睡眠の仕方でやせやすくなるってホント?知っておきたい眠りの効果

コラム・心地よいわたし

女性ホルモン(エストロゲン)の減少によって太りやすくなるのは、更年期の大きな悩みのひとつ。いくらダイエットに励んでも、思ったような効果が得られなくて困っている人も多いのではないでしょうか。
そこでおすすめしたいのが、睡眠の改善です。実は、睡眠と肥満の関係はとても深く、眠りを変えるだけでやせやすくなるほか、更年期の女性にとってメリットがたくさんあるのだとか。

自身も睡眠を改善して15kg以上のダイエットに成功した経験を持つ、睡眠コンサルタントの友野なおさんに、やせやすい体を作る睡眠について伺いました。

睡眠がダイエットに効果的な理由とは?

ダイエットというと、食事制限や運動をしなければいけないイメージがありますが、睡眠と肥満には密接な関係があるといいます。

「スタンフォード大学が行った研究によると、睡眠時間が6〜7時間の人は肥満率が低く、それより短くても長くても肥満率が高いことがわかりました。こうした研究は、国内外のさまざまな機関で行われていて、やせやすい体づくりに睡眠が重要であることは立証されているんですよ」

睡眠時間の長さによって肥満率が変わってくるのは、どうしてなのでしょうか。

「睡眠がダイエットにつながる一番の要因は、ぐっすり眠ることで食欲のコントロールができるようになるためです。先程のスタンフォード大学の研究では、睡眠時間が5時間の人は8時間眠っている人に比べて、グレリンという食欲を増進させるホルモンが約15%増えるだけでなく、レプチンと呼ばれる食欲を抑制するホルモンが約16%減少することが報告されています。

ホルモンレベルで食欲が刺激されるので暴飲暴食に走りがちになるほか、甘い物や脂っこい物が食べたくなるといった傾向も強まります。

また、きちんと眠れていないと日中の活動意欲もわいてこないので、本来なら活動することで消費されるエネルギーが消費されず、肥満につながっていくこともあります」

実は、友野さん自身も、かつて睡眠を改善したことによって大幅に減量した経験があるそうです。

「20代の終わり頃に心身の不調に苦しんでいて、今より15kg以上太っていました。思い返すと、当時はよく夜中に暴飲暴食をしていましたね。それが、心と体の健康のためにと睡眠を見直したところ、体調が良くなるだけでなく、気付いたら暴飲暴食することもなくなっていて...。

半年で-7kg、1年で-10kgと、自然と体重も落ちていき、その後-15kg以上になりました。太りやすいタイプだったのですが、2人の子供を出産した後も、その状態をキープできています」

更年期の眠りは「寝入りの3時間」がポイントに

エストロゲンが減少するため、太りやすくなる更年期世代。睡眠によってやせやすい体を作るには「深夜0時から朝6時を含む7時間睡眠が理想」と友野さんはいいます。
ですが、更年期の女性たちは日々の慌ただしさから、7時間の睡眠を確保するのが難しいと同時に、ホルモンバランスが乱れることに起因する睡眠トラブルを抱えている人も少なくありません。

さまざまな要因で十分な睡眠を得にくい更年期には、「睡眠の長さより、質を上げることを意識するのが大切」とのこと。特に、「寝入りの3時間」を深く眠ることで、睡眠の満足度は高まるといいます。
そのためには、次の3つのことを意識しましょう。

<こちらもCHECK>
更年期の睡眠は「量」より「質」にフォーカスしよう


3つの「首」を温める

スムーズな入眠のためには、手首・足首・首の3ヵ所が温まっていることが重要です。

中でも、筋肉の少ない足首は熱の産生が少ないため、一度冷えてしまうとなかなか温まりません。お風呂から出たら、すぐに薄手のレッグウォーマーをはいて、熱が逃げないようにしましょう。同じように、手首にポイントウォーマーをつけたり、首には市販の温熱シートを貼ったりして、冷えないようにしてください。

更年期症状が重い方は、その症状の前触れとして手足の冷えがあります。できれば寝る前だけでなく、昼間のうちから温活を取り入れると、結果として良質な睡眠につながるでしょう。

pixta_86150681_M-min.jpg


寝る3時間前までに夕食を終える

私たちは、内臓の温度が下がることで眠くなります。寝る直前に食べると、それを消化するために内臓の温度が上がるので、いい睡眠を遠ざけてしまうことに。スムーズな入眠を促すには、夕食は寝る3時間前までに食べ終えるようにしてください。

ただ、寝るときに空腹すぎても、いい睡眠は得られません。眠れないほどの空腹を感じた場合は、とろみのある温かい飲み物など、胃に負担をかけない物を少量とるのがおすすめです。

pixta_85532805_M-min.jpg


寝具に気を配る

睡眠の質には、寝具も大きく影響します。枕は高すぎたり低すぎたりしないか、マットレスの硬さは体に合っているかなどを、一度確認してみてください。
また、睡眠中は20〜30回くらい寝返りを打つといわれています。ルームウェアやジャージは寝返りの動きを妨げるので、きちんとパジャマを着て眠ることも大切です。

<こちらもCHECK>
更年期もぐっすり眠るために。質のいい睡眠をとるための環境づくり

pixta_80567223_M-min.jpg

「更年期の自分」を客観視することも大切

「食べる量は変わっていないのに太ってしまう」「何をしてもやせない」と、悩む人も多い更年期世代にとって、睡眠を見直すことはダイエットの近道といえます。ですが、うまく睡眠がとれないことで、イライラしてしまうのは逆効果。

「うまく睡眠がとれなくても、どうしようと焦るのではなく、『自分は今そういう時期なんだ』と客観視することが、すごく大切になってきます。エストロゲンの減少の影響を受ける更年期は、感情のコントロールがきかずにイライラしたり、不安感が募ったりするのは当然のこと。だからこそ、自分なりのリフレッシュ法やストレス発散法を、小さなことでもいいからたくさん持っておくといいと思いますね。

眠ることだけにフォーカスするより、起きている時間に自分をケアしてあげると、それが結果的にいい睡眠や心身の健康につながっていくのでおすすめです」

<こちらもCHECK>
気持ちの浮き沈みはあって当たり前。更年期の心の揺れに対処する方法

「歳を重ねた女性が無理なダイエットを行った場合、ゲッソリとした見た目になってしまうこともありますが、睡眠によるダイエットはそれがないのも魅力」と友野さん。

「睡眠はダイエット以外にも、肌の調子が良くなったり、便秘が改善されたり、日中の活動意欲がわいてきたりと、更年期世代の女性にとってうれしい効果がたくさんあります。ダイエットだけでなく、体の不調を抱えている方は、睡眠の改善に取り組んでみてください」


お話を伺ったのは...

友野なおプロフィール画像-min.JPG

友野なお(ともの・なお)さん

睡眠コンサルタント。自身が睡眠を改善したことにより、15kgのダイエットと重度のパニック障害の克服、体質改善に成功した経験から、睡眠を専門的に研究。日本公衆衛生学会、日本睡眠学会、日本睡眠環境学会の正会員。行動療法からの睡眠改善、快眠を促す寝室空間づくりを得意とし、全国での講演活動、企業の商品開発やコンサルテーション、執筆活動などを行う。
公式サイト

※掲載している情報は、記事公開時点のものです。

RELATED ARTICLE関連記事

WHAT'S NEW新着記事

    CATEGORYカテゴリー

    大人女性の心と体の悩みにドクターが回答 withドクターズ READ MORE