骨の病気|原因と予防・対処法を解説

「最近、膝や腰が重い...」「動くたびに関節が痛むのは、もしかして骨の病気?それとも、もう年齢のせいだから仕方ない?」と、体の痛みや変化を我慢していませんか?
特に20代〜50代の女性にとって、骨の健康は日々の活動性や将来の生活の質(QOL)に大きく関わる重要なテーマです。
女性は閉経に伴い、骨の健康を保つ女性ホルモン(エストロゲン)が急激に減るため、骨粗しょう症をはじめとする骨の病気のリスクが高まります。また、長時間のデスクワークや悪い姿勢が原因で、椎間板ヘルニアといった痛みに悩む方も増えています。
この記事では、女性に特に多い骨の病気の原因と症状、そして「骨を強くする」ために今日からできる予防法を、優しく分かりやすく解説します。痛みや不安を「歳のせい」と諦めずに、一緒に体の状態を理解し、適切な行動を始めるきっかけにしましょう。
「one for 看護」キャリアアドバイザー:
髙原 加奈(正看護師/終末期ケア専門士)
骨に関する主な病気の原因・症状・対処法とは
骨に関する主な病気には、一体どのようなものがあるのでしょうか。具体的な病名やその原因、症状、対処法について見ていきましょう。
骨折・脱臼
骨折は骨が折れてしまうこと、脱臼は関節が外れてしまうことです。特に骨粗しょう症が進んだ方だけでなく、スポーツや転倒などで誰にでも起こりえます。
| 症状 | 強い痛みや腫れ、変形などがあり、その部分を動かしにくくなる |
| 原因 | 骨折は転倒や交通事故などの強い衝撃。脱臼は強い捻りなど関節に不自然案力が加わったとき |
| 検査方法 | X線(レントゲン)検査で骨の状態を確認 |
| 治療法 | ギプスや装具で固定する保存的治療が一般的ですが、骨が大きくズレている場合等は手術が必要となることもあります。 |
骨粗しょう症が原因で骨がもろくなっていると、ちょっとした転倒でも骨折を起こしやすくなります。特に背骨や太ももの骨などの大きな骨を骨折すると、そのまま寝たきりの原因になることもあるため、早期の治療とリハビリが非常に大切になってきます。
骨粗しょう症
骨の量(骨密度)が減り、骨がスカスカになって弱くなり、折れやすくなる病気。
| 症状 | 初期症状がほぼなく、進行すると背中や腰が丸くなる円背や、身長が縮むといった変化が現れます。自覚症状がないまま進行することが多いです。 |
| 原因 | 女性ホルモン(エストロゲン)の減少です。エストロゲンは骨を壊す働きを抑え、骨量を保つ役割があるため、閉経後にこれが不足することで、骨量が急速に減少しやすくなります。 |
| 検査方法 | 骨密度検査(DXA法)によって診断されます。 |
| 治療法 | 骨の破壊現象を抑える薬や、骨の形成を促す薬、女性ホルモン剤などが使われます。 |
詳しくは記事の後半で後述しますが、骨粗しょう症を予防するためには、カルシウムやビタミンD、ビタミンKを意識した食事が大切です。また、適度な運動も欠かせません。
椎間板ヘルニア
椎間板ヘルニアとは、背骨の間にあるクッション(椎間板)が変形し飛び出し神経を圧迫する状態の事です。特に腰(腰椎)や首(頚椎)に起こりやすく、最近は、20代〜30代の若い女性の間でも増加傾向にあります。
| 症状 |
|
| 原因 |
加齢や遺伝的要因、長時間のデスクワークや車の運転、姿勢の悪さ(猫背)など様々な要因が重なって起こる事が多いです。特に、前かがみの姿勢で、急に重い物を持ちあげるなどの動作は最も負担になります。 長時間のデスクワークやスマホの使いすぎによる姿勢の悪さ(猫背)が、椎間板への負担を大きくします。ハイヒールや過度なダイエットもリスクを高める要因と言われています。 |
| 検査方法 | MRI検査などで検査されます。 |
| 治療法 | 安静や痛み止め、ブロック注射などの保存的療法が中心です。 |
椎間板ヘルニアの症状が重い場合は手術が検討されます。日常生活では、正しい姿勢を意識し、再発予防のためのストレッチを続けることが大切です。
関節や骨格による骨の病気
骨に関する主な病気には、どのようなものがあるのでしょうか。具体的な病名やその原因、症状、対処法について解説していきます。
関節リウマチ
関節リウマチは、免疫の異常によって関節に炎症が起こり、痛みや腫れが生じ、進行すると関節が変形してしまう病気です。特に妊娠・出産、更年期などで女性ホルモンが変動しやすい30代から50代に発症しやすいとされています。
| 症状 | 朝起きた時の手足の関節のこわばりが特徴的。進行すると、関節の腫れや痛み、微熱、倦怠感などが現れ、日常生活に支障をきたします。 |
| 原因 | 原因は完全には解明されていませんが、遺伝的な要因に加え、エストロゲンという女性ホルモンの変動が深く関わっていると考えられています。 |
| 検査方法 | 血液検査で炎症反応や特定の自己抗体を確認し、X線検査などで関節の状態を調べます。 |
| 治療法 | 免疫の異常をコントロールするための抗リウマチ薬(DMARDs)や炎症を抑えるステロイドや非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)など、近年では高い効果が期待できる生物学的製剤を用いた治療が主流です。 |
骨系統疾患
骨系統疾患を聞いたことはありますか?具体的な特徴や主な骨系統疾患を一覧形式でまとめました。
骨系統疾患とは?
