なんかイライラする...「心の不調」の原因を見極めよう

コラム・心地よいわたし

女性ホルモンの欠乏によって心身のバランスが崩れ、身体的・精神的にさまざまな不調を引き起こす更年期。対症療法でケアできる体の不調に比べて、心の不調は原因を特定しにくく、長引く傾向があります。
そこで有効なのが、心理カウンセリングというアプローチです。

心理カウンセリングとは...

その人の悩みや不安に寄り添いながら、ストレスを生み出す心のパターンを見つけたり、悩んでいることの本当の原因を知るお手伝いをしたりなど、相談者といっしょに解決の糸口を探るもの。

今回は、「なぜかわからないけど、なんとなくイライラする」「いつも漠然とした不安があって、人に怒りをぶつけてしまう」という、更年期の女性によくあるお悩みから抜け出すきっかけづくりについて、心理カウンセラーの半澤久恵さんに教えていただきます。

ストレスの根源に気付くことが大切

――理由がないのにイライラするのは、更年期にさしかかる年代の女性には多い悩みだと思います。こうした心の不調の裏には、どのような原因があるのでしょう。

心の不調から抜け出そうとがんばっているのに、どうしても負のループに陥ってしまうという40代、50代の方は多いですね。

この年代は、子育てが一段落したり、キャリアの節目を迎えたりして、改めて自分と向き合うタイミングでもあります。更年期の特有の不安定さの中で、自分の現状や今後の在り方について考える機会も多くなり、迷いや葛藤が生まれることで次第に心のバランスを崩してしまう...というのが多いのでしょう。

――具体的には、どのような相談がありますか?

大きく分けると、キャリアや子育て、パートナーシップのほか、言いたいことが言えずに飲み込んでしまうといったような自身の性格に由来する悩みが多いですね。とはいえ、「このまま今の仕事を続けていていいのか」という相談が、そのままキャリアに関する悩みだとは限りません。

お話を伺っていくと、悩みの根底にある「好きなことを仕事にしている人への羨望」や、「本当にやりたいことは別にあるけど、チャレンジできないジレンマ」といった、本当の問題が見えてきます。「好きかどうかより、安定を優先するべき」「母である以上、自分のことより子育てを中心に考えるべき」といった、見えない「そうあるべき」に縛られている人も多いですね。

まずは、見えているのは表面的な問題であって、ストレスの根源はほかにあるという事実に気付くことが重要です。

潜在意識に気付けば、状況も自然と変わる

――気付きを得るための、考え方のコツがあれば教えてください。

最初に試していただきたいのは、自分が「心の眼鏡」をかけていないか考えてみることです。何かにイライラしているとき、人は心にいつもと違う眼鏡をかけて対象を見ています。

例えば、「お姑さんが嫌で、顔を合わせるたびにイライラする」という方の場合、その感情の根源には、過去にお姑さんに似た他人に嫌な思いをさせられた経験があって、それが「姑もその人と同じなのではないか」という、心の眼鏡になっているのかもしれません。

その心の眼鏡に気付いて外してみたら、意外とお姑さんは普通の人で、お姑さんも自分も何も変わっていないのに関係が改善されたというケースはよくあるものです。

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自分の考え方や周りの人を変えるのは難しくても、自分の潜在意識の表れである心の眼鏡に気付くだけで、状況が改善される可能性は十分にあるということですね。

――何らかのフィルターをかけて対象を見ている事実に気付くということですね。対象がはっきりしない漠然としたイライラについてはいかがでしょうか。

イライラすると、その原因を「今」に求めてしまいがちですが、実は原因が「今」にあるとは限りません。先程のお姑さんの例のように、過去の出来事が引き金になっていることもあります。イライラすると思ったら、「このイライラはいつから始まったんだろう?」と、気持ちの揺れの出発点を探ってみましょう

次に、出発点に何があったのかを考えます。もしかしたら、生理が不順になって体調が不安定になり始めたのがそのころかもしれませんし、子供が思春期に入って扱いづらくなった時期なのかもしれません。そして、ホルモンバランスの乱れによるものであれば薬を服用したり、子供の成長によるものであれば子供との向き合い方を変えたりといった対処ができますよね。

また、過去でもなく、今でもないイライラは、今後の生活や将来に対する不安によって引き起こされている可能性もあります。特に更年期世代は、更年期に伴う心身の変化を感じて、「これから自分はどうなってしまうんだろう」と心細く思う時期でもありますから、一度未来に目を向けてみると原因が見つかるかもしれません。

「イライラするのをやめよう」「自分の考え方を変えよう」と無闇に自分を鼓舞するのではなく、過去、現在、未来と時系列を追うようにして冷静に原因を見つけて、ケアをするべきところはしっかりケアすることが大切です。

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――最後に、理由のわからないイライラに悩んでいる女性にアドバイスをお願いします。

なぜイライラするのかがわからないまま、自分や他人を変えようとしたり、友達と愚痴を言い合ったりしても、結局は同じことの繰り返しで苦しくなるだけです。一度、落ち着いて自分と向き合い、原因をじっくり探って、根本的な解決を図りましょう。

私たち心理カウンセラーが相談者と向き合うときは、壁打ちの相手になったつもりで心の中にある不安や悩みをいっしょに探っていきます。自分でイライラの原因を見つけるときも、同じように「心の棚卸」から始めてみることをおすすめします。


お話を伺ったのは...

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半澤久恵さん(心理カウンセラー/セラピスト)

大学卒業後、出版社へ入社。体調を崩したことをきっかけに、興味のあった心と体に関わる仕事をするため、アロマセラピーの道へ。サロンでセラピストとして働きながら、整体やアロマスクールの講師も務める。2012年にOAD心理セラピストの資格を取得。現在は自身のサロン「AROHAM」にて心と体にまつわる個人セッションを行うほか、心理学の講師としてセミナーなども開催している。
https://www.aroham-kee.com/

※掲載している情報は、記事公開時点のものです。

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