簡単に解消!血糖値を下げて食事を楽しむ方法5選

健康診断の結果を見たときに「血糖値が高め」という指摘にドキッとしたことはありませんか?「食事制限はつらい」「何をすればいいかわからない」と不安を感じる方も多いでしょう。
血糖値が高い状態を放置すると、将来的に糖尿病や心血管疾患などの病気のリスクが高まってしまいます。特に食後に血糖値が急激に乱高下する血糖値スパイクは、疲れやすさや眠気といった不調を引き起こす原因にもなります。
この記事では、つらい制限ではなく、日々の生活を楽しみながら無理なく血糖値を下げるための具体的なヒントをご紹介します。食事の質の高め方や効果的な運動のコツ、そして質の良い睡眠とストレスケアまで、あなたに合った対策を見つけて、健康な未来への一歩を踏み出しましょう。

放置すると怖い「高血糖」と「血糖値スパイク」のリスク

健康診断で血糖値が高めと指摘されても、自覚症状がないと放置しがちですが、高血糖の状態が続くことは非常に危険です。血管の内側にダメージが蓄積し、次のような重大な病気のリスクを高めます。

  • 糖尿病の合併症(腎症、網膜症、神経障害)
  • 心筋梗塞
  • 脳梗塞

特に注意したいのが血糖値スパイクです。血糖値スパイクとは、食後に血糖値が急激に乱高下する状態で、食後の強い眠気やだるさといった不調を引き起こすことです。自覚症状のあるなしにかかわらず、血糖値スパイクも高血糖も血管を傷つけ、動脈硬化を進行させると考えられています。

今日からできる!血糖値を下げる5つの方法

血糖値を下げる方法を5つ紹介します。いずれも今日から実践できるので、ぜひ取り組みやすいものから実践してください。

1.食事の質と食べ方を工夫する

血糖値コントロールの基本は、毎日の食事にあります。制限と考えるのではなく、何をどう食べるかの質と順番を工夫することで、血糖値の上昇を緩やかにすることができます。

食べる順番を意識する「ベジファースト」

血糖値スパイクを防ぐために、食事の順番を意識するベジファーストが有効です。次のような順番で食べてみましょう。

食事の最初に、食物繊維が豊富な野菜やきのこ類、海藻類をたっぷりと食べます。食物繊維が胃の中で先に広がることで、後に続く炭水化物の消化吸収を緩やかにし、血糖値の急上昇を抑えてくれます。たったこれだけの工夫で、食後の血糖値の上がり方が大きく変わります。

血糖値を上げにくい食品を選ぶ

同じカロリーでも、食品によって血糖値の上がりやすさ(GI値)は異なります。血糖値をコントロールするためには、GI値が低い食品を意識的に選ぶことが大切です。
白米や食パン、うどんといった精製された炭水化物はGI値が高めです。これらを玄米や全粒粉パン、そばなどに置き換えるだけで、血糖値の上昇を緩やかにできます。
ただし、低GI食品は血糖上昇を抑制しますが、摂取カロリー総量や脂質過多に注意しましょう。

ゆっくりとよく噛んで味わう

「食べるスピード」も、血糖値のコントロールにおいては非常に重要です。早食いをすると、食べ物が胃から腸へ一気に運ばれるため、糖質の吸収が急激に進み、血糖値スパイクを引き起こしやすくなります。
一口あたり30回を目安に、ゆっくりとよく噛んで味わうことを意識しましょう。よく噛むことで、脳の満腹中枢が刺激されやすくなり、食べ過ぎを防ぐことにもつながります。食事時間を20分以上かけることを目標に、意識してスピードを緩めてみてください。

食事量とタイミングの見直し

食事の量やタイミングを見直すことも、血糖値コントロールにおいて効果的です。特に、空腹時間が長く続くと、次の食事で血糖値が急上昇しやすくなります。次のようなポイントを重視しましょう。

