年齢が出る「首のしわ」。その予防法と改善法とは?

体の部位の中でも、わかりやすく年齢が出てしまうパーツのひとつが「首」。どれだけ顔のお手入れやメイクをしっかりしていても、首のしわが目立つだけで、一気に老けた印象を与えてしまいますよね。

そこで、東京ミッドタウン皮膚科形成外科ノアージュの上島朋子院長に、加齢によって首にしわができやすい理由や予防法のほか、できてしまったしわを薄くする方法について伺いました。

気付いたら首にしわが...原因は!?

――首にしわができてしまうというのは、どういったことが原因になるのでしょうか?

首のしわは、細かい縦じわと、大きな横じわがあります。縦じわは、おもに乾燥や首の筋肉の衰え、紫外線による光老化などが原因です。一方の横じわは、うつむき姿勢や高い枕を使う習慣によって目立ってくるものと考えられています。

枕が高すぎると、頭部が上がってあごを引く状態になるため、首にしわが寄りやすくなるのですね。それが毎日寝る度に...と考えたら、しわができるのも当然。

そのため、高すぎる枕で寝ている人は要注意です。仰向けになったときに、なるべく立っているときの姿勢が保たれる高さの枕を選ぶようにしましょう

――いつの間にか首にしわができていたというのは、そういった普段の何気ない行動による面も大きいんですね。

そうですね。また、首のしわはストレートネックの人にできやすいともいわれています。ストレートネックは、いわゆるうつむき姿勢のこと。パソコンやスマートフォンの画面を見る際に、頭部が体よりも前に出ている状態を指します。

そのような姿勢を長時間続けることで、首にできたしわが肌に記憶されてしまうだけでなく、しわを深くする原因にもなります。

――首にしわができないようにするためには、どういったことに気を付けるべきでしょうか。

今お話したような、首のしわの原因になりそうなことを日頃から避けるようにするといいですね。

具体的には
・紫外線が強い時季は首までしっかりと日焼け止めを塗る
・きちんと保湿を行う
・枕の高さを見直す
・長時間下を向かないようにする
といったことが対策になります。このようなことに気を付けるだけでも、ずいぶん違うと思いますよ。

自宅でできる簡単セルフケアとは?

――首のしわを自分でケアする方法はありますか?

首用のクリームを用いてマッサージする方法をご紹介します。できてしまったしわを改善し、将来より深いしわになるのを予防する効果があります。

マッサージは正しい姿勢で行うことが大切。まずは姿勢を正して、頭のてっぺんをひもで引っ張られているようなイメージで背筋を伸ばし、その状態で肩の力をストンと抜きましょう。

続いて、首から背中に広がっている僧帽筋(そうぼうきん)という筋肉をほぐします。耳の後ろから背中にかけて、反対側の手で軽く押しながら動かします。左右それぞれ行ってください。

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実は首にしわができやすい人は、肩こりがある場合が多いのです。そのため、マッサージの前にしっかりとこりをほぐしてあげることが大切ですよ。

――そうすることで、よりマッサージの効果が上がるんですね。

そうです。その後、クリームを手に適量とり、手のひら全体に伸ばしてから首のマッサージを行います。

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1. 首の根元からあごに向かって、下から上へと優しく手を動かします。

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2. 耳の下から鎖骨に向かって上から下へ、リンパを流す感覚で動かします。

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――マッサージは、できてしまったしわにも有効なのでしょうか?

マッサージをすることによって首の皮膚に弾力やハリが戻り、しわを目立たなくする効果が期待できます。また、早いうちからこういったセルフケアを行っていただくことで、ある程度の予防にもなると思いますよ。

どうしても薄くしたい首のしわは、クリニックで治療

――セルフケアをしても首のしわが気になるという場合は、クリニックでの治療も可能なのでしょうか?

はい。しわの種類に応じて、さまざまな治療があります。

細かい縦じわに即効性があるのは、「ノアージュ式水光注射」です。ヒアルロン酸を中心とした美肌保湿成分を、肌の表面の層に極細の針で注入します。極細なので痛みもわずかで、出血などもほとんどありません。

肌に潤いやハリが生まれ、しわが目立たなくなる上、治療後の肌がみずから修復しようとする作用も加わります。繰り返し施術すれば効果が持続しますよ。

――表面のしわだけでなく、たるみも解消できるアプローチはありますか?

その場合は、肌の深部から浅い層にかけて全層の治療を行います。

まずは皮膚の最も深い部分にある、筋肉を覆う筋膜に作用するウルセラという治療から。これは皮膚の土台を整える働きがあり、半年~1年に一度、たるみ対策の治療としておすすめしています。

次に、タイタンとジェネシスという2種類の治療器を使って、皮膚の2番目の層である真皮の弾力性を回復させます。これを定期的に行っていくと、傷んでいたコラーゲンが再生して、肌にハリが出てくるんですよ。

これらはいずれも、適度な熱を皮膚の奥に送って、ご自身の組織を再構築させるように仕向ける治療。深い部分と浅い部分、両方にバランス良く効果が出ると、自然なリフトアップが起こります。

――首のしわは顔などに比べると気付きにくく、いつの間にかできていたということが多いと思います。そんなときでもあきらめずにセルフケアをしたり、クリニックに相談したりすることが大切なんですね。

そうですね。クリニックでの治療の場合、お悩みやご予算に合わせての施術もできますので、まずは気軽に相談していただければと思います。


トモコ先生の診察を受けられる施設はこちら
東京ミッドタウン皮膚科形成外科ノアージュ


SUPERVISERこの記事を監修した人

上島先生

PROFILE

上島 朋子 (かみしま ともこ) 医師

医学博士
専門分野:皮膚科

1992年新潟大学医学部卒業
東邦大学医学部大森病院、栃木県立がんセンター、財団法人鎌倉病院皮膚科部長を経て2016年より東京ミッドタウン皮膚科形成外科ノアージュ勤務、神奈川美容外科クリニックでは10年間非常勤医師として勤務、2018年5月よりノアージュ院長に就任。病理学の研究を経て皮膚科医になった経歴から、「肌」という繊細な臓器をしっかりと見つめ治療・施術を提供することをモットーとする。「肌の健やかな美しさ」にこだわり、疾患の治療から先端美容医療、そして再生医療の研究まで手がける。

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※掲載している情報は、記事公開時点のものです。
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この記事は、働く女性の医療メディア
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