逆流性食道炎は何が怖い?症状や治し方について

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近頃、話題になっている「逆流性食道炎」。高齢者がなりやすいといわれていますが、過食の方やストレスの多い方、太っている方など、若い人のあいだでも増えているそうです。

今回は、東京ミッドタウンクリニックの消化器内科医師・古川真依子先生に、逆流性食道炎の症状や治療法、そして日常生活でできる予防法について教えていただきました。

若い人も要注意!逆流性食道炎の症状とは?

――逆流性食道炎とは、どのような病気なのでしょうか?

逆流性食道炎とは、胃酸が逆流して食道に上がってきてしまうことによって、食道に炎症が起きてしまう状態のことをいいます。

胃酸は食べ物やストレスによって分泌される、非常に酸性度の高い分泌物。通常は酸に強い胃の中に収まっているので問題ないのですが、胃の上にある食道は、ものすごく酸に弱いんです。

――なぜ、本来は胃の中にあるべき胃酸が食道に逆流してしまうのですか?

胃と食道のつなぎ目には「下部食道括約筋」という筋肉があって、正常であれば、これが胃酸の逆流を防いでいます。しかし、加齢によってその筋力が低下すると、どうしても逆流しやすくなってしまうんです。

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こう言うと、お年を召した方の病気と思われるかもしれませんが、生活習慣や体型などによって、若い方でも胃酸の逆流は十分起こりえます

――どういった方に起こりやすいのでしょうか?

おもに考えられる原因はいくつかあります。

・早食い、大食いの方
・太りぎみの方
・食べた後、すぐに横になった場合
・アルコールをよく飲む方
・便秘がちな方

早食い、大食いの方は胃酸の出るスピードも速く、胃も一気に膨らみますので、胃酸が逆流しやすくなります。太りぎみだったり、食べてすぐ横になったりする方は、胃が圧迫されるので逆流が起こりやすいです。さらに、アルコールを飲むと筋肉が緩むので、下部食道括約筋の機能が低下する原因にもなります。

そして、便秘がちというのは一見関係ないように思えますが、胃と腸はつながっています。腸が詰まっていると、食べた物が排出できずにどんどん上に重なっていくほか、腸の中で発生したガスの行き場がなくなり、上から出そうとした際に逆流を起こすことがあります。

逆流性食道炎の治療法とは?放っておくと食道がんのリスクも

――クリニックに診察に来られる方は、どういった自覚症状をお持ちですか?

一般的なのは、胸がムカムカするといった胸やけですね。それから、みぞおちのあたりにシクシク、チクチクといった痛みを感じる方もいらっしゃいます。胃酸は、食後はもちろん、空腹時や強いストレスを感じたときにも出るので、そのときに症状を感じる人も多いですね。

このほか、逆流がひどいとのどの痛みや咳き込みなど、食道以外の部位にも症状が出たりします

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――受診の際はどのような診察、治療を行うのでしょうか。

ほとんどの場合は、問診によって診断します。そして、まずは胃酸の分泌を抑える薬を飲んでいただき、症状の経過を見ていきます。

薬を飲むとだいぶスッキリすると思いますが、胃酸の逆流自体をなくすものではありません。そのため、生活習慣なども併せて見直していただく必要があります

――症状がたまにしか出なかったりすると、つい我慢をしてしまうこともあると思います。逆流性食道炎を放っておくと、どんなリスクがありますか?

確かに一時的な食べすぎや体調不良、ストレスなどによっても起こるものなので、必ず薬を服用して治療する必要があるかといえば、そうではないこともあります。ただ、慢性的に症状が出る場合は食道がんのリスクが高まるため、放置しないほうがいいでしょう。

また、胃酸の逆流は歯が弱る原因にもなります。放っておくと虫歯や口臭など、口の中の環境まで悪くなってしまうリスクもあるので、やはりなるべく早い段階での治療をおすすめしたいですね。

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胃酸の逆流は生活習慣の見直しで改善可能

――逆流性食道炎を防ぐためのセルフケアとしては、どういったことが必要でしょうか。

一度緩んでしまった下部食道括約筋を、元に戻すことはできません。ただ、大食いや早食いをやめる、胃酸の分泌を増進するアルコールやカフェインは控えるなど、胃酸の逆流が起きやすい生活習慣を心掛けることでもだいぶ改善されると思います。

食事をするときは腹八分目で、ゆっくり噛んで食べることも意識してください。

――男女によって逆流性食道炎になりやすい、なりにくいということはあるのでしょうか。

逆流性食道炎は、年齢、性別に関係なく起こります。あるとしたら、生活習慣の違いによるもので、男性はどうしても女性と比べて食生活が乱れがちなので、患者さんの数は多いかもしれませんね。

一方、女性の場合は生理周期が原因になることも。生理前に便秘になったりすると、そのときに症状が出るケースがあります。便秘やお腹が張っているときに胸やけ、みぞおちの痛みなどを感じる場合は、胃酸の逆流が起きている可能性が高いですね。

なので、症状がどんなときに現れるかを、日頃からチェックしておくといいでしょう。


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東京ミッドタウンクリニック


SUPERVISERこの記事を監修した人

古川先生

PROFILE

古川 真依子 (ふるかわ まいこ) 医師

医学博士/日本内科学会 総合内科専門医、日本消化器病学会 消化器病専門医、日本消化器内視鏡学会 消化器内視鏡専門医・指導医、日本消化管学会 胃腸科専門医、日本ヘリコバクター学会 ピロリ菌感染症認定医 、日本カプセル内視鏡学会 カプセル内視鏡認定医、日本人間ドック学会 人間ドック認定医
専門分野:消化器内科・内科

2003年東京女子医科大学卒業
東京女子医科大学附属青山病院消化器内科で医療錬士として関連病院等にて診療にあたり、2008年帰局後は助手として指導にも尽力。2013年より東京ミッドタウンクリニック勤務。胃がん・大腸がん・腫瘍など消化器系の疾患だけでなく、便秘や産後の痔など女性ならではの悩みにも詳しい。

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※掲載している情報は、記事公開時点のものです。

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