亜麻仁油(アマニ油)がもたらす女性にうれしい効果を解説

ホルモンバランスが乱れると、気分が落ち込んだり、肌の調子がゆらいだりすることがあります。
そのような不調を感じたときは"亜麻仁油"がおすすめです。このオイルは、毎日をイキイキと過ごすためのサポート役として注目が集まっています。
本記事では、亜麻仁油が女性にもたらすうれしい効果を解説します。心と体の調子を整えたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
亜麻仁油(アマニ油)とは
亜麻仁油とは、"亜麻"という植物の種子から抽出されたオイルのことです。
亜麻は、寒冷な地域での栽培に適しており、ロシアやカナダ、カザフスタンでの生産が盛んです。日本では、北海道の一部地域でのみ栽培されています。
かつては、リネンの原料や木材の仕上げ用塗料として使用されていましたが、近年では食用油として注目が集まっています。その需要に伴い、多くのスーパーマーケットで販売されるようになりました。
えごま油との違い
亜麻仁油と成分が似ている食品には、"えごま油"があります。いずれも健康維持に役立つオイルで、以下のような特徴があります。
亜麻仁油とえごま油の違い | ||
亜麻仁油 | えごま油 | |
原料 | 亜麻の種子 | えごま(シソ科)の種子 |
味・香り | ナッツのような香ばしさがあり、人によって苦みやクセを感じる | 口当たりが軽く、あまりクセがない |
原料や風味に違いはありますが、どちらも日々の食事に取り入れやすいオイルです。加熱をせずに使うことでより風味を活かせます。
亜麻仁油(アマニ油)は女性にどのような効果をもたらす?
亜麻仁油は、美容や健康に役立つ効果が期待できるオイルとして、特に女性からの注目が集まっています。ここからは、その具体的な効果を見ていきましょう。
女性ホルモンのはたらきを助ける
亜麻仁油の原料となる亜麻には、女性ホルモンのエストロゲンに似た作用を持つ"リグナン"という成分が含まれており、女性の健康維持に役立ちます。
リグナンを取り入れることで期待される効果は、以下の通りです。
- 骨の健康維持をサポートする
- 脂質のバランスを整える
- 抗炎症作用による生活習慣病予防
更年期を迎えるとエストロゲンの分泌量が減少し、ほてりや発汗、イライラといった不調が起こりやすくなります。こうした時期に、リグナンを含んでいる亜麻仁油を摂取することで、女性ホルモンのバランスが調整され、症状が緩和される可能性があります。 すぐに効果を得ることは難しいかもしれませんが、継続的に摂取していくことが大切です。
なお、製造過程でろ過された亜麻仁油には、リグナンが配合されていないため、成分表をよく確認してから購入してください。
若々しさを維持できる
亜麻仁油には、酸化ストレスやホルモンバランスの乱れを抑え、若々しさを保つ効果が期待できます。その理由は、オイルにオメガ3系脂肪酸のひとつである"α-リノレン酸"が含まれているためです。
この成分は、内側から健康や美しさを支えるはたらきを持ち、加齢による肌の変化へのアプローチが期待されます。日々の食事に取り入れることで、年齢を重ねてもイキイキとした美しさを保つ手助けになるかもしれません。
元気な毎日をサポートしてくれる
女性特有の悩みだけでなく、元気な毎日をサポートしてくれることも亜麻仁油がもたらす効果の一つです。
亜麻仁油には、血行をよくするはたらきがあるため、酸素や栄養が身体の隅々にまで行き渡りやすくなります。これにより、冷えやむくみといった女性に多い不調の緩和が期待できます。
また、オメガ3脂肪酸には腸内環境の改善が期待でき、トイレにこもる時間を減らす効果があるのもうれしいポイントです。身体の内側からきれいに近づくので、快調な毎日をサポートしてくれるでしょう。
亜麻仁油(アマニ油)を選ぶときのポイント
亜麻仁油を選ぶ際には、いくつかのポイントを押さえておきたいところです。ここでは、亜麻仁油の選び方を紹介します。
ポイント①製法を確認する
亜麻仁油は、"コールドプレス法(低温圧搾法)"で作られたものを選ぶのがおすすめです。このオイルに含まれるα-リノレン酸は熱に弱く、高温での機械圧搾や化学溶剤を使用した抽出方法では、栄養価が低下する可能性があります。
