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神崎 恵さんに聞く、プレ更年期・更年期を健やかに美しく過ごすために大切なこと【前編(全3回)】

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30歳後半になってから「ネガティブ思考になることや、イライラすることが増えた気がする」「疲れがとれにくい」「月経の周期が不規則になった」と、ちょっとした心身の変化が気になりはじめる方は多くいます。その違和感を我慢しつづけていませんか? このような心身の変化は、更年期症状の可能性があります。不調を我慢すると、日常生活にも影響が出てしまうので、生活を見直してみるタイミングかもしれません。

そこで本記事では、仕事と子育てを両立し、女性のロールモデルとして注目を集めている美容家の神崎恵さんに、プレ更年期・更年期を迎える方に向けて、心構えや大切にしたいこと、心身に影響を与える女性ホルモンと適切に付き合う女性ホルモンマネジメント®についてお話を伺いました。ご自身の心と身体に向き合い、穏やかな日々を送りたい方はぜひご一読ください。

心身の微妙な変化に正直になって、心地良く過ごせる選択肢をとる

――プレ更年期や更年期の症状とひと口に言っても、現れ方や感じ方は人それぞれだと思います。神崎さんが、体調の違和感に気づかれたのは、何がきっかけだったのでしょうか?

神崎恵さん(以下、神崎):微妙な変化を感じたきっかけは、それまで安定していた月経の周期にずれが出始めたことです。月経不順を察知して以降、仕事で原稿を書いている際の集中力が続かないといったように「あれ?」という変化を感じるようになりました。

ただ、私の場合、クリニックで受けたホルモンチェックの数値によると、まだ更年期ではないということでした。更年期を迎える前に「なんだか今までとは違うな」と変調を感じるプレ更年期があると思いますので、そのステージにいるのかもしれません。

――微妙な変化に気づかれた際に、どのように対処されましたか?

神崎:いくつかクリニックを受診して検査を受けました。というのも、美容家という仕事柄、先輩方から教えていただいた情報や、女性ホルモンについての知識があったからです。

それによって、女性ホルモンのバランスが変わっていく時期に早めに気づけたので、クリニックに行くという選択肢をとれたのだと思います。これから迎える更年期というライフステージに向けて、事前の心構えを整えることにもつながっている気がします。

近年は「女性が生き生きと過ごせるように、更年期における症状や閉経を耐え忍ぶのではなく、うまくマネジメントしていこう」という時代になりつつあります。微妙な変化を放置せずに、いかに自分が心地良く過ごせるのかを考えてケアや治療を選択していくことが大切です。食事や睡眠をはじめ、今までのご自身の生活を全体的に見直してみてはいかがでしょうか。私はそうすることによって、月経不順が改善したり、モヤモヤした気持ちが解消されたりしました。

従来と比べると、クリニックで検査を受けるハードルも下がってきたと思います。心身の微妙な変化を察知したら、一度婦人科やその他の専門科で調べてみるのがおすすめです。結果がわかると安心できますし、対処するきっかけにもなるはずです。違和感があるのに、原因がわからずにモヤモヤしているのはとてもつらいですから、微妙な変化に対して敏感になって、次の手をきちんと打っていくことが大事だと思っています。

プレ更年期・更年期の症状との向き合い方の情報は、年代に関わらず知ろうと努力する

――現代では、インターネットやSNS、雑誌など、情報収集の方法は多岐にわたります。神崎さんは、プレ更年期・更年期の症状にまつわる情報はどのように集めたのでしょうか?

神崎:私は美容家という仕事柄、年代別にビューティーの提案をしています。さまざまな年代のことを知っておく必要があるので、心身の変化に絶対的に関わってくる女性ホルモン(エストロゲン)について勉強していて知識がありました。ほかにも、私の環境では先輩方の生の声を聞かせていただける多くの機会があります。「こういうことがあったよ」「こうしたほうがいいかもね」といったように、とても貴重な経験を教えてくださるので、私はプレ更年期・更年期に起こりうる症状に関する情報を集められたんです。

これは恵まれた環境なのかもしれません。多くの働く女性は、プレ更年期・更年期症状に関するリアルな声を聞くのはなかなか難しいかもしれません。そのような場合は、ネットや書籍で得たい情報を探すなどご自身で積極的に情報を探していくと、これから必要なことがわかっていくはずです。

すべての女性に更年期症状が出るというわけではありません。それでも、更年期というライフステージはみなさんが通る道ではあります。いつかくるその時期に向けて、年齢は関係なくある程度の知識を持っていたほうが安心だと思います。

――たしかに、さまざまな情報があるからこそ、自ら意識的に情報を探して知識をつけておくのは大切ですよね。ちなみに日本だけではなく、海外の情報も調べたほうがよいのでしょうか?

