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――ペットボトルの底面だけでなく、側面を使ってツボを刺激してもいいんですね!3つ目のツボについても教えてください。

3つ目は「帰来(きらい)」というツボです。このツボは、おへそからまっすぐ指4本分下がり、そこから指3本分外側にあります。月経不順や過多月経など、月経の異常が気になるときに使うことが多いですね。

最初はペットボトルの底面や側面を使って、ツボ周辺に大きくあてるようにしましょう。何度も繰り返してツボの位置がわかるようになってきたら、ペットボトル底面の角などを使い、より小さい範囲で狙ってもいいですね。

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更年期を乗り越えるには皮下脂肪も必要!?

――ツボを刺激する以外に、陰の気を補う方法はありますか?

陰の気は、睡眠をとることで補えます。更年期をすこやかに過ごすためにも、睡眠をないがしろにしないでほしいですね。

また、更年期には陽の気が暴走しやすくなります。これは、運動や入浴で軽く汗をかくことで発散できます。毎日短時間で構わないので、軽い運動を習慣化すると、更年期を乗り越えやすくなりますよ。汗をたくさんかくと、陽の気がより暴走しやすくなるので、激しい運動や、半身浴でダラダラ汗をかくことはおすすめしません。

――更年期になるとやせにくくなるので、体型を維持するために筋トレやジム通い始める人も多いですよね。

更年期になると自己イメージがゆがんで、やせようとがんばってしまう人がいますが、激しい運動が更年期の症状をひどくする可能性もあります。

女性のホルモンのバランスを整えるには、筋肉を適度につけることはもちろん、実は皮下脂肪も必要。なぜなら皮下脂肪は、体内で女性ホルモンに似た物質を分泌するといわれているからです。更年期に適度な皮下脂肪を蓄えることは、「天然のホルモン療法」ともいえるんですね。

――体脂肪の割合はどのくらいが理想でしょうか?

21~22%を維持するのが理想です。更年期を乗り越えるには「ちょっとふっくら」を目指したほうがいいですね。やせたい人は、更年期の症状がある程度おさまってから、体づくりを行いましょう。

次回は、爪楊枝鍼を使った具体的なケアについて教えていただきます!


お話を伺ったのは...

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若林理砂(わかばやし・りさ)さん

臨床家・鍼灸師。高校卒業後に鍼灸免許を取得。2004年に東京・目黒にアシル治療室を開院。2019年には「養生が1ヵ所で全部賄える場所」を目指して東洋医学や武術を学ぶStudio Libraを治療室に併設し、東京都品川区に移転オープン。現在、新規患者の受付けができないほどの人気治療室となっている。「絶対に死ぬ私たちがこれだけは知っておきたい健康の話」(ミシマ社)、「安心のペットボトル温灸」(夜間飛行)、「決定版 からだの教養12ヵ月 食とからだの養生訓」(晶文社)など、著書多数。

asilacupuncture - アシル治療室


※掲載している情報は、記事公開時点のものです。

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