高齢出産は高血圧などのリスクが...注意したい「母体の変化」

コラム・心地よいわたし

妊娠した女性の体にはさまざまな変化が起こり、つわりや貧血、便秘といった身体的な症状に悩まされることが多くなります。中でも気を付けたいのが、妊娠20週目以降に起こりやすい「妊娠高血圧症候群」など、母体と胎児に深刻な影響を及ぼしかねないトラブルや病気。特に、発症頻度が高まる高齢出産では、日頃の体のケアと心構えが欠かせません。

ここでは、高齢出産における数々の母体トラブルを見てきたリタさんに、リスクを最小限に抑える秘訣を教えてもらいましょう



【PROFILE】

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リタさん(53歳)

現在は看護師として活躍する元助産師。助産師時代には数多くの出産に携わった経験を持つ、出産のスペシャリスト。産前・産後のママの良きアドバイザーとして、今もたくさんの人たちから相談を持ち掛けられている。



産科合併症のリスクは年齢とともに上がる

リタさんは、出産を控えた義妹のマナさんと、久しぶりにランチへ出掛けました。ところが、マナさんはメニューを前にかなり悩んでいる様子。

リタさん 「今日はずいぶん迷ってるわね。どうしたの?」

マナさん 「実は、このあいだの検診で体重が急に増えて、先生に注意されちゃったんです...」

リタさん 「じゃあ、できるだけたんぱく質や野菜をメインにして、栄養バランスの良いものを食べましょう。付き合うわよ」

マナさん 「母からは、『赤ちゃんの分も食べなさい!』って言われていて...」

リタさん 「それは一理あるわね。産後は夜中の授乳で眠れないこともあり今までどおりの生活とはいかないから、マナさんのように細い女性は特に体力をつけるためにもしっかり食べて体重を増やすことも必要なのよ。特に高齢出産は気を付けなきゃ。どんなリスクがあるのかを教えるわね!」

代表的なリスクは「妊娠高血圧症候群」

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高齢出産でリスクが高まる産科合併症として、よく知られているのが「妊娠高血圧症候群」です。

妊娠中期にあたる妊娠20週目以降に、高血圧もしくは蛋白尿が見られると、妊娠高血圧症候群と診断されます。悪化すると母体や胎児の成長に影響する可能性があるので、高血圧を下げる薬を服用することになるわ。それでも血圧が下がらない、あるいはさらに上がってしまう場合は、入院して母体を管理することが必要になることもあります。

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高齢出産で母体のリスクが高まるのはなぜ?

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では、年齢が上がると、なぜ産科合併症を引き起こしやすくなるのでしょうか。

ひとつは、女性ホルモン(エストロゲン)には血管をしなやかに保ち、内臓脂肪を分解しやすくするなど多くの働きがありますが、30代後半から徐々にエストロゲンが減り、高血圧や糖尿病、動脈硬化、腎臓病といったリスクが高まるからです。元々、血圧が高めの人や、血糖値が高くなりやすい人が妊娠をきっかけに発症するケースも多いため、年齢とともにリスクが高まるのはある程度やむをえないといえるでしょう。

なお、妊娠高血圧症候群については、血縁者に高血圧の人がいる、肥満ぎみである、妊娠後の体重増加が著しい、という人も注意が必要です。

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リスクを最小限に抑えるためにできること

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妊娠高血圧症候群の予防は、妊娠前から規則正しくストレスの少ない生活と、栄養のある食事をバランス良くとる食生活が基本です。カロリーと塩分はできるだけ控えめに。妊娠高血圧症候群では、尿から排出されてしまうたんぱく質を補うこと、体内の余分な水分の排出を促すカリウムを多く含んだ野菜や果物、豆類をとることをおすすめします。



<たんぱく質を多く含む食品>

・肉類 ・魚介類
・卵類
・大豆製品
・乳製品
など

<カリウムを多く含む食品>

・パセリ ・アボカド
・ほうれん草(生)
・納豆
・バナナ
など

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助産師や看護師に相談して適切な体重管理を

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高齢出産にあたっては、コレステロール値や血圧など体の状態を知った上で妊娠・出産に臨むことが大切。妊娠高血圧症候群を発症しやすい妊娠中期は、つわりが治まり、体調が安定して、食べたい物を食べられるようになる時期でもあります。お母さんと赤ちゃんの体のためには、「たくさん食べる」ことより「バランス良く食べる」ことが重要。助産師や看護師のアドバイスを聞いて、適切な体重管理を続けてくださいね。

高齢出産は20代での出産と同じようにはいきません。だからこそ、健康診断を毎年受けて、日頃から自分自身の体を知ることを意識しましょう。



この記事を監修した人

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野村 愛(のむら あい)さん

周産期医療センター勤務後、離島で出産前の妊婦健診、産後のお母さんケアなどを担当。現在は、ミッドタウンクリニック名駅の看護師として活躍中。





ミッドタウンクリニック名駅

IMG_5219.jpg JR名古屋駅徒歩1分。JPタワー名古屋5階、立地・快適性を追求した男女別の健診施設。「女性に優しい」をコンセプトに、女性専用エリアやパウダールームの設置など様々なホスピタリティを用意。女性特有の検査には女性医師・スタッフが対応します。また、外来診療もおこなっているため、風邪などの疾患や身体の不調なども相談可能です。

※掲載している情報は、記事公開時点のものです。

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