40代の女性必見!骨密度の増やし方を紹介

骨粗しょう症はお年寄りがなるもの、というイメージをお持ちではありませんか?実は、働き盛りの40代でも骨粗しょう症になる可能性はあります。
女性の場合は閉経に向けて体内で女性ホルモンが減少するなどの変化が起こり始めるため、40代のうちから骨の状態を知り、骨を丈夫に保ちたいですよね。

今回は、日常生活に取り入れやすい骨密度の増やし方を紹介します。
骨の健康も意識し、いつまでも健やかに過ごしたい方はご覧ください。

女性が骨粗しょう症になる原因は?

骨粗しょう症とは、骨量や骨密度が減ることで骨の中がスカスカになり、骨の強度が低下する病態のことです。骨量が減少すると骨がもろくなり、体重を支え切れずに背中が曲がるほか、ちょっとした転倒で骨折する可能性もあります。

2015年に発表された「骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン」によると、国内の骨粗しょう症の患者数は1,280万人といわれ、このうち約8割が女性であるとわかっています。ここからは、男性と比べて女性の骨粗しょう症の発症率が高い3つの原因を解説していきます。

参照元:日本骨粗鬆症学会「骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン 2015年版」
http://www.josteo.com/ja/guideline/doc/15_1.pdf


原因①年齢

女性が骨粗しょう症になる原因として、まず挙げられるのが年齢です。

女性の骨量は20歳頃にピークに達するとされています。その後、50歳前後から骨量が減少しはじめます。さらに、骨量や骨密度の減少は、見た目にも影響します。頭蓋骨や顔面骨も加齢とともに減るため、顔が痩せて老けた印象を与える可能性があるというわけです。

加齢とともに生じる衰えはやむを得ない部分もありますが、早期の対策によって骨密度の減少を抑えることにつながります。

原因②閉経後の女性ホルモンの減少

女性ならではの原因としては、女性ホルモン(エストロゲン)の減少も関係しています。

女性ホルモンにはエストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)の2種類があり、なかでもエストロゲンは、肌を潤わせて丸みのある女性らしい体型をつくるほか、骨や血管を強く保つはたらきがあります。骨からカルシウムが溶け出すのを抑制する作用もあるため、骨量や骨密度を保つのに役立っているというわけです。

しかし、閉経後に女性ホルモンの分泌量は急激に減少していきます。それにともなって骨量や骨密度も減少し、骨粗しょう症になるリスクが高まってしまうのです。

原因③過度なダイエットや運動不足、喫煙などの生活習慣

生活習慣の乱れも、骨粗しょう症につながるとされています。

「きれいになりたい!」といった気持ちから、過度な食事制限によるダイエットを行うと栄養不足に陥ってしまいます。体に必要なカルシウムが不足すれば、骨量や骨密度への影響は避けられません。

また、運動習慣があまりない場合も骨粗しょう症を発症するおそれがあります。骨は物理的な衝撃によって強くなります。運動によって骨に刺激を与えることが骨を強くし、新しい骨をつくるための重要な役割を果たしています。

なお、喫煙や過度なアルコール摂取も骨にダメージを与える要因になるので注意が必要です。

自分の骨の状態を知るためにはどうすればよい?

ご自身の骨の状態を知るには、「骨密度検査」を受けましょう。

骨密度検査は、骨の中にカルシウムをはじめとするミネラルがどのくらい含まれているのかを測定し、骨の強度を調べる検査です。検査方法としては以下の3種類があります。

骨密度検査の種類
名称 特徴
DXA(デキサ)法 ・2種類の異なるエネルギーのX線を当てて、全身のほとんどの骨密度を測定できる
・一般的に、腰椎や太ももの付け根、前腕の骨を測定する
MD法 ・X線を用いて、手の骨と厚さの異なるアルミニウム板を同時に撮影し、骨とアルミニウムの濃度を比較して手の骨密度を測定する
・DXA装置のない医療機関で実施されている
QUS法(定量的超音波測定法) ・かかとの骨に超音波を当てて骨密度を測定する
・X線を使用しないので、妊娠中の方も検査できる

骨密度は、若年成人の平均値を100%として、80%以上が正常、70~80%未満で骨減少症、70%未満になると「骨粗しょう症」と診断されます。

骨密度検査を受けるタイミング

「まだ40代だし、骨粗しょう症にはなっていないはず」「仕事や家事で忙しく、検査に行く時間がとれない」と、骨密度検査を受けるタイミングを逃していませんか?