神崎:そうですね。やはり、海外と比較すると、日本は遅れをとっている部分があると感じています。例えば、子宮を休ませる考え方が進んでいなかったり、女性の身体に向けた特有の情報がまだまだ浸透していなかったりします。

日本だけではなく、海外の女性がどんなことを大切にしているのかもぜひ知っていただきたいと思います。たとえば、海外には母親が娘にフェムゾーンケア(デリケートゾーンケア)について伝える文化をもつ国が多くあります。する・しないは知識を得たあとに選択すればよいので、まずは知ることが大事です。

どうしても日本では「センシティブな話題は聞いてはいけないし、隠さないといけない」と考えてしまう傾向にあるので、だからこそ自分から情報をつかんでいくのが大切だと思っています。プレ更年期・更年期症状には個人差があるので、さまざまなケースがあることを知っておくだけでも気持ちが楽になるはずです。

かかりつけの婦人科をもったうえで、複数のクリニックに相談する

――神崎さんは体調の違和感や微妙な変化を自覚された際に、周囲への相談はどうされましたか?

神崎:一か所だけではなく、いくつかのクリニックを受診しました。専門医からいろいろなお話を聞くことができ、幅広く選択肢を持てるからです。先輩方からプレ更年期・更年期症状に関する情報の共有はいただいていましたが、そのうえで相談はクリニックに行きました。

ほかには、ホルモンの数値によって保険適用になる部分と適用外になる部分が出てきます。どの数値からケアや治療を始めるのかをご自身で選ぶことができます。

たとえばホルモン補充療法(HRT)では、保険適用の範囲ならば問題ないと言われる数値であっても、保険適用外のクリニックでは、基準よりも少ない数値とみなされることがあると聞きます。その場合は自由診療であっても早い時点で手を打ったほうがよいという選択肢が生まれます。

もちろん不調に対するつらさの感じ方は人それぞれですが、こういった情報を知ったうえでクリニックに行くかどうか、行くならどのクリニックに行くのか、そしてどんな治療を受けるのかをご自身で選択するほうが私は良いと思います。なので、私はすぐにクリニックに行く選択をとりました。

――クリニックはかかりつけの婦人科を受診されたのですか?

神崎:検診でずっと通っているかかりつけの婦人科はもちろん、ホルモン補充療法(HRT)を行っているクリニックにも行きました。3か所くらいは受診しています。治療と認められる保険適用と、治療以外の目的と判定される保険適用外(自由診療)では、基準となるホルモンの数値が異なります。自身の状態が気になる方は、両方の観点で検査を受けると安心です。深く掘り下げて細かく数値を出してくださるので、より詳細な結果が出るとも感じています。

複数のクリニックを受診することで信頼性が上がるのかどうかは、人によるのではないでしょうか。もしホルモンの数値は問題ない場合でも、普段と異なる違和感があるなら、1か所のみならず別のクリニックにも行ったほうがよいかもしれません。これも選択の1つだと私は思います。

自分にとって心地良い選択を心がけると、健やかに美しく過ごせる後押しになる

今回は、プレ更年期・更年期を迎える方に向けて、心構えや大切にしたいこと、これからの時代に必要な女性ホルモンマネジメント®について美容家の神崎恵さんより伺いました。

近年は、更年期症状や閉経をうまくマネジメントしようという時代になりつつあります。心身の微妙な変化を放置するのではなく、ご自身が心地良く過ごせる選択肢をとることが大切です。プレ更年期・更年期症状に関する情報を得られる機会も増えていますし、健康・美容それぞれの面でホルモン補充療法(HRT)を受けられるクリニックもいくつもあります。

すべての女性が通る更年期というライフステージに向けて、選択肢を増やすことを意識してみてはいかがでしょうか。

なお、本インタビュー企画の第二弾ではフェムケアアイテム、第三弾ではメンタルを安定させるために大切なことについて伺っています。プレ更年期・更年期の情報収集にご活用ください。

こちらの記事もぜひご覧ください。
神崎 恵さんに聞く、プレ更年期・更年期を健やかに美しく過ごすために大切なこと【中編(全3回)】
神崎 恵さんに聞く、プレ更年期・更年期を健やかに美しく過ごすために大切なこと【後編(全3回)】

(取材・文:吉原緑子)



profile

神崎 恵(かんざき めぐみ)

神崎 恵 (かんざき めぐみ)

1975年生まれ。美容家。
美容誌をはじめ、多くの雑誌で連載を持つ他、企業のタイアップやイベントの出演も多数。また、コスメブランドのアドバイザー、アパレルブランドとの商品開発など活動の幅を広げている。3人の息子をもつ母として、日々の暮らしや美容情報満載のInstagramはフォロワー数63万人超え。現在は神崎美容塾の塾長として、後進の育成にも尽力している。書籍も数多く執筆し、著書累計発行部数は170万部を突破。
最新刊「一生もの基礎知識 美容の教科書」(講談社)が11月17日発売。

Instagram:https://www.instagram.com/megumi_kanzaki/
オフィシャルブログ:https://ameblo.jp/kanzakimegumi/

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