歯科ドックってどんなことをするの?メリットや疑問点などを解説

永久歯は、一度失うと二度と生えてきません。更年期に差しかかったら、口内環境の確認や将来的に歯を失わないためにも「歯科ドック」を受けるのがおすすめです。
ここでは、歯科ドックの具体的な検査内容や、歯科ドックでわかることをご紹介します。

歯科ドックとは?

歯科クリニックに行くのはどんなときですか?歯が痛くなったときや、歯の汚れが気になったときに行くという人がほとんどでしょう。しかし、体の健康を守るために人間ドックを受けるのと同様に、歯も症状が出る前に歯科ドックを受けて、早期発見や早期治療をすることが大切です。

歯科ドックで、歯と歯肉、口内環境について詳しく検査することで、症状が出ていない小さなむし歯や、初期の歯周病などを発見できます。なお、こうした検査は通常の定期検診でも行えますが、歯科ドックでは検査がより広範囲にわたり、口内を詳しく調べられます。

歯科ドックのメリット

歯科ドックでは、歯や口内、顎周りの筋肉まで総合的に検査をします。そのため、通常の歯科検診では知ることができない口臭や、むし歯のリスクなどについても知ることができます。

また、口内に異常があった場合も早期に発見でき、治療にかかる負担を少なくすることが可能です。むし歯は、放置していても治ることはありません。できるだけ早く発見して対処していくことが大切です。

歯科ドックは何歳から受けられる?

歯科ドックの受診年齢は、特に何歳以上と決まっているわけではありません。しかし、口内も年齢とともに症状が出る可能性が高くなっていきます。年齢を重ねるにつれて、歯科ドックの必要性が高まっていくといえるでしょう。

とはいえ、同じ年齢でも口内の状況は人によってさまざまです。おおよその目安として、下記のようなことがあてはまる人は、歯科ドックの受診を検討してください。

<歯科ドック受診の目安>
・口臭の強さや唾液の少なさが気になり始めた人
・顎の関節に痛みがある人
・歯肉の色や出血が気になる人
・自分に最適な予防プランや自分の歯のリスクを知っておきたい人

歯科ドック_2-min.jpg

歯科ドックで行われる検査内容

歯科ドックでは、口内の状態についてさまざまな検査を行います。医院や本人の希望によって異なりますが、ここでは一般的な歯科ドックの流れを見ていきましょう。

1. 問診
自覚症状の有無や既往歴など、基本的な情報について問診が行われます。

2. 口内の検査
むし歯、歯周組織、舌、腫瘍などについてチェックします。口腔がんが潜んでいないかも検査できます。

3. 歯周組織診査
歯周病の進行度を調べる診査です。歯周ポケットの深さや歯肉からの出血の有無、歯肉の位置、歯の揺れがないかなどを調べます。

4. レントゲン診査
レントゲンを撮って、歯の根の状態やむし歯、歯を支える歯槽骨(しそうこつ)の状態を調べます。上下すべての歯についてレントゲン撮影を行います。

5. 口内写真診査
現在の歯の状態を調べる診査です。唇を器具で左右に押さえ、口内の写真を複数枚撮影します。撮影したデータは、受診者への歯の状態の説明や、治療の履歴としても活用されます。

6. 模型診査
噛み合わせや歯並びをチェックして、問題がないか確認します。薬剤を盛ったトレーを口に入れ歯型をとります。

7. 唾液検査
唾液を採取して細菌量などを測ることで、むし歯や歯周病のリスクを知ることができます。

そのほか、歯科クリニックによっては、口臭検査や模型を使った検査、血液検査、CT撮影などを行う場合もあります。

歯科ドック_3-min.jpg

歯科ドックのよくある疑問

続いては、歯科ドックについてよくある疑問と、その答えをまとめました。これまで歯科ドックを受けたことがない人は、受診の参考にしてください。


Q 歯科ドックにかかる時間は?

歯科ドックにかかる時間は、およそ2時間前後です。ただし、具体的な検査メニューは歯科クリニックによって異なり、オプションをつけるかどうかによっても異なります。
歯科ドックの後に予定を入れたい人は、受診予定の歯科クリニックで、終了目安の時間を確認しておくといいでしょう。


Q 歯科ドックを受診する頻度は?

歯科ドックは、人間ドックと同じように、年1回の受診が目安となります。ただし、かかりつけの歯科クリニックで歯科ドックを受けた場合は、結果に応じた治療プランを立てて、普段の治療の中で経過を見ていくことになりますので、毎年詳しい検査が必要になるとは限りません。
歯科ドックの結果を基に、かかりつけ医と相談して次回の予定を決めましょう。


Q 歯科ドックは何度も通院が必要?

歯科クリニックは、ほかの病院に比べて、通院が長引くことが多いものです。しかし、歯科ドックは治療ではなく検査ですから、繰り返し通院する必要は基本的にありません。
多くの歯科ドックは、検査を受ける日と、検査結果の説明を聞きに行く日の2日で終了します。ただし、検査結果によっては、通院治療が必要になることもあります。

年1回の歯科ドックで口内の環境をチェックしよう

更年期は、口内が乾燥しやすくなったり、口臭や歯周病が気になり始めたりする時期。口内の健康は体の健康にも関わっているため、「症状が出てから」ではなく、予防のために歯科クリニックへ行く習慣をつけましょう。
歯や口の健康を長く保つためにも、定期的に歯科ドックを受診し、口内環境をチェックすることをおすすめします。



この記事を監修したのは...
大西 孝宣(おおにし たかのり)歯科医師

210406_デンタル写真DSC_0253_edit01-min.jpg

東京ミッドタウンデンタルクリニック
大江戸線「六本木駅」直結の歯科「東京ミッドタウンデンタルクリニック」。 むし歯、歯周病などの一般歯科診療から、矯正、インプラント、麻酔、口腔外科など、国内外で専門技術を磨いた医師が、患者様お一人おひとりにあった施術を提供しています。 治療は半個室、個室で対応。患者様が快適に過ごせる空間を創り上げ、リラックスできる環境で治療を受けていただくよう取り組んでいます。



※掲載している情報は、記事公開時点のものです。
ヘルスケア
この記事をシェアする

この記事は、働く女性の医療メディア
ILACY(アイラシイ)の提供です。

“おすすめ記事recommended

CATEGORYカテゴリー