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平野ノラが語る42歳でのリアルな高齢出産|バブリーな体と心の整え方(前編)

「OKバブリー!」のフレーズでおなじみ、バブリーな芸風で日本中を明るく照らす平野ノラさん。2021年、42歳での出産は大きな話題を呼びました。「年齢なんて関係ない」とパワフルに突き進む彼女ですが、その裏には想像を絶する出産の痛みや「回復しないまま走り続ける」リアルな育児の姿がありました。
本記事では、高齢出産を経験した平野ノラさんだからこそ語れる、綺麗事抜きの体と心の整え方を独占インタビューしました。40代からの妊娠・出産に迷う女性たちの背中を強く、そしてそっと優しく押す、そんな愛と勇気の「ノラ流メッセージ」をお届けします。

お笑いタレント

平野ノラ

42歳で迎えた「バブリー」な高齢出産。不安を吹き飛ばすノラ流マインドとは

平野ノラさんが、母としての新たなステージに立ったのは2021年。42歳で愛娘「バブ子」ちゃんを出産しました。一般的に「高齢出産」といえば、体力面や医学的なリスクなど、どうしても不安がつきまとうもの。しかし、彼女は持ち前の「バブリー」なマインドと独自のスタイルで、その壁を軽やかに乗り越えてきました。
母となっても変わらぬパワフルさと、隠さない等身大の育児姿は、同世代のママたちにとって大きな希望です。平野ノラさんが直面した「想定外のリアル」と、不安を喜びへと変える「自分を信じ抜く力」について、包み隠さず語っていただきます。

「まさか私がママに!」平野ノラさんが語る、妊娠・出産前のリアルな心境

41歳で妊活を始め、42歳で妊娠がわかった平野ノラさん。一般的には高齢出産と呼ばれる年齢での妊娠ですが、そこに迷いや不安はあったのでしょうか? 「まさか」というよりも「ついに来た!」----。そんな彼女の力強い言葉から、40代での妊娠・出産に対する独自のメンタルを伺いました。

「不安は一切なかった」。42歳での自然妊娠と、夫と決めた"1年限定"の妊活ルール

「高齢出産」というと、体力面やリスクなど、どうしても不安が先行してしまいがちです。改めて42歳で妊娠がわかった時のお気持ち、喜びと不安どちらが大きかったでしょうか?

ノラさん
もう全然不安とかは一切なく、本当に計画して『そろそろ来るな』って、むしろちょっと遅かったなっていうぐらい。確信を持って妊活に取り組んでいたので、『あ、来ました! やりました!』っていう喜びはもちろんありましたけど、不安っていうのはほとんどなかったですね。

温活を中心に妊活をされていたとのことですが、クリニックでの治療を選ばなかった理由は何かありますか?

ノラさん
「まず自分で自分の体にできることを、旦那さんともちゃんと話し合いました。1年間取り組んでそれでダメだったら、その時にクリニックに行くのか、治療をするのかという選択肢を考えようと思っていました。クリニックで数字とか出されて悲観的になるよりも、まず自分たちで何ができるかっていうところに立ち返った時に、やっぱり冷え性だったので温活をして、体の調子を整えるっていうところから始めました。」

妊娠前に「高齢出産」ということに対して、どういうイメージを抱いていらっしゃいましたか?

ノラさん
特に、高齢出産に対してのイメージがそんなになかったですね。自分が子供を産もうかなと思った時が、もう「これが高齢出産なんだな」という感じでした。 そもそも自分がそろそろ産もうかなって思ったのが39〜40歳くらいで、その前まで仕事を頑張ってきて、経済面のことや精神的なことが整ったのがそのくらいだったんです。
このままトライしなかったら、45歳の時に後悔するかもなって。 ただ、うちの母(スーミー)が22歳で私を産んでるんです。スーミーがすごく元気でいてくれて、それはやっぱり早く産んでいるからかなと思います。自分が42歳とかで産んでいると、育てる体力はきっと大変だろうなっていうのはありました。

出産後の体力に関しては不安があったということですが、お仕事とか精神面での不安はありましたか?

ノラさん
不安というよりは、「仕事は絶対に続けたい」っていう希望がすごくありました。 でも実際は出産後2ヶ月に復帰するんですけど、復帰してからの方が「精神的にもうちょっと娘のそばにいたいし、体力的にもつらいし、子供がすごいスピードで成長するのでこのペースで働いている場合じゃないなってなりましたね。 本当はもっとバリバリ働いて、すごい元気で体を元に戻して、うまいこと働きたいって思っていました。帝王切開で傷は痛いと感じながらも、子どもは思いのほかものすごいかわいいし。「あ、これ働いてる場合ではないな」みたいな気持ちの変化があって、会社とその都度話し合って、バランスを少しずつその場でとっていったという感じですね。

やっぱり、本当に生まれてからじゃないと分かんないですもんね。

ノラさん
本当にそのバランスを図りながらですね。でも用意周到に準備して、例えば旦那さんの育休を1ヶ月取ってもらったり、私が働いてもちゃんと旦那さんがお世話できるようにやっていました。 なるべくスーミーにはご飯や家の掃除をお任せして、子供のことはなるべく私と旦那さん、とにかく覚えてもらうっていう、私は働いてもちゃんと旦那さんが育児できるようにちゃんと計画はしてました。

高齢出産というと、やはりどうしても体のリスクとかがあると思いますが、そのような不安やリスクに対してご準備はしましたか?

ノラさん
そういう不安を一切持たないというスタイルなので、特にしてないです。起きてないことを考えてもしょうがないですし、不安でいるともっと不安になって負の連鎖になってしまいます。
「元気で産む!」みたいな、そういう気持ちで今しかない妊娠生活を楽しもうという感じでした。 高齢出産だけど産むことは決まっているし、悪い方に考えても仕方ないので、不安を抱えている状態ではいちゃいけないという気持ちはありましたね。

20代30代とは違う40代ならではの妊娠出産することへの期待や楽しみはありましたか?