初期段階の骨粗しょう症は、症状として現れることはほとんどありません。そのため、自覚症状がないまま骨粗しょう症の進行を招いてしまうおそれがあります。

骨粗しょう症を予防し、早期発見につなげるには、閉経を意識しはじめる40代を目安に、骨密度検査を受けることをおすすめします。まずご自身の骨の状態を知ることが、今後の人生をより健康に生きるきっかけになるはずです。

骨密度検査は自治体の健診などで、無料または少額で受けられることがあります。検査日や利用できる年齢・性別に制限が設けられている場合は、自費にはなるものの、整形外科や健康診断のオプションなどで検査を受けることも可能です。

まだ間に合う!骨密度の増やし方

健康な骨は、古くなった骨を壊す「骨吸収」を行い、そこを補うように新しい骨をつくる「骨形成」を繰り返しています。このサイクルがきちんと回れば、新しい骨がつくられ、骨量や骨密度の低下を防ぐことにつながります。

健康な骨をつくるための栄養素をとる

骨密度を増やすには、丈夫な骨をつくるために必要な栄養素を摂取します。

カルシウムは骨を構成する重要な栄養素です。毎日の食事にカルシウムを多く含む食品を取り入れましょう。吸収率のいい牛乳やヨーグルト、チーズなどの乳製品のほか、高野豆腐などの大豆製品やしらすなどがおすすめです。

さらに、カルシウムの吸収を促すビタミンDとビタミンKも忘れてはなりません。カルシウムと合わせて摂取すれば、より効率的にカルシウムが吸収されるようになります。ビタミンDは鮭などの魚類やきのこ類に、ビタミンKは納豆や海藻類、緑黄色野菜などに多く含まれています。

カルシウムは、ビタミンDやビタミンKと一緒に摂取すると吸収率アップが期待できるので、上記の食材を組み合わせて献立を考えてみませんか?

負荷・衝撃のかかる運動を行う

骨に負荷・衝撃を与える運動も、骨を強くするには不可欠です。

骨密度は、骨への物理的な衝撃と、運動で負荷をかけて筋肉量が増えることにより増加するとされています。特に効果的なのは、ジャンプやスクワット、ジョギングといった、骨に対して負荷や衝撃の大きい運動です。

運動する時間をあまりとれない場合は、普段の歩き方を少し変えてみるのもおすすめです。脚を前に出すときに腰から動かすようなイメージで、普段の1.5倍程度の歩幅で歩いてみましょう。少し意識を変えるだけで骨に適度な負荷をかけることができます。

骨の健康のためにも日常的に運動を取り入れ、継続していくことが大切です。

日光を浴びる

骨密度を増やすには日光浴も重要です。

紫外線を浴びると体内でビタミンDが生成されます。ビタミンDには、カルシウムの吸収を促進し、血中のカルシウム濃度を一定に保つはたらきがあります。そのため、骨の健康を維持し、骨粗しょう症を予防するために欠かせません。

日光を浴びる時間は1日15分程度が目安です。お花見やマリンスポーツ、紅葉狩り、スキーなど、季節の行楽と組み合わせれば、楽しみながら日光浴できます。

40代になったら骨密度検査を受け、生活習慣も整えましょう

本記事では、骨密度を増やすために意識したい習慣として、3つの情報をお届けしました。

骨粗しょう症の初期段階では症状が現れることはほとんどなく、骨折したり背中が丸くなったりする自覚症状が出る頃にはかなり進行している可能性があります。

女性は、加齢や閉経による女性ホルモンの減少、生活習慣の乱れなどによって骨粗しょう症を発症するとされています。骨粗しょう症を予防・早期発見するためにも女性ホルモンが減少する閉経のタイミングを目安に骨密度検査を受け、ご自身の骨の状態を知りましょう。

食事や運動、日光浴など、生活習慣を改善することも欠かせません。今回ご紹介したポイントを日常生活で意識することが、今後の人生をより健康に生きることにつながるはずです。

※掲載している情報は、記事公開時点のものです。
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