40代からの口臭対策。気になる口のにおいをセルフチェック

更年期の女性は、女性ホルモンが急激に減少する影響で、唾液量が減ってドライマウスになりやすいといわれています。ドライマウスになると口内に細菌が繁殖しやすくなり、歯周病やむし歯のリスクが高まるほか、口臭も発生しやすくなるため注意が必要です。
ここでは、自分の口臭の有無をチェックする方法や、口臭をケアする方法をご紹介します。

口臭には3つの種類がある

口臭には、「生理的な口臭」「食べ物による口臭」「病的な口臭」の3種類があります。


生理的な口臭

誰にでも起こり得る口臭で、起床して間もないときや緊張したときなどに、においが強くなるケースがあります。女性ホルモン分泌量の変化に伴う更年期女性の口臭も、生理的口臭のひとつです。
原因は、唾液の分泌量が減ることで口の中の細菌が増え、揮発性硫黄化合物(きはつせいいおうかごうぶつ)というガスが大量に発生すること。歯磨きなどのケアによって改善できます。


食べ物による口臭

ネギやニンニクといったにおいの強い食べ物や、タバコなどを原因として表れます。いずれも一時的なもので、時間とともににおいは薄れていきます。


病的な口臭

病的な口臭は、歯周病やむし歯のほか、口内の細菌が堆積して苔状になった舌苔(ぜったい)、口腔がんなど、口内に原因がある場合がほとんどです。それ以外に、慢性鼻炎や蓄膿症(ちくのうしょう)、消化器系の病気、糖尿病などが原因で口臭が現れることもあります。
病的口臭を改善するには、口内のケアだけでなく、原因となる疾患を治療しなくてはなりません。

自分の口臭をチェックしてみよう

病的口臭にせよ生理的口臭にせよ、自分の口臭にはなかなか気付きにくいもの。人から指摘されて初めて、自分の口臭に気付いた...という人もいるでしょう。
他人からの指摘はダメージが大きいため、指摘をきっかけに他者とコミュニケーションがとりにくくなったり、話すことに抵抗を感じたりするようになることも。できるだけ自分で気付いてケアするために、口臭のセルフチェックをしてみましょう。


チェック1 コップや袋に入れた息のにおいを嗅いでみる

コップやビニール袋などに息を吹き込み、密閉します。その後、閉じ込めた息を嗅いでみて、においがするかチェックしてみましょう。


チェック2 唾液のにおいを嗅いでみる

人差し指で舌や歯肉などをさわって唾液をつけ、そのにおいを嗅いでみてください。口内には「嫌気性菌」と呼ばれる乾燥した環境を好む菌が存在し、これが大量発生したり活動したりすると口臭の原因になります。嫌気性菌は揮発性硫黄化合物というにおいの物質を作り、それが唾液に溶けるため、唾液のにおいも強くなるのです。


チェック3 舌の色を鏡で確認

皮膚の垢(あか)と同じように、口内では細胞がはがれ落ち、舌に白く溜まって腐敗します。これを「舌苔(ぜったい)」と呼び、口臭の約6割が舌苔から発生するといわれています。舌の表面に舌苔が濃くついていないか、舌を「べー」と前に出し、鏡で色をチェックしてみましょう。

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チェック4 市販の口臭チェッカーを使う

口臭の強さを測定できる、市販の口臭チェッカーを使用するのもひとつの手。感覚ではなく、客観的な数値で判断することができます。

家や職場で...今日からできる口臭ケア

セルフチェックをして口臭があることに気付いたら、早めにケアをスタートしたいところ。ここからは、自分でできる口臭ケアの方法について詳しく見ていきましょう。


ブラッシングを見直す

口臭の多くは、むし歯をはじめとした口内のトラブルや、にんにく、ニラ、ネギなどにおいの強い食べ物を食べたり、食べ残しが付着したりすることが原因で発生します。
このような口臭を改善するために最も大切なのは、ブラッシングを見直すこと。奥歯や歯の裏側など、磨きにくいところに意識を向けて、丁寧に磨きましょう。デンタルフロスや歯間ブラシ、デンタルリンスなどを併せて使うとより効果的です。


舌苔を取る

舌苔は自然と付着するものですが、舌の表面にびっしり生えていたり普段より厚かったりすると、口臭の原因になってしまいます。強くこすると舌を傷つけてしまうため、専用のブラシを使って軽く磨くのがおすすめです。


乳酸菌が豊富に含まれている食品をとる

免疫力アップやアレルギーの改善などに力を発揮する乳酸菌は、口内でも善玉菌として力を発揮し、むし歯や歯周病などの菌の繁殖を防ぎます。そのため、味噌やヨーグルトなど乳酸菌が含まれた食品を積極的にとることが、口臭の改善にもつながります。
乳酸菌を効率的に増やすには、乳酸菌のエサとなるオリゴ糖や食物繊維などを多く含む食品をいっしょにとるといいでしょう。


唾液の分泌を促す

殺菌・抗菌作用があり、口内の潤いの元になる唾液を増やすことも、口臭の予防には有効です。特に、更年期の女性は唾液量が減りやすいため、下記の方法で唾液の分泌を促すことをおすすめします。

・よく噛んで食べる
噛むことで唾液腺が刺激され、唾液が分泌されやすくなります。食事のときは、普段より多めに噛むことを心掛けましょう。

・舌回し運動をする
口を閉じたまま、歯と歯肉のあいだに舌の先を入れ、ぐるぐると回転させます。右回りに20回、左回りに20回で1セット。1日3セットを目安に行いましょう。唾液腺の活性化を促します。
マスクの下でもできるので、仕事中や外出先などでも気付いたときに実践してみてください。

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・鼻呼吸を意識する
口呼吸は、口内の乾燥を促進させます。朝起きたとき、喉に痛みを感じるようなら、就寝中にぽかんと口を開けて口呼吸をしている可能性があります。

口臭をセルフチェックして適切なケアにつなげよう

人は自分のにおいには気付きにくいもの。まずは、この記事でご紹介したセルフチェックを試してみましょう。
更年期の口臭を含む生理的な口臭は誰にでもあるもので、きちんとケアすれば改善につながります。口臭は唾液の量やストレスによっても変化しますが、ほかの病気が隠れている場合もあるので、気になる人は歯科クリニックなどに相談してみましょう。


この記事を監修したのは...
大西 孝宣(おおにし たかのり)歯科医師

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東京ミッドタウンデンタルクリニック
大江戸線「六本木駅」直結の歯科「東京ミッドタウンデンタルクリニック」。 むし歯、歯周病などの一般歯科診療から、矯正、インプラント、麻酔、口腔外科など、国内外で専門技術を磨いた医師が、患者様お一人おひとりにあった施術を提供しています。 治療は半個室、個室で対応。患者様が快適に過ごせる空間を創り上げ、リラックスできる環境で治療を受けていただくよう取り組んでいます。


※掲載している情報は、記事公開時点のものです。
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