  • 朝食を抜かない:朝食を抜くと昼食後の血糖値が急上昇しやすくなります。
  • 腹八分目を意識する:食べ過ぎは血糖値の上昇だけでなく、肥満の原因にもなります。
  • 夕食は寝る直前を避ける:就寝前の食事は血糖値が高い状態が続き、体に負担をかけます。
  • 間食は賢く選ぶ:甘いお菓子や清涼飲料水は避け、ナッツやヨーグルト、果物など血糖値が上がりにくいものを選びましょう。

2.食後の軽い運動を習慣にする

血糖値をコントロールするために効果的なのは、食事の工夫と並行して食後の運動を習慣にすることです。つらい筋トレでなくても、日々の生活に軽い運動を取り入れるだけで十分効果的です。

食後すぐの運動が効果的

血糖値は食後30分から1時間後に上がりやすくなります。この血糖値のピークを迎える前に体を動かすことがとても効果的です。食後すぐにソファに座り込んだり横になったりせず、10分から20分程度の軽い運動を取り入れましょう。

  • 散歩に出かけたり
  • 家事をする
  • ストレッチをする

血糖値対策で大切なのは完璧な運動ではなく、簡単な運動を続けることです。テレビを見ながらのストレッチや音楽を聴きながらのウォーキングなど、楽しみながらできる方法を見つけましょう。

有酸素運動と筋力トレーニングの組み合わせ

血糖値コントロールという観点では、有酸素運動と筋力トレーニングを組み合わせることが理想的です。ウォーキングや軽いジョギングなどの有酸素運動は、血糖値をエネルギーとして消費するため食後の血糖値上昇を抑えるのに直接的な効果があります。
また、筋力トレーニングで筋肉量を増やすと、ブドウ糖をエネルギーとして貯蔵・利用する能力が高まります。これにより、基礎的な血糖値コントロール能力の向上につながります。無理のない範囲で、スクワットや腹筋などを取り入れましょう。

運動を長続きさせるコツ

運動を長続きさせるコツは、簡単な運動から日常生活へ徐々取り入れることです。例えば、手を後ろで組んでゆっくり腕を引きながら背筋を伸ばすだけでも、肩まわりが温まって血の巡りがよくなります。無理のないストレッチなら、テレビを観ながらや料理の合間など"ながら時間"にも気軽に取り入れられるのが嬉しいポイント。
おすすめは「のがちゃんねる」のストレッチ動画です。動画を見ながら一緒に動くことで、正しいフォームが自然と身につき、続けるモチベーションもアップしますよ。2分でできる有酸素運動をぜひ試してみてください。

ストレッチのおすすめ動画はこちらです。

3.質の良い睡眠とストレスケア

血糖値をコントロールするためには、食事や運動といった目に見える習慣だけでなく、質の良い睡眠とストレス管理も重要です。詳しく見ていきましょう。

睡眠不足が血糖値を乱す原因に

睡眠時間が短い、夜中に何度も目が覚めるなどの質の悪い睡眠は、血糖値を乱す大きな原因になります。睡眠不足になると食欲を増進させるホルモンが増加し、食欲を抑えるホルモンが減少するため、結果として食欲が増して食べ過ぎにつながりやすくなるためです。
さらに、睡眠不足は血糖値を下げるホルモンのインスリンの効きを悪くするので、しっかり食べていなくても体内の血糖値が上がりやすい状態になってしまいます。血糖値のためにも、毎日7〜8時間を目安に質の良い睡眠を確保しましょう。

ストレスと血糖値の関係

精神的なストレスもまた、血糖値に直接的な悪影響を及ぼします。ストレスを感じたとき、体はそのストレスに対抗しようとして、血糖値を上げる作用を持つアドレナリンやコルチゾールといったホルモンを分泌します。
これは、体が緊急事態に備えてエネルギーの源であるブドウ糖を、血液中に放出しようとする反応です。また、慢性的なストレスは自律神経を乱し、血流の悪化やホルモンバランスの崩壊を通じて、血糖値コントロールを困難にします。
ストレスは完全に排除できませんが、趣味の時間を持つ、深呼吸や瞑想を取り入れるなど、自分なりのストレス解消法を見つけて心身をリラックスさせる時間を作りましょう。

