吐き気がなかなかおさまらない...そんなときに考えられる原因とは?

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急な吐き気や、なかなかおさまらない吐き気に悩む人は少なくありません。公共の場や食事の場などで、もし吐き気を催したらどうしよう...と、不安に駆られた経験がある人もいるのではないでしょうか。
吐き気が起こる理由はさまざまですが、ILACY世代では更年期が引き金になっていることもあり、きちんと原因を見極めた上で適切な治療をすることが重要です。

今回は、40代以上の女性に多く見られる吐き気の原因とその対策について、東京ミッドタウンクリニックの消化器内科医師である古川真依子先生に伺いました。

胃カメラをすれば、原因が器質性か機能性かを判断できる

――吐き気を訴えて受診した場合、どのように原因を見極めるのでしょう。

吐き気の原因はひとつではありません。「吐き気がある」という主訴で受診された患者さんに対しては、まず問診で生活スタイルや吐き気の起こるタイミングを伺った上で、基本的には胃カメラを受けていただきます。

胃カメラの所見を見て、重大な病気の可能性を排除し、器質的な病変(※)があるか否かを見た上で診断していくという流れですね。

問診の段階で、「食後の腹部膨満感」や「食欲はあるのに、食べると吐き気に襲われる」といった機能性胃腸障害の顕著な症状がある場合は、胃カメラは省略して治療に移ることもあります。

※器質的な病変...特定の器官に病変を見いだすことができる状態にあること。

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――見た目でわかる病気がないのに症状があるときや、症状の出方に特徴がある場合は、器質的な異常ではなく機能性の障害(※)を疑うということですね。

※機能性の障害...「器質性」とは対照的に、特にどの器官にも病変はないが症状・障害が起こっていること。

お話をお聞きしていて、何らかの強いストレスを抱えている方や、神経が細やかで非常に繊細な気質がうかがえる方に対しても、問診の段階で機能性胃腸障害を想定して治療を選択することがありますね。

その場合は、胃の運動機能が低下しているのであれば胃腸の働きを促進させるお薬、胃酸が出すぎているようなら胃酸を抑える薬といったように、症状に応じたお薬を処方して効果の有無から治療法を変えていく、診断的治療で疾患を特定させることになります。

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――更年期世代では、更年期障害による吐き気の可能性もあると聞きました。

吐き気は、更年期障害の代表的な症状のひとつです。ホルモンバランスが乱れることによって自律神経も乱れ、胃腸の働きを鈍らせると、ガスや食べ物の通りが悪くなって、吐き気につながります

一方、いわゆる月経前症候群(PMS)で吐き気が起こる人がいるように、女性ホルモンそのものが吐き気を引き起こしている場合もあるかもしれません。その場合は婦人科領域の問題になるので、診療科をまたいだ治療が必要ですね。私も、患者さんの状態に応じて婦人科の先生のアドバイスを求めたり、連携して治療したりしています。

「生活に支障をきたす不快感」が病院を受診する目安

――器質的な障害による吐き気には、どのようなものがあるのでしょう。

見た目でわかりやすいのは、逆流性食道炎、慢性胃炎などですね。酸っぱい物や苦い物が上がってくる感じとともに吐き気がするときは逆流性食道炎が疑われますから、胃酸の分泌を抑制するお薬を処方して経過を観察します。ちょっとした不快感なら、市販薬で様子を見てもいいでしょう。

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ただ、慢性的に市販薬を飲み続けたり、自己判断で量を増やしたりすると、早期の胃がんなど重大な病気のサインに気付くのが遅れるというリスクがあります。症状が長引くようなら、必ず医療機関を受診しましょう。

慢性胃炎は、そのほとんどがピロリ菌の感染によって引き起こされることがわかっています。更年期世代になるとピロリ菌がいない方も多いのですが、早めに検査をしてピロリ菌の有無を確かめ、発見されたら速やかに除去しておきたいですね。

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――昔と同じような物を食べているのに、最近になってなんとなく胃がむかついたり、吐き気がしたりするようになったという場合、やはり年齢的なものが原因なのでしょうか。

年齢を重ねると、消化器の機能も少しずつ衰え始めます。若いころと同じように脂っこい物などを食べて、食後に吐き気を感じるようになったという場合は、加齢に伴う胃の不調を疑うのが自然でしょう。

自分の体と向き合いながら、今の自分に適した食事を探していけるといいですね。また、飲み物を飲むとおさまる、リラックスして横になるなど、「吐き気がきそうだな」と感じたときの自分なりの対処法を見つけるのもおすすめです。

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――病院に行って、きちんと診断してもらえれば安心しますし、対処法も見つかりやすいですよね。吐き気に関して、病院に行く目安があれば教えてください。

「食べすぎ・飲みすぎの自覚がないのに食事がおいしく食べられない」「あまり食べていないのにおなかがすかない」など、生活に支障をきたす不快感が受診の目安ですね。

検査をすれば、器質性のものか機能性のものかという診断がついて治療につなげられますし、場合によっては問診でお話を伺うだけで病名の推測がつくこともあります。繰り返す吐き気やおさまらない吐き気にお悩みの方は、ぜひ一度病院を受診してください。


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東京ミッドタウンクリニック


SUPERVISERこの記事を監修した人

古川先生

PROFILE

古川 真依子 (ふるかわ まいこ) 医師

医学博士/日本内科学会 総合内科専門医、日本消化器病学会 消化器病専門医、日本消化器内視鏡学会 消化器内視鏡専門医・指導医、日本消化管学会 胃腸科専門医、日本ヘリコバクター学会 ピロリ菌感染症認定医 、日本カプセル内視鏡学会 カプセル内視鏡認定医、日本人間ドック学会 人間ドック認定医
専門分野:消化器内科・内科

2003年東京女子医科大学卒業
東京女子医科大学附属青山病院消化器内科で医療錬士として関連病院等にて診療にあたり、2008年帰局後は助手として指導にも尽力。2013年より東京ミッドタウンクリニック勤務。胃がん・大腸がん・腫瘍など消化器系の疾患だけでなく、便秘や産後の痔など女性ならではの悩みにも詳しい。

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※掲載している情報は、記事公開時点のものです。

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