ノラさん
自分の人生において、子どものせいにするようなことはまずないですよね。「本当はやりたかったのに子供を産まなきゃいけない」とか、そういうことはなく、自分の人生に対してやることはやって、今子どもを産める自分でいる。メンタル的にも環境面でも整っているなと思います。 20代の私だったら多分自分のことが一番大事だった気がするんですよ。でも40代になり、色んな事が分かったり、許せたりして、感情的になる前に待てたりとか、育児を学んだり準備をしたりとか、そういう余裕があるのが40代なのかなって思いますね。

食べづわりで20kg増! 医師に怒られても貫いた「ノラ流・ストレスフリー妊婦生活」

妊娠中はお体の面だったりとか、辛いこともあったと思います。体調の変化に関してはどういった点が辛かったですか?

ノラさん
「食べづわり」が辛いなという感じでしたけど、でも結局食べて何とか解消しました。だから20キロ太ったんですけど(笑)。
それよりは「妊娠中にしかできないことリスト」を私が作って、それを片っ端から叶えていたのでめちゃくちゃ楽しかったです。 例えば、三つ星レストランでご飯を食べに行くとか、劇団四季のキャッツを見に行くとか。自分のアルバムを整理するとか。会いたい人に会って、マタニティーフォトも撮ったりもして。
それを全部リストアップして叶えていました。食べづわりで20キロ太ったけど、半年ぐらいで安定してきてからは本当にそういうことを実践して楽しんでましたね。

やりたいことリスト」を全消化。排卵日は"ムーディーな照明"で演出!?

他に例えば食事とか運動とかで、妊娠中にこういったことをポジティブにやっていたよみたいなエピソードはありますか?

ノラさん
妊娠中は割と温活を引き続きやってましたね。逆子にならないようにお灸して、常に温めてました。 あとは、とにかくストレスをためずに食べたいものを食べてましたね。「20キロ太るんです」って検診で先生にも毎日怒られるんですけど「絶対ストレスを溜めない! 天国にいる私は!」と思って(笑)。 食べて、温めて、本当に自分の体のケアだったりっていう感じで過ごしてましたね。

芸能活動をしながら妊活をするという、その両立とかっていかがでしたか? どう管理されてましたか?

ノラさん
リストじゃないですけど、やることがたくさんあったので、それを一個ずつ片っ端から実践しました。 悩んでる暇があったらもう実行しないと、チャンスがどんどんなくなっていくので。ただ夫婦の間では「1年間頑張ってみよう」というゴールを決めていたので、それがないと辛いかもしれないですよね。
お互い高齢なので、1年間頑張って旦那さんとも話し合って、できることを全部一緒にやっていました。私だけ頑張るんじゃなくて、旦那さんにもマカと亜鉛を摂取してもらったり。
あとぶっちゃけて言うと、同棲期間が長いので、正直数も打てないしそうゆう雰囲気にならない(笑)。だからムーディーな曲やライトをセッティングしたり場所を変えたり、食事の後がいいかとか前がいいかとか、恥ずかしがらずに聞いて、排卵日の 3 日間をめがけて出来る事はすべてやりました。

【後悔】産後の記念写真は「全トリミング」。アプリでも修正不可能だった"20kg増の現実"

今振り返ってみて「これやっておくべきだったな」と思い当たることはありますか?

ノラさん
同じ場所で同じ洋服を着て、娘の写真を撮ればよかったなって思ってます。 あと、一枚でも小奇麗にした自分と赤ちゃんのツーショットを撮っておけばよかったと思ってます。 実際は、自分に構う余裕がなくて、髪もボサボサでノーメイクです。さらに妊娠で20kg増えた体重は産んでもすぐには戻らず、むくみも酷い状態で......。「写真はアプリで加工すれば何とかなる」と高をくくっていましたが、アプリの修正能力を遥かに超えるひどさでした(笑)。
看護師さんが気を利かせて撮ってくれても、直視できないレベルでしたね。 SNSでよく見る出産直後でも完璧な「仕上がり」で映っている若いママとは雲泥の差で(笑)。 結局、赤ちゃんと写っている当時の写真は、ひどすぎて自分の顔部分をすべてトリミング(切り取り)してしまっているんです。

という、笑い話のようでいて、実は壮絶な身体のダメージを物語るエピソードで締めくくられた今回。しかし、平野ノラさんの「高齢出産」のリアルは、産んだ瞬間からさらに加速していきます。
続く後編の記事では、 病棟ですれ違った「涼しい顔の若きギャルママ」と「ゾンビのように歩く自分」との衝撃的な対比、そして襲いかかる「高齢出産後の疲労」の正体についてお話をまとめました。 綺麗事だけでは語れない、産後の奮闘記を余すところなくお届けします。

ぜひ、続けてご覧ください。

【後編の記事へ続く】
平野ノラが語る42歳でのリアルな高齢出産|バブリーな体と心の整え方(後編)


SUPERVISERこの記事を監修した人

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平野ノラ

平野ノラ

お笑いタレント

1978年生まれ、東京出身。ワタナベエンターテインメント所属。31歳で本格的に芸人の道に進み、肩パッドにバブルメイクで昭和の空気を再現した"バブリーネタ"で大ブレイク。近年はテレビ出演はじめ、バレーボール教室、片付け本の執筆など多彩に活動し、42歳で第一子を出産。家庭と仕事の両立を自然体で楽しむ等身大の姿が、多くの共感を集めている。

※掲載している情報は、記事公開時点のものです。
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