その点、低温でじっくり抽出されるコールドプレス法であれば、素材の良さを活かせます。ただし、すべてがこの製法で作られているわけではないため、商品ラベルをよく確認して選ぶことが大切です。
ポイント②遮光瓶に入っているものを選ぶ
亜麻仁油には、ほかの植物性油に比べて熱や光に弱く、酸化しやすい性質があります。そのため、光を遮断して酸化を防げる遮光瓶入ったものを選ぶとよいでしょう。もちろん遮光瓶であっても、開封後は早めに使いきることが望ましいです。
また、空気が直接触れにくい小分けタイプなどを選ぶのもおすすめです。
ポイント③精製・未精製の違いを理解する
亜麻仁油には"精製"と"未精製"の2種類があるのをご存知でしょうか?亜麻仁油を選ぶ際には、この2つの違いも押さえておきたいところです。
精製されたものは、不純物をろ過して仕上げるため、無色に近いのが特徴です。栄養素は少し薄まりますが、クセが少なく、さまざまな料理に取り入れやすいというメリットがあります。
一方、未精製の亜麻仁油は、亜麻仁を圧搾して得た油をそのまま瓶詰めにしたものです。亜麻仁油本来の風味を味わえるうえ、栄養素がしっかり保てているのが特徴です。
使いやすさを重視するなら"精製"、健康効果を重視するなら"未精製"といったように、目的や好みに応じて選ぶとよいでしょう。
1日あたりの亜麻仁油(アマニ油)の摂取量の目安
亜麻仁油はα-リノレン酸の含有量が多く、小さじ1杯程度で1日の摂取目安量を満たせます。α-リノレン酸は食品から摂取するのが難しく、不足しがちな栄養素ですが、亜麻仁油であれば、手軽に補給できます。
ただし、料理に使う場合は脂質をとりすぎないよう、量を調整するのが大切です。
亜麻仁油(アマニ油)を摂取するときの注意点
最後に、亜麻仁油を摂取するときの注意点を解説します。
注意点①火を通さない
亜麻仁油はサラダやヨーグルトにかけるなど、火を通さず生のまま食べることが望ましいです。加熱をすると、生臭いニオイが出て風味が失われるだけでなく、加熱による酸化で人体に悪影響を及ぼす物質に変化する可能性があります。
温かい料理と組み合わせる場合は、食べる直前にかけるとよいでしょう。
注意点②早めに使いきる
亜麻仁油は、酸化するスピードが非常に早いため、開封後1か月ほどを目安に使い切りたいところです。品質をなるべく長く保つためにも、短期間で使い切れる少量サイズを選び、冷蔵庫で保管することをおすすめします。
注意点③過剰摂取を控える
亜麻仁油を摂取しすぎると、肥満の原因となります。
また、お腹が弱い方は下痢や腹痛を引き起こす可能性があるため、摂取量に注意しましょう。亜麻仁油は少量ずつ摂取することを心がけ、ご自身にあった量でとどめておくのが大切です。
体調が不安な方は、事前にかかりつけの医師に相談してみてください。
亜麻仁油(アマニ油)を適切に取り入れて心と体の調子を整えよう!
今回は、亜麻仁油が女性にもたらすうれしい効果を解説しました。
亜麻仁油は、普段の食事に取り入れることで、美容や健康の維持をサポートする効果が期待できます。だだし、効果が出るまでには個人差があるため、継続的に摂取するのが大切です。
また、酸化しやすいデリケートなオイルでもあるため、選ぶ際のポイントと注意点を押さえておく必要があります。
ご自身の好みやライフスタイルに応じて、無理なく日々の食事に取り入れていきましょう。
三浦 知代 (みうら ちよ) 管理栄養士/メノポーズカウンセラー 管理栄養士歴20年以上。病院給食業務の経験を経て、入院する前の食生活や栄養摂取の必要性に興味を持ち、サプリメントの企画販促に携わる道へ。
現在は、㈱アドバンスト・メディカル・ケアに所属し、est're<エストール>担当として、女性ホルモンマネジメント®の普及活動を行っている。
est're<エストール>「はじめよう!フェムケアプロジェクト!」マネージャーこの記事を監修した人
est're<エストール> Instagram:https://www.instagram.com/ilacy_shinshinbishoku
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