夏バテ対策や紫外線予防に◎トマトを夏に食べたい理由

一年中収穫されるトマトですが、春から初夏にかけてが旬の季節。アンチエイジングや美肌、夏バテ対策など、夏に向けて重要度の高い成分が多く含まれています。

今回は、株式会社アドバンスト・メディカル・ケアの管理栄養士・山田に、トマトの栄養素や、その栄養を効率良く摂取できる食べ方を、フードコーディネーターの清水加奈子さんには、トマトの栄養をしっかりとれる料理を紹介してもらいました。

抗酸化作用のあるリコピン量が多い

トマトに含まれるたくさんの栄養分の中でも、代表的なものがリコピン。野菜におけるトマトのリコピン含有量は、トップクラスだといわれています。

「リコピンは、赤やオレンジなどの色素成分であるカロテノイドの一種。つまり、赤ければ赤いほどリコピンが多く含まれているといえます。リコピンの働きで一番大きいのが抗酸化作用です。

人間の体は、酸素を必要として生きていますが、年齢を重ねるにつれて酸化してさびていきます。それは、体内でできた活性酸素が原因。活性酸素が蓄積されることで血管が傷付くなど、さまざまな病気の原因になってしまいます。リコピンは、この活性酸素に対して非常に強い抗酸化作用を持っているんです」

トマトに含まれるビタミンEにも抗酸化作用はありますが、リコピンはビタミンEの約100倍近い抗酸化力があるというのも驚きです。

紫外線防止や夏バテ予防にも効果が期待できる

抗酸化作用は、女性にさまざまなメリットがあるといわれています。

「一番はアンチエイジング。シミやしわを防ぎ、酸化から肌を守ってくれます。特に、これから夏に向けて強まる紫外線対策にも効果的なんですよ。紫外線を浴びると皮膚の中にできるメラニンによってシミになる前に、それを抑制してくれる働きがあります」

また、コレステロール値を下げてくれる働きも期待できるといいます。更年期に近付くにつれ、ホルモンバランスが乱れてコレステロールが溜まりやくすなる女性にとって、強い味方になりますね。

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「コレステロールには、善玉と悪玉の2種類あります。この2つはシーソーのような関係にあり、どちらかが増えるとどちらかが減るといわれています。リコピンの抗酸化作用によって善玉コレステロールを増やすことができ、血液がサラサラになって血圧を下げるように促してくれるのです」

リコピンのほかにも、肌をすこやかに保つといわれるビタミンCや、塩分の排出を助けるカリウム、腸内環境を整える食物繊維など、トマトにはさまざまな栄養成分が含まれます。特に、これからの季節の夏バテ対策に有効な、クエン酸が含まれているのもポイント。

「疲労が溜まると体内に乳酸ができますが、この乳酸を分解する際にクエン酸が重要な働きをします。トマトをお酢などといっしょにとることで、疲労回復がさらに促進されるでしょう。夏バテは生活習慣がカギとなるので、夏前からの対策が必須。食欲が落ちて十分な栄養素がとりづらくなる前に、早めの対策を心掛けましょう」

より効率的にトマトの栄養をとるには?

スーパーではさまざまなトマトを見かけますが、どのようなトマトを選ぶのがいいのでしょうか。

「一般的な大きさのトマト100gには、平均して3mgのリコピン量が含まれています。一方、ミニトマトは100g分に対してリコピン量は8.1mg。ミニトマトは1個10gなので、同じ100gを摂取するのであれば、ミニトマトを食べたほうが、より多くリコピンを摂取することができます

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リコピンは元々、トマトが紫外線から自分の身を守るためにできる物質といわれています。一般的なトマトと比べて、10個分のミニトマトのほうが上皮の表面積が大きいので、より多くのリコピンを作ることができるのかもしれません」

リコピンの摂取目安は、1日15~20mgほど。そのままで食べるだけでなく、加工食品を取り入れるのも効率的だといいます。

トマト缶やトマトジュースといった加工用のトマトは、一般的に完熟したトマトを使用しているので、たくさんのリコピンが含まれています。また、ドライトマトも栄養が凝縮されている分、少ない量でたくさんの栄養が取り入れられるんですよ。ただし、加工食品は塩分やカロリーが高い物もあるので、よく確認して、食べる量には注意しましょう

また、リコピンは油と相性が良く、加熱することで体内での吸収力が上がります。生で食べるより量も多くとれるので、おすすめですよ。ただし、コレステロール値の高い人は、油のとりすぎに注意。オリーブオイルやエゴマ油など、良質の油を選んでとるようにしましょう」

トマトをさらに食べやすく!「ミニトマトぎっしりキッシュ」

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ここからはフードコーディネーターの清水加奈子さんに、トマトの中でもよりリコピンの含有率の高いミニトマトを使ったオリジナルレシピを教えていただきます。今回は、ミニトマトがたっぷり詰まったキッシュをご紹介!

<材料>(18cmパイ皿1台、4人分)

ミニトマト...12個
ウインナー...3本

A:
卵(Mサイズ)...2個
牛乳...50ml
生クリーム...100ml
粉チーズ...大さじ3
塩、こしょう...少々

冷凍パイシート(市販・正方形)...1枚
パセリ(みじん切り)...少々

<作り方>

1. パイシートは室温で半解凍し、麺棒で少し広げ延ばしてパイ皿に敷き詰め、フォークで全体に穴を空ける。あれば重石をして、200℃に温めたオーブンで15分程度焼いておく。
2. ミニトマトは半分に、ウインナーは斜めに切る。Aをボウルに入れ、よく混ぜる。

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3. 1にミニトマト、ウインナーを敷き詰めて2を流し入れ、180℃のオーブンで30~35分、焦げ目がつくまで焼く。
4. 焼き上がったら、パセリを散らす。

「トマトのリコピンは油で吸収が高まります。加熱することでたくさん食べやすくなる上、甘みも増すので、今回はキッシュにしました!」と清水さん。

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ミニトマトの酸味がキッシュにすることでまろやかになり、ますます食べやすくなっています。粉チーズは味を引き締めるのに良い仕事をするので、忘れずに入れてくださいね!


<レシピ監修>

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フードコーディネーター 清水加奈子(しみず かなこ)

管理栄養士でもあり、調理師、中医薬膳師の資格も持つフードコーディネーター。アイディアレシピやダイエットレシピの提案からフードスタイリングまで幅広くこなし、食関連の企業サイトや雑誌などで活躍中。

http://www.kanako-shimizu.com/




<記事監修>

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管理栄養士 山田

(株)アドバンスト・メディカル・ケア所属。家族が高血圧気味だったため、食事改善をおこなったところ、数値が良くなったことをきっかけに管理栄養士を目指す。短大卒業後、医療施設で病院食の栄養管理や、保育園で子供たちへ提供する給食作りに携わる。2017年より東京ミッドタウンクリニックに併設するサプリメントショップ「ヘルスケアショップTMMC Plus」に勤務。健康・美容・ダイエットなど、幅広い相談を管理栄養士の立場からサポートしている。



<ヘルスケアショップTMMC Plus>

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