夏バテによる食欲不振の原因とは?食事で工夫する方法も紹介

「夏になると、なんだか食欲が落ちる......」
「更年期になってから、食欲がわかない」
このようなお悩みを抱えられている方も多いのではないでしょうか。
「夏になると、なんだか食欲が落ちる......」
「更年期になってから、食欲がわかない」
このようなお悩みを抱えられている方も多いのではないでしょうか。
本記事では、夏バテや更年期症状で食欲が落ちてしまう原因とともに、食欲不振の際におすすめの食品をご紹介します。
これからの季節を乗り越えるための助けとして、ぜひご活用ください。
夏バテで食欲不振になる原因
夏バテによって食欲が落ちてしまう原因は、主に2つあります。
自律神経の乱れ
夏バテは、自律神経の乱れによるものが大きいと考えられています。
自律神経には、"体温を適切に保つ"といった役割があります。気温の高い屋外と、冷房の効いている屋内を行き来することで、体温を一定に保つことが身体にとってストレスになります。これによって自律神経が乱れることがあるのです。
自律神経の乱れが原因で引き起こされる不調の種類は人によって異なりますが、なかには食欲が落ちてしまう方もいらっしゃいます。
冷たい飲食物の摂取
夏になると、冷たいものを食べたり飲んだりしたくなるものです。しかし、この冷たい飲食物の摂取もまた、食欲の低下につながる一因となります。
冷たいものを摂りすぎると、胃腸が冷えて、消化や吸収を助ける"消化酵素"の力が弱くなることがあります。すると、食べたものが適切に消化されず、食欲がわかなくなってしまいます。胃腸の調子が悪いと便秘や下痢といった不調にもつながるので、その不調によってさらに食欲が落ちることもあるでしょう。
実は夏バテだけではない!更年期世代による食欲不振
食欲不振の原因は、夏バテだけではないかもしれません。更年期世代特有のお悩みが、食欲に影響している可能性もあります。
悩み事の増加
更年期世代の女性は、さまざまな悩み事に囲まれている方が多くいらっしゃいます。それによるストレスや身体の疲れによって、食欲が落ちてしまうこともあります。
なぜ悩み事が増えるのかというと、更年期世代の女性は職場でもご家庭でも、気を張り詰める場面に置かれることが多いためです。年齢の面から社会的地位がある方が多く、また育児や家事、親の介護のある方もいらっしゃいます。常にいろいろなことを考えなければならない状況に、思うようにいかないこともあるでしょう。
ご本人としては日々一生懸命向き合っていることが、周りからは「やって当たり前」と思われてしまい、つらい気持ちを理解してもらえないケースもみられます。結果、ストレスがたまって食欲不振につながることがあるのです。
食欲不振をはじめとする不調は更年期症状である場合もありますが、このように更年期症状とは別に、年代や立場特有のストレスによって引き起こされている場合もあります。「もしかしてストレスがたまっているかも」と思ったら、周りの方に悩みを聞いてもらいましょう。もちろん、クリニックでお話しいただくという選択肢もあります。婦人科の診察でも、「先生にお話を聞いてもらっただけで、スッキリした!」とおっしゃる方が多くいらっしゃいます。
胃や腸のはたらきの低下
更年期症状による自律神経の乱れから、胃腸のはたらきが弱まって食欲が落ちるケースもあります。ただし、更年期症状で必ず胃腸が弱くなるわけではありません。逆に、食欲が増して悩まれている方もいらっしゃいます。
クリニックによっては、胃腸の調子を整える漢方などを処方してもらえることもあるので、気になる場合は相談しましょう。
食欲不振におすすめの食品