4.禁煙・節酒で体への負担を減らす

血糖値をコントロールし、健康な体を目指すためには、喫煙と飲酒といった生活習慣を見直すことも非常に重要です。これらは体にとって大きな負担となり、血糖値の管理を難しくする要因となります。

喫煙は血糖値コントロールを阻害

喫煙は、糖尿病や高血糖のリスクを大幅に高め、血糖値コントロールを難しくしてしまいます。タバコに含まれるニコチンなどの有害物質は、血糖値を下げる唯一のホルモンのインスリンの効きを悪くする作用があるためです。
また、喫煙は動脈硬化を加速させる大きな原因の一つです。血糖値が高めの人が喫煙を続けると、心筋梗塞や脳梗塞といった命に関わる病気のリスクがさらに高まるため、禁煙は血糖値対策において非常に重要な一歩です。

アルコールは適量を守る

お酒を飲みすぎると、血糖値のコントロールに悪影響を及ぼします。アルコール自体は血糖値をすぐに上げないこともありますが、アルコールが代謝される過程で肝臓の機能に負担をかけるため、血糖値の調整機能が乱れやすくなるためです。
また、飲酒中は食欲が増進し、揚げ物や飲酒後のラーメンといった高カロリーなものを食べ過ぎてしまう傾向もあります。血糖値を安定させるためには、飲酒は適量を守り、おつまみも血糖値を上げにくいものを意識して選ぶようにしましょう。

5.定期的な健診と専門家への相談

食事や運動、睡眠といった日々の努力を続けていても、「本当に効果が出ているのだろうか?」と不安になることもありますよね。血糖値のコントロールは、自己流に頼るだけでなく、定期的な健診と専門家のサポートを組み合わせることでより確実になります。

自分の血糖値の状態を把握する

健康的な生活習慣を続けていくためにも、自分の努力が結果として現れているのかを、客観的な数値で把握することが大切です。健康診断で指摘を受けた方はもちろん、指摘がなかった方も、年に一度は必ず健診を受けましょう。血糖値だけでなく、過去1〜2ヵ月の平均的な血糖値を示すHbA1c(ヘモグロビン・エーワンシー)の数値を確認することが重要です。
自分の数値が今どのような状態にあるのか、基準値と比較してどのくらい改善しているのかを把握することで、日々の生活習慣を見直すモチベーションにつながります。

専門家のアドバイスを有効活用

血糖値コントロールは生活全体を見直すことにつながるため、一人で抱え込まず、専門家の力を借りることが成功への近道です。

  • 医師:はあなたの血糖値の状態を正しく診断し、必要な治療法や生活習慣における医学的なアドバイスを提供してくれます。
  • 栄養管理士:ご自身の食習慣やライフスタイルに合わせた、無理のない食事の質と食べ方の具体的なヒントを提供してもらうことで、日々の食事がもっと楽しく、効果的になります。

不安なことや疑問に感じていることを積極的に相談し、効率よく健康的な生活を目指しましょう。

血糖値コントロールは「楽しい習慣」で続けよう

健康診断で指摘された「血糖値が高め」という結果や、日々の血糖値スパイクによる不調を諦める必要はありません。大切なことは、つらい制限ではなく、楽しい習慣として日々の生活に取り入れることです。
食事の順番や食後の軽い運動を工夫する、質の良い睡眠とストレスケアを意識するなど、小さな見直しが大きな結果につながります。もし、一人での管理に不安を感じたら、医師や管理栄養士といった専門家のアドバイスを有効活用しましょう。
今日からできる一歩を踏み出し、血糖値をコントロールすることで、将来の大きな病気のリスクを防ぎ、心身ともに軽やかな毎日を続けていきましょう。

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