ついカッとなるのは性格のせいじゃない!わいてくる怒りの整え方

コラム・心地よいわたし

相手の何気ない一言やちょっとした行動ですぐカッとなり、怒りをぶつけてしまう――怒りをうまくコントロールできずに苦しむ人は珍しくありません。その多くが、怒りが鎮まって冷静になってから「つい怒ってしまう自分」を責め、考え方や性格を変えようとするのではないでしょうか。

心理カウンセラーの半澤久恵さんは、「怒りはすべての人が持っている当たり前の感情。自分を過度に責めないで、ねぎらってあげて」と話します。怒りとうまく付き合うために知っておきたい、気持ちの整え方を半澤さんに教えていただきました。

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怒る自分を責めるのではなく、怒る理由に寄り添ってみよう

――そもそも、怒りは良くないものだと思っている人が多い気がします。

怒りを抑制できず、相手にきつい言葉をぶつけて傷つけてしまったり、人間関係がぎくしゃくしたりすると、どうしても「怒り」が諸悪の根源のように思えてネガティブに捉えてしまいがちです。

でも、怒りは人間が持っているたくさんの感情の中のひとつに過ぎません。腹が立つ、むかつくといったマイナスの感情があふれることもあって当たり前。決して悪いものではないんです。

――カッとなることは、誰にでもありますよね。

はい。カッとなって相手にその気持ちをぶつけると、後に怒りに身を任せてしまいやすい自分の性格を責めて落ち込む人がいますが、決して性格のせいではありません。社会情勢や職場でのポジションなど外側の環境によるストレス要素に加え、更年期世代ならホルモンバランスの乱れが影響して、普段は穏やかな人も怒りの感情に悩まされることがあります。

怒りは、何らかの言動に反応して即座に出るものなのでわかりにくいのですが、心情を深く堀っていけば必ず怒りの理由があるはず。そこに意識を向けましょう。

──なぜカッとなるのかを考えるのですね。

そうですね。すぐ怒ってしまう自分を責めて、性格を直そうとしても難しいもの。場合によっては、変われない自分をさらに責める負のループに陥ってしまう可能性もあります。まずは、どうして怒りを感じたのか、自分の心に耳を傾けてケアすることが大切です。

ひとつ、よくある例で考えてみましょう。

仕事で必要な資料を作って、上司に見てもらったとします。すると、上司がそれに軽く目を通して「もう少し工夫が欲しいな」と言ったので、カッとなって反論した。

この場合、上司の一言や態度が怒りの引き金になっていますが、すべての人がこのシーンで怒りを感じるわけではありません。何も気にせず、アドバイスとしてすんなり受け止める人も多いでしょう。

でも、この人は相手の言動に我慢できない怒りを感じたわけですから、何を感じたのかを紐解いていけば、怒りにつながる理由が見つかりそうですよね。

そこで、「どういう気持ちだったの?」と自分に問いかけてみます。

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すると、「前日、遅くまでがんばって資料を作ったのに、努力を踏みにじられた感じがした」「見下された気がして情けない」というように、傷付いた心の声が聞こえてくるはずです。その心の声に、「そうだよね、もっと話を聞いてほしかったよね」と寄り添ってあげてください

こうすることで、怒りの方向に振れていた気持ちを鎮めることができます

自律神経の振れ幅を広げることが、生きやすさのカギ

――怒りを感じてもすぐに切り替えられる人と、怒りを相手にぶつけてしまう人との違いはどこにあるのでしょう。

前回、自律神経には交感神経と副交感神経があり、1日の中の時間帯やシーンに応じてバランスを変えることによって、心身の働きを調整しているとお話ししました。怒りのコントロールにも、この自律神経の働きが深く関わっています。

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失敗を引きずる、気分の落ち込みが続く...気持ちをうまく切り替えるには?

怒りを感じているときは交感神経が優位に働いていますが、しばらくすると落ち着いて、副交感神経に切り替わります。この切り替えがスムーズに繰り返されることで、心身が健康に保たれるんです。

交感神経と副交感神経の振り幅が大きいほど、もしカッとなっても「腹が立つ!でも、ああいう人もいるよな」「嫌な感じ!でもまあいいや」というように、余裕を持って対処できます。

ところが、疲れや体の不調など心身にストレスがかかると、交感神経と副交感神経の切り替えがうまくいかず、活動中に働く交感神経が優位な状態が続くことになります。すると、ちょっとしたことでも怒りを感じやすく、一度カッとなるとなかなか鎮めることができません。

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――自律神経の振れ幅が心の余裕を表しているようですね。

自律神経の振れ幅があるほど、自己調整力が高いともいえます。幅の広い人は気持ちが安定しやすく、幅の狭い人は気分の落ち込みやイライラがなかなかおさまらないことが多いかもしれません

自分の心をリラックスさせ、副交感神経が働く時間を意識的に作りましょう。

自律神経を自己調整して、感情に振り回されない生き方を!

――副交感神経が働くよう、心をリラックスさせるにはどうしたらいいでしょうか。

まず、カッとなっても自分を責めないで、心の言い分を聞く。これだけでも怒りを生む原因を癒やし、自律神経が安定すると思います。

・質の良い睡眠をとる
・好きなことをして遊ぶ
・おいしいものを味わう

など、体と心が心地良いと感じることをいくつか見つけておいて、「乱れてきたな」と思ったら試してみるといいですね。

一人でいる時間が長かった場合は、誰かといっしょにいる時間を作ったり、介護や育児など、自分以外の誰かといっしょにいる時間が長いなら、一人でいる時間を作ったりしましょう。

マイナスの感情がずっと続くのは苦しいもの。怒るときはその感情にあらがわずに寄り添い、その後スッキリとリセットするのも楽に生きるためのコツです。ぜひ、自律神経の調整力を鍛えて、どんな感情も上手に消化吸収できる力をつけてください。


お話を伺ったのは...

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半澤久恵(はんざわ・ひさえ)さん

心理カウンセラー/セラピスト

大学卒業後、出版社へ入社。体調を崩したことをきっかけに、興味のあった心と体に関わる仕事をするため、アロマセラピーの道へ。サロンでセラピストとして働きながら、整体やアロマスクールの講師も務める。2012年にOAD心理セラピストの資格を取得。現在は自身のサロン「AROHAM」にて心と体にまつわる個人セッションを行うほか、心理学の講師としてセミナーなども開催している。
https://www.aroham-kee.com/

※掲載している情報は、記事公開時点のものです。

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