骨系統疾患とは、骨や軟骨、靱帯(じんたい)など、骨格を形成する組織の成長や発達に障害が生じることで、骨格の形成や維持に異常をきたす疾患の総称です。この疾患には多くの種類があり、そのほとんどが遺伝性の疾患が原因となって発症します。
主な骨系統疾患一覧
骨系統疾患には、非常に多くの種類が存在します。これらの疾患は、骨の形成や成長の異常により、重度の骨の脆弱性や低身長などを引き起こします。代表的なものをいくつか見ていきましょう。
- 軟骨無形成症
- 骨形成不全症
- 低ホスファターゼ症
- 大理石骨病
- タナトフォリック骨異形成症
- 多発性軟骨性外骨腫症
- 胸郭不全症候群
- 先天性脊椎骨端異形成
- 軟骨低形成症
ご覧のように、骨系統疾患には非常に多くの種類があり、専門的な診断と治療が必要となります。
骨の病気の予防と日常生活での注意点
骨の健康は、日々の生活習慣の積み重ねによって守られます。「まだ若いから大丈夫」と思わずに未来の自分のためにも今日から予防を始めましょう。
骨を強くするための食事
骨を強くするためには、食事習慣の意識が大切です。カルシウムやビタミンD、ビタミンKなどのような栄養素を摂取しましょう。
まず、カルシウムは骨の主成分で、下記のような食べ物に多く含まれています。
- 牛乳や乳製品
- 小魚
- 大豆製品(豆腐など)
- 小松菜
次に、ビタミンDは腸管からのカルシウムの吸収を助けます。適度に日光(紫外線)を浴びることでも体内で作られますが、下記のような食べ物に多く含まれています。
- サケやサンマなどの魚類
- 干しシイタケやキクラゲなどのきのこ類
そして、ビタミンKは摂取したカルシウムを、しっかりと骨に定着させる働きを促進します。下記のような食べ物を摂取しましょう。
- 納豆
- ホウレン草
- 小松菜
- ブロッコリー
これらの栄養素をバランス良く摂ることが、骨密度低下を防ぐ鍵となります。
適度な運動の重要性
骨には、負荷をかけることで強くなるという素晴らしい性質があります。運動不足が続くと、骨に刺激が伝わらず、骨量が減りやすくなってしまいます。骨を強くするために効果的なのは、重力と筋肉の働きによって骨に適度な刺激が加わる運動ですので、激しい運動でなくても大丈夫です。ウォーキングや軽いジョギング、片足立ちなどの運動を毎日少しずつ取り入れましょう。
筋力トレーニングで腹筋や背筋を鍛えることは、腰や背骨を支える力をつけ、姿勢の維持や転倒予防にもつながります。無理のない範囲で、生活の中に「骨に刺激を与える時間」を意識的に作ることが大切です。
転倒予防
骨がもろくなっている場合、転倒は深刻な骨折に直結し、生活の質を大きく低下させます。特に骨粗しょう症が進行している方は、転ばないための環境づくりが何よりも大切です。
- 手すりの設置や掴まる場所をつくる
- 歩きやすいよう通路は広く取る
- 自宅内の段差をなくす
- 自宅で滑りやすい場所に滑り止めマットを敷く
- 家の中で夜間移動する場合は照明を必ず確保する
また、先ほど記述した適度な運動は、骨だけでなく、転倒を防ぐための筋力やバランス感覚を養う上でも重要です。片足立ちなどの軽い運動を毎日続けることで、とっさの体勢を立て直す力がつきます。
定期的な健康診断
骨粗しょう症をはじめとする骨の病気は、初期には自覚症状が極めて少ない傾向がありますので、痛みを感じてからでは進行しているケースが多く、早期発見が非常に困難です。
特に閉経後の女性は、骨量の減少が急激に進むため、症状がないうちから定期的に骨密度検査を受けることが大切です。ご自身の骨の状態を正確に把握することが、骨折という大きなリスクを未然に防ぐための第一歩となります。
もし、持続的な膝や腰などの痛み、手足のしびれを感じたら、「歳のせい」と思わずにすぐに整形外科を受診しましょう。早期に専門医の診断を受け、適切な治療や予防を始めることが、未来の健康な体を守ることにつながります。
骨の健康は日々の習慣から見直そう
膝や腰の痛みを感じたら、まずはご自身の骨の状態を正確に把握することが大切です。この記事で解説したように、骨の病気の予防は、日々の小さな習慣にかかっています。カルシウムやビタミンD・Kを意識した食事と、ウォーキングなど骨に負荷をかける適度な運動を続けることが、未来の健康な体を作っていきます。
もし、持続的な痛みやしびれを感じたら、迷わず整形外科を受診してください。今日からの小さな一歩が、軽やかで活動的な毎日につながっていきます。
看護師 髙原さんからのアドバイス
骨の病気は目に見えないからこそ、日頃からの予防や小さな変化に気づくことが大切です。
「年齢のせいかな」「少し痛めただけかな」と我慢される方も多いですが、悪化を防ぐためにも、気になる症状があれば無理をせず医療機関を受診しましょう。
また、転倒予防を心がけて、安全に、より充実した生活を送りましょう。
看護師のための転職サポート【one for 看護(ワンフォーかんご)】
この記事を監修した人

髙原 加奈(たかはら かな)
「one for 看護」キャリアアドバイザー
資格:正看護師/終末期ケア専門士
看護師として10年以上、大学病院、保育園、クリニック、訪問看護、健診クリニックなど、さまざまな現場で臨床を経験。多様な実務やマネジメントの経験を通じて、「働く看護師を支える側に立ちたい」という想いからキャリアアドバイザーの道へ。
現在は株式会社アドバンスト・メディカル・ケアに所属し、「one for 看護」のアドバイザーとして、看護師一人ひとりのキャリアに寄り添った支援を行っている。
one for 看護(ワンフォーかんご)Instagram:
https://www.instagram.com/nurse.onefor/
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