「朝日を浴びるといい」のはなぜ?知っておきたい睡眠のメカニズム

睡眠トラブルを解消する方法として、「朝日を浴びるといい」といった話を聞いたことがある人は多いと思います。では、なぜ朝日を浴びることが睡眠トラブルの解消につながるのでしょうか。
今回は、睡眠の質を高めるために知っておきたい「睡眠のメカニズム」について、睡眠コンサルタントの友野なおさんに教えていただきました。

朝日を浴びると睡眠の3つのスイッチが入る

睡眠トラブルを解消するには、「朝日を浴びるといい」とよく聞きます。それはなぜでしょうか。

「朝日を浴びると、光が眼球の網膜視床下部(もうまくししょうかぶ)を通って、脳の視交叉上核(しこうさじょうかく)という部分に届きます。視交叉上核とは、いわば体内時計のコントロールセンター。朝日を浴びることで、体内の3つのスイッチが押されるんです」


スイッチ1:メラトニンの分泌の抑制

睡眠ホルモンとも呼ばれるメラトニンの分泌が止まり、脳が覚醒して眠気が覚めていきます。


スイッチ2:セロトニンの分泌の促進

メラトニンの代わりに分泌されるのがセロトニン。セロトニンは幸せホルモンとも呼ばれ、体温を上昇させたり、交感神経を優位にしたりするなど、日中の意欲的な活動を促してくれます。


スイッチ3:睡眠予約

人間の体は、朝の光を目に入れてから約14~16時間後に、メラトニンの分泌がスタートするようにできています。つまり、朝日を浴びることで「睡眠予約」のスイッチが入り、夜の快眠を促すことにもつながるのです。

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朝日を浴びる時間の目安は、およそ15秒間。このとき、目の中に光を入れることがポイントだそうです。

「もちろん、太陽を直接見るのは危ないので、空を見上げるイメージでOKです。曇りや雨の日であっても光の量は十分にあるので、天候に限らず、毎朝15秒間、窓際に立って空を見上げる習慣をつけましょう」

朝日を浴びることで体内時計がリセットされる

朝は忙しく、カーテンを開けるのを後回しにしたり、身支度や家事が落ち着いてから光を浴びたりする人も少なくないのではないでしょうか。しかし、質の高い睡眠をとるためには、「朝起きてすぐ朝日を浴びること」がとても大切です。

「地球の1日の周期が24時間なのに対し、私たちの1日の体内時計は約24時間11分といわれています。その11分の誤差をリセットしてくれるのが、朝日を浴びること。

もし、起床から1時間後に朝日を浴びたとすれば、その時点で誤差は1時間11分に広がっています。誤差をそのままにしておくと、ソーシャル・ジェットラグ(社会的時差ぼけ)といって体内で時差ぼけが発生し、睡眠トラブルにつながることはもちろん、健康にも支障をきたします」

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元々存在する11分の誤差のほか、休みの日に寝溜めをすることも、体内時計がずれる原因のひとつ。

「体内時計のずれを抑えるためには、前の日に何時に寝たとしても、毎日同じ時間に起きることが理想です。反対に、寝る時間が同じで起きる時間が毎日違うと、朝日を浴びるタイミングが変わるため、体内時計も乱れてしまいます。

休みの日にいつもより遅くまで寝たい場合も、平日の起床時間からプラス2時間以内には起きるようにしましょう。起きてすぐに朝日を浴びれば、体内時計の乱れを防ぐことができます」

起床時間が遅くなるほか、休みの日にやりがちなこととして、昼寝を繰り返したり、屋内の薄暗い場所で過ごしたりといったことが挙げられます。そのような行動も、体内時計を乱すきっかけになるそう。

休みの日も、なるべく外に出て動いたり、日光浴をしたりするように心掛けたいですね。

朝食でたんぱく質をしっかりとる

朝日を浴びる以外にも、質のいい睡眠をとるために、朝から行うといいことはあるのでしょうか。

「朝食は、たんぱく質をしっかりとることを意識しましょう。たんぱく質に含まれるトリプトファンはアミノ酸の一種で、日中の活動を支えるセロトニンの原料となります。

セロトニンは、夜になると睡眠ホルモンのメラトニンに変換されます。そのため、朝食時にたんぱく質をとったかどうかが、夜のメラトニン分泌に大きく関わってくるのです」

トリプトファンは、大豆や卵、乳製品のほか、バナナにも多く含まれています。時間がないときも、バナナやヨーグルト、茹で卵といったたんぱく質豊富な食品をとるように意識しましょう。

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朝の習慣を見直して睡眠の質を高めよう!

睡眠の質の良し悪しは、朝の過ごし方によって左右されるといっても過言ではありません。

朝起きてすぐに朝日を15秒浴びることや、たんぱく質を意識した食事を習慣化して、熟睡感を得るようにしましょう。


お話を伺ったのは...

友野なおプロフィール画像-min.JPG

友野なお(ともの・なお)さん

睡眠コンサルタント。自身が睡眠を改善したことにより、15kgのダイエットと重度のパニック障害の克服、体質改善に成功した経験から、睡眠を専門的に研究。日本公衆衛生学会、日本睡眠学会、日本睡眠環境学会の正会員。行動療法からの睡眠改善、快眠を促す寝室空間づくりを得意とし、全国での講演活動、企業の商品開発やコンサルテーション、執筆活動などを行う。
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※掲載している情報は、記事公開時点のものです。
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