喉の老化は40代から始まる。早めに意識したい「喉トレ」

コラム・心地よいわたし

「最近よくむせるようになった」「声が出しにくい」――こうした現象を感じたら、もしかしたら喉の筋肉が衰えているサインかもしれません。
更年期に入ると、女性ホルモン(エストロゲン)の減少によって筋力が低下しますが、それは喉の筋力も同様です。
今回は、更年期トータルケアインストラクターの永田京子さんに、喉の筋肉が持つ働きや筋力が衰えることで高まるリスク、さらには40代から実践したい喉のトレーニングについて教えていただきました。

喉の筋肉は「話す」「食べる」といった動作に必要不可欠

――喉の筋力も加齢によって衰えるものなのでしょうか。

「筋力の低下」と聞くと、足腰が弱ることをイメージされる方が多いかもしれませんが、全身の筋肉が衰えるのであって、そこには当然喉も含まれます。喉の筋力が衰える原因は加齢のほか、話す機会が少ないなど、口や喉を動かさないことによる筋肉の低下も考えられます

特に、コロナ禍になってからは、以前よりも外で人と話すことが少なくなったので、それらがさらに喉の筋力を低下させている可能性もあるんですよ。

――人と話すだけでも喉の筋力は鍛えられているんですね。

そうなんです。普段からよくしゃべったり、口を動かしたりするだけでも鍛えられているんですよ。

食べる、話すといった口を使う動作には、喉の筋肉がとても重要な働きをしています。ただ、喉の筋肉といっても、食べ物を飲み込むには舌の動きも必要ですし、言葉を発するにも舌や唇の動きが影響するので、実際は喉に加えて舌の筋肉、口周りの筋肉が大切になってきます

――喉の筋力が低下すると、どのようなリスクが高まるのでしょうか?

将来的に危険なリスクとして挙げられるのは、食べ物や飲み物が食道ではなく気管に入ってしまう「誤嚥(ごえん)」です。これがきっかけで発症する「誤嚥性肺炎」は、2020年には日本人の死因第6位となっている(※)ほど、死亡リスクの高い病気といえます。

筋力の低下が進むと、最終的には物が食べられなくなるなど、命に関わるトラブルにもつながりますから、40代のうちから喉の筋力を鍛えておくことは20年後、30年後の生活を左右するといっても過言ではありません。

※厚生労働省「令和2年(2020)人口動態統計月報年計(概数)の概況」より

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喉の老化を表すサインとは?

――喉の筋力維持のために、普段から心掛けたほうがいいことはありますか。

まずひとつは、先程もお伝えしたとおり、よく話したりして口を動かすこと。その際、なるべく大きく口を開閉することを意識するといいと思います。

それから意外と盲点なのが、姿勢です。骨盤が後ろに倒れて顎が上がっていたり、逆に猫背で背中が丸まったりした状態だと、喉の筋肉がうまく使えないだけでなく、誤嚥とまではいかずとも、食べ物や飲み物が飲み込みづらい状態になってしまいます。そのため、正しい姿勢を保つことも、喉の筋肉にはとても重要です。

――喉の筋力が衰えてきていることを表すサインには、どのようなものがありますか。

やはり食事をしているときに、以前よりもむせやすくなったと感じたら、喉の衰えのサインと捉えていいと思います。さらに、声が出にくくなる、口がスムーズに回らない、食べ物が飲み込みづらいといったこともあります。

また、喉の筋力が衰えると、頬の筋肉も落ちてきて老け顔になるなど、美容にも大きく影響するんです。逆に、喉や口周りの筋肉を鍛えておくと、見た目も変わってきますよ。

簡単な「喉トレ」で筋力を鍛えよう

ここからは、喉の筋力を維持するのにおすすめのトレーニング方法を教えていただきましょう。

<おでこ押しトレーニング>

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1. 手のひらをおでこに押し当てる。

2. おへそをのぞき込むように頭を下げながら、手と頭を押し合う。

3. 「2」の状態を5秒キープ。これを5セット行う。

このトレーニングのポイントは、手のひらとおでこをしっかり押し合うことと、目線をおへそに向けること。実際にやってみると、喉にしっかりと負荷がかかる感覚があると思います。

よりしっかり鍛えたい場合は、朝目覚めて起き上がる際にこの動きを取り入れてみてください。まずは頭を上げ、そこから腹筋の力を使って少しずつ上体を起こすようにすると、体幹部の筋肉もいっしょに鍛えられますよ。

<頬押しトレーニング>

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1. 舌で片側の頬の内側を強く押す。

2. 舌で押している頬に手のひらをあて、舌(頬の内側)と手(頬の外側)で押し合う。5秒キープを3セット。

3. 反対側も同様に行う。

押し合っているときに舌の付け根付近の筋肉に負荷を感じたら、きちんと効いている証拠です。手を使わず、舌を動かすだけでも鍛える効果があるので、外出先でマスクをしたまま行っていただくのもいいと思います。

日常生活から話すこと、口を大きく開閉することを意識しよう

――喉トレは、筋力の衰えを感じる前からでもやっていたほうが良さそうですね。

衰えを感じても、喉の筋肉はほかの部位と同じく何歳からでも鍛えられますし、40代のうちから喉トレを行うことで、将来的なリスクを軽減することにもつながります。

喉だけじゃなく、口周りも併せて鍛えたほうがいいので、ドライマウスの予防・改善法の記事でご紹介した「舌のエクササイズ」も行うのもおすすめですよ!

更年期の異常な喉の乾き・口の乾燥...「ドライマウス」の予防・改善法

人と気軽に会って話すことが減っている方が多いかもしれませんが、オンラインや電話などで積極的に話すようにしたり、自宅で歌ったりすることでも喉の筋力の維持には十分有効です。状況に合わせて無理なく取り入れていただければと思います。


お話を伺ったのは...

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永田京子(ながた・きょうこ)さん

兵庫県出身、愛知県小牧市在住。2児の母。東映アカデミーに所属し、役者として舞台やドラマなどで活躍した後、ピラティスや整体、経絡、アロマ、リフレクソロジーなどを学び、ピラティス指導者、産後ケアのインストラクターとしての活動を開始。受講者の声と、更年期障害が悪化して苦しむ母を見ていた経験から、女性ホルモン・更年期の正しい情報と対策を伝えるNPO法人「ちぇぶら」を創設した。「ちぇぶら」は更年期を英語でいう「the change of life」の意。著書に「女40代の体にミラクルが起こる! ちぇぶら体操」(三笠書房)があるほか、先日「はじめまして更年期」(青春出版社)が発売したばかり。

NPO法人ちぇぶらホームページ
YouTube「ちぇぶらチャンネル」

本「はじめまして更年期♡」-min.jpg

はじめまして更年期」(青春出版社)
著:永田京子 定価:1,540円




※掲載している情報は、記事公開時点のものです。

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