知られざるラム肉のパワー。脂肪燃焼&代謝アップで「食べてきれい」に!

近年、ジンギスカンやラムチョップのお店が話題になるほか、ラム肉をスーパーで見かけることも増えました。低脂肪かつ高たんぱくなラム肉は、ダイエットに最適な食材といわれています。それだけでなく、鉄分や亜鉛、葉酸、ビタミンなどの栄養素が豊富に含まれているため、健康と美容を維持したい女性にとってうれしい食材でもあるのです。

ここでは、株式会社アドバンスト・メディカル・ケアの管理栄養士・星野が、ダイエットから健康、美容まで効果が期待できるラム肉の魅力を解説します。また、フードコーディネーターの清水加奈子さんに、ラム肉を自宅で手軽においしく食べられるレシピを教えていただきました。

脂肪の燃焼をサポートするL-カルニチンを豊富に含むラム肉

ラム肉にあまりなじみがなくても、「ヘルシー」「ダイエット向きの食材」といったイメージを持っている人は多いのではないでしょうか。ラム肉(もも、脂身つき)100gあたりのカロリーは約198kcalで、同じくダイエット向きの食材といわれている若鶏肉(もも、皮つき、100gあたり約204kcal)と比べても低め。さらに、ラム肉に含まれるL-カルニチンという栄養素もポイントです。

「L-カルニチンは、アミノ酸の一種です。脂肪酸を運搬し、効率良くエネルギーに変換してくれる働きがあるため、食事に含まれる動物性脂肪が内臓脂肪や皮下脂肪として蓄積されにくくなるほか、基礎代謝もアップすると考えられています。

L-カルニチンは肉類に多く含まれている栄養素です。ラムやマトンなどの羊肉はL-カルニチンが豊富であり、主な食用肉を比較すると、羊肉には牛肉の約2.2倍、鶏肉の約16倍ものL-カルニチンが含まれていることがわかります。女性ホルモンの減少によって代謝が低下し、脂肪がつきやすくなってくる更年期世代の女性にぴったりの食材といえますね」

■主な食用肉100gあたりに含まれるL-カルニチン量

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出展:Demarquoy J.et al.(2004) Food Chem;86 (1):137-142
※AAプロジェクト「医療従事者用資料」より

L-カルニチンをとることで、疲労回復や脳の活性化を促す作用も期待できるため、ラム肉は「疲れやすい」「集中力が続かない」といった悩みを抱えている人にもおすすめ。また、不飽和脂肪酸が多く含まれているのも、ラム肉の特徴です。

「お肉には、コレステロール値の上昇につながる飽和脂肪酸が多く含まれているイメージがあると思いますが、ラム肉には不飽和脂肪酸が多く含まれているんです。不飽和脂肪酸には、血液をサラサラにして動脈硬化や血栓ができるのを防いだり、血圧を下げたり、悪玉コレステロールを減らしたりする働きがあります。体にいいとはいえ、とりすぎは良くありませんが、健康維持のためにも不飽和脂肪酸を適度に摂取したいところです」

ラム肉を食べることで、免疫力や代謝のアップも期待できる!

ラム肉には、L-カルニチンや不飽和脂肪酸だけでなく、女性に不足しがちな栄養素も豊富に含まれています。中でも、亜鉛が多く含まれている点は見逃せません。

「亜鉛には、免疫力を高めたり、爪や皮膚を健康に保ったりする働きがありますが、食事から摂取しにくいのが難点。ラム肉は、その亜鉛の含有量が、牡蠣や牛肉にも勝るといわれているんですよ

さらに、鉄分や葉酸、ビタミンB12などが含まれている点も魅力。これらは、血液を作り出すのに必要不可欠となる栄養素なので、月経のある女性は特に積極的にとりたいですね」

健康維持やダイエットに効果的といわれるラム肉ですが、その他にも美容の面で効果が期待できるのだとか。

「ラム肉には、ビタミンEやビタミンB1、ビタミンB2も多く含まれています。ビタミンEには血行を良くする働きがあり、ビタミンB1とビタミンB2には代謝を促す働きがあるため、きれいな肌を維持するためにも欠かせません」