食欲がわかなくとも、栄養は適度に補給したいものです。ここでは、夏バテによって食欲が落ちているときにおすすめの食品を紹介いたします。
クエン酸食品
クエン酸が多く含まれる食品は、食欲を増加させ、さらに疲労回復をサポートしてくれるので、夏バテで食欲がわかないときにはぜひ食べてみてください。
具体的には、レモンや梅干し、お酢を多く使った料理など、酸っぱいものが挙げられます。この酸味によって唾液や胃液が分泌されるので、食欲の増進が期待できます。
スパイス食品
スパイスにも食欲を増加させる効果があります。カレーのにおいを嗅いで、お腹が空いたことのある方もいるのではないでしょうか?
スパイスといえばカレー粉ですが、ほかにもショウガやわさび、しそ、みょうがといった薬味を料理に加えたり、山椒やトウガラシ、こしょうなどを適度に使ってもいいかもしれません。ただし、摂りすぎは逆効果になることもありますのでご注意ください。
食欲不振で避けるべき食品
食欲不振のときには、食べないほうがよいものもあります。不調を悪化させてしまう場合もあるのでお気を付けください。
油分の多い食品
揚げ物など、油分の多い食品は避けましょう。夏バテで不調を起こしているときは、内臓のはたらきが弱まっている可能性があります。その状態で油分の多いものを食べると、胃腸にさらに負担をかけてしまいます。
脂質の多い食品
油分と同様に、脂質の多い食品も弱っている胃腸には負担となります。夏バテから回復するために、「肉やうなぎを食べてスタミナをつけよう!」という発想になる方も多いかもしれません。しかし、これらには多くの脂質が含まれているので、食欲が落ちている状態で急に食べるのはおすすめしません。
もし肉類を食べたいのであれば、脂質の少ない赤身から食べて、様子を見ながら身体の回復を待つとよいでしょう。
夏バテを予防するために大切なこと

夏バテを起こさないためには、毎日の過ごし方に気を配ることが大切です。最後に、夏バテを予防するための3つのポイントを紹介します。
体の冷やしすぎに注意する
外が暑いからといって、体を冷やしすぎないように気を付けましょう。とはいえ、夏は熱中症も予防しなければなりませんから、適度にクールダウンする必要もあります。
大切なのは"冷やしすぎないこと"です。室内外の温度差が大きければ大きいほど、体温を一定に保とうとするはたらきから体に感じるストレスも大きくなり、自律神経が乱れやすくなります。外出先などでご自身での冷房の調節が難しい場合は、上着やひざ掛けを使って調節しましょう。
また、体の外側だけでなく内側の温度調節も欠かせません。冷たいものを摂りすぎると胃腸が冷えてはたらきが鈍くなってしまいます。"常温の水を飲む""冷たいものは適度にゆっくりと食べる"といったことを意識したいところです。
質の良い睡眠をとる
質の良い睡眠をとって、疲れを翌日に持ち越さない体をつくりましょう。
睡眠の質を高めるには、規則正しい生活を送って体内時計を整えることです。就寝・起床の時間を一定にすることで、体内時計のリズムが整います。
また、夏はシャワーで済ませる方が多いかもしれませんが、就寝の2~3時間ほど前に入浴して体温を上げておくのも効果的です。体温が下がる過程で横になると、眠りに入りやすくなります。
こまめに水分を補給する
水分不足によっても自律神経が乱れることがあるため、水分補給も欠かせません。特に夏は熱中症のリスクもあるので、徹底した水分補給を意識したいところです。
水分補給のポイントは、のどの渇きを感じる前に"早め"に、そして一度に大量に飲まず "こまめ"に飲むことです。大量に水を飲むと胃液を薄めてしまい、消化・吸収を妨げる場合があるので、少しずつ飲みましょう。
夏バテ防止のために適切に栄養を摂って、暑い夏を乗り越えよう
今回は、夏バテで食欲が落ちてしまう原因とともに、食欲不振のときにおすすめの食品を紹介いたしました。
夏バテの大きな原因は、温度差による自律神経の乱れです。夏バテを防ぐためにも、体の急激な冷えに気を付けつつ、健康的な生活を送りましょう。
食欲が落ちてしまったときは、クエン酸食品やスパイスの含まれた食べ物を少しずつ食べて、栄養を摂りつつ体を回復させてくださいね。
この記事を監修した人

間瀬 有里(ませ ゆり)医師
医学博士
専門分野:婦人科
東京ミッドタウンクリニック、浜松町ハマサイトクリニックに勤務。日本医科大学医学部医学科卒業。日本産科婦人科学会専門医。日本産科婦人科学会指導医。日本女性医学学会認定女性ヘルスケア専門医。東京ミッドタウンクリニックと同フロアでは、管理栄養士が常駐し、より健康でより美しい生活をサポートするためのヘルスケアショップ TMMC Plus(ティーエムエムシープラス)が展開。
東京ミッドタウンクリニック:https://www.tokyomidtown-mc.jp/
浜松町ハマサイトクリニック:https://www.hamasite-clinic.jp/
TMMC Plus(ティーエムエムシープラス):http://www.tmmcplus.com/
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