ラム肉はどう食べるのが正解?おすすめの調理法と食べ方

スーパーで見かけることが増えたものの、牛肉や鶏肉、豚肉と比べると、まだまだなじみの薄いラム肉。購入する際には、どのようなことに気を付ければいいのでしょうか。

「選ぶポイントとして、加工してから時間が短く、肉の色が少しピンクがかっていて、くすみのない赤さの物や脂身が少ない物がおすすめです。ラム肉は非常に繊細なお肉で、特に脂肪部分が劣化しやすいので、購入後はできるだけ早く食べるか、冷凍保存しておけば1ヵ月程度保存が可能です。」

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「ラム肉を調理するときに、高温で焼くと肉質が固くなり、食べにくくなってしまいます。また、脂が気になるからといって茹でてしまうと、ラム肉に含まれる豊富な栄養素が逃げてしまうためNG。低温でじっくり焼くことで、栄養素と食べやすさを両立することができますよ」

ラム肉に含まれるL-カルニチンは、ビタミンCといっしょにとることによって、生成が促されるといわれています。そのため、緑黄色野菜と合わせて食べると、より高い効果が期待できるそうです。

調理が手軽なのに栄養満点!「ジンギスカン風炒め」

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ここからは、フードコーディネーターの清水加奈子さんに、ラム肉を手軽においしく食べられるオリジナルレシピを教えていただきます。かぼちゃやピーマンなど緑黄色野菜もたくさんとれるため、野菜が不足しがちな人にもぴったりの一品です。

<材料(2~3人分)>

ラム肉(薄切り)...200g
かぼちゃ...8分の1個
もやし...2分の1パック
玉ねぎ...4分の1個
人参...4分の1本
ピーマン...2個

油...大さじ2分の1
焼肉のタレ...大さじ4
塩、こしょう...適量

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<作り方>

1. ラム肉は一口大に切り、焼肉のタレ大さじ2に10分間漬ける。

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2. 人参と玉ねぎは5mm幅に、ピーマンは縦6等分に切る。かぼちゃはスライスし、ラップに包み電子レンジ(600W)で2~3分加熱する。

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3. 油を熱したフライパンにラム肉をタレごと入れ、色が変わったら「1」の野菜ともやしを入れて炒める。

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4. 残りの焼肉のタレ、塩、こしょうで味を整える。

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ラム肉を焼肉のタレに漬け込むことで、独特のくさみを抑えることができます。ラム肉の香りが気にならなければ、タレに漬け込む代わりに、ローズマリーやタイムなどのハーブ、クミンなどのスパイスを使って、香りの相乗効果を楽しむのもいいですね。

味付けは焼肉のタレのみ、フライパンひとつでできると、調理の手軽さが何よりの魅力。体を温めるラム肉とかぼちゃのおかげで、食べ終わる頃には体がポカポカになるでしょう。

「ラム肉は扱いが難しそう...」と感じていた人は、これを機会に、ご自宅でラム肉を味わってみてはいかがでしょうか。


<レシピ監修>

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フードコーディネーター 清水加奈子(しみず かなこ)

管理栄養士でもあり、調理師、中医薬膳師の資格も持つフードコーディネーター。アイディアレシピやダイエットレシピの提案からフードスタイリングまで幅広くこなし、食関連の企業サイトや雑誌などで活躍中。

http://www.kanako-shimizu.com/




<記事監修>

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管理栄養士 星野

(株)アドバンスト・メディカル・ケア所属。大学の栄養学科卒業後、保育園で新メニューの開発や、食育などに携わる。自然派化粧品会社勤務を経て、2017年よりアドバンスト・メディカル・ケアに入社。2018年より東京ミッドタウンクリニックに併設するサプリメントショップ「ヘルスケアショップTMMC Plus」に勤務。健康診断や人間ドックの結果をもとに生活習慣に関するカウンセリングや、食生活のアドバイス、さらに美容、ダイエットのご相談など管理栄養士の立場からサポートをしています。



<ヘルスケアショップTMMC Plus>

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