40代女性に多いお悩み「なぜか会社に馴染めない」を紐解く方法とは?

コラム・心地よいわたし

更年期による心身の不調や家族関係の変化が重なる女性の40代は、キャリアの転換期でもあります。キャリアアップのために転職を考える人もいれば、実績が認められてより高いポジションへ昇進の声がかかる人、子育てが一段落して職場復帰を目指す人もいることでしょう。

そうした女性たちの多くが「なぜか会社になじめない」といった悩みを抱えています。若い頃は何も考えずに新しいコミュニティに入っていくことができたのに、年齢を重ねるにつれてなぜか壁を感じるようになる人は少なくありません。

「どうして、うまくいかないんだろう...」

そんな漠然とした悩みやモヤモヤの出どころを見つけ出し、抜け出す方法を見い出してくれるのが心理カウンセリングです。
今回は、女性たちがいきいきとキャリアを築いていくために、組織に感じる違和感とどう向き合っていくかについて、心理カウンセラーの半澤久恵さんに教えていただきます。

「こうあるべき」というイメージが女性を追い込む

――40代は、女性の人生の大きな転換期ですね。

更年期で心身に変化が生じるだけでなく、子供が成長して手を離れるなど、家族の在り方も変わってくることが40代に多いと思います。家事や育児に比重を置いていた女性も少しずつ自分の時間が作れるようになり、自身のキャリアについて改めて考える時期ですよね。

産休、育休を経て育児と両立しながら元の職場に復帰しようとする人もいれば、子育てが一段落してフルタイムで働ける仕事を探している人、より良い環境を求めて転職を考える人もいるでしょう。

ただ、働き方やキャリアのステージは違っても、世代の特徴として「会社」という環境になかなかなじめず、苦しむ人が多いと感じます。転職先の仕事の進め方がこれまでやってきた方法と違って戸惑う、職場の上司や同僚とうまく関係を築けない、ちょっとした世間話をするだけでも緊張してうまく話せない...など、気が回る人ほど特に「すべきこと」と「自分のしたいこと」の狭間で揺れる、といったお悩みをよく聞きますね。

――年齢を重ねるにつれて職場になじめないと感じるようになるのは、なぜなのでしょう。

40代はキャリアを重ねて「自分のやり方」が確立され、立場的にも責任が増してくる年代です。転職や職場復帰など、これまで培ってきた経験の真価が問われる場面では、プレッシャーを感じることも多いでしょう。

そこで、真面目な人や責任感の強い人、自分より他者を思いやる人ほど、

「こうでなければならない」
「自分はこうあってほしいと思われているはず」
「あの人にはもっとこうしてあげたほうがいいかもしれない」

といったイメージで自分の行動を縛り、「会社に貢献して、必要な人材だと思ってもらわなければ」「採用して良かったと思ってもらえる仕事をしなければ」と自分を追い込みがちです。

すると、自分がどう見られているのか、どう評価されているのかと、周囲の目が気になって、逆にうまく自分の価値を発揮できず、ストレスを溜め込んでしまう。その結果、「自分はこの会社にいていいのか」と所在への不安を感じるようにもなりやすいでしょう。

もちろん、更年期に入って、落ち込みやイライラ、ほてりやのぼせといったさまざまな症状が出て、心身のコントロールが乱れることも原因のひとつになると思います。

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事実をありのまま受け入れることで楽になる

――会社になじめなくて悩んだときは、どう対処すればいいのでしょうか?

なぜなじめないのかを考えたとき、思い浮かぶのは「なんとなく合わない」という漠然とした違和感だけで、実ははっきりした理由がわからないという人は多いはず。そんなときは、なじめないと感じる理由をはっきりさせることから始めましょう。

なじめないと感じる理由は、3つのステップで紐解いてみてください。


1. 違和感の源は?

まず、職場の雰囲気なのか、それとも人間関係なのか、違和感の源をざっくりと仕分けします。


2. 違和感の対象は?

次に、職場の雰囲気ならどんな場面なのか、人間関係なら誰のどんな発言や行動なのか、違和感の対象となる事実をより具体化して思考を整理していきます。


3. 自分以外の視点で見てみる

整理ができたら、「自分ではなくほかの誰かなら、どう思うだろう?」と、別の視点から事実を見てみましょう

私たちは専門用語で「同化を外す」といいますが、事実に付随してわいてくる「気に入らない」「嫌だ」といった思考や感情を切り離して、事実を遠くから眺めるようなイメージです。

同化を外すことができると、ニュートラル(中立的)な状態で物事を見つめることができるようになります。以前お話しした物事を見るときのフィルターになる「心の眼鏡」をかけずに、ありのままを見ている状態ですね。

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――個人のフィルターによって違和感が生まれるということですね。

例えば、自分が「この職場はブラック企業だ」と感じているからといって、いっしょに働いているすべての人が同じように感じているとは限りません。中には、「みんな一生懸命働いていて、刺激をもらえる良い職場だ」と満足している人がいるかもしれませんよね。これも、かけている心の眼鏡がそれぞれ違うから起こること。

実際には、そこにひとつの職場があるだけなのです。

人間関係も同じです。部下のAさんに指示をしたら、「それは難しいです」と返ってきたとしましょう。事実は、「Aさんは難しいと言った」です。

しかし、そこで「Aさんはいつも指示どおりに仕事をしない(なぜなら私を認めていないから)」という心の眼鏡をかけると、「私の指示がわかりにくいというような顔をした」「やりたくないから文句をつけてきた」のような思考が生まれて、最終的に「Aさんがいるから仕事がしにくい」という思考につながります。

実際、何らかの眼鏡、つまり「解釈」をつけて判断していることに気付いたら、感情や思考の同化を外し、事実だけを見る練習をしてみましょう。

――解釈をつけずに事実を見ることができたら、気持ちが楽になりそうです。

解釈を生み出す潜在意識は、嫌な思いをした過去の経験や、幼い頃の記憶に結び付いたセルフイメージによって形作られています。「私は認められていない」というセルフイメージがあると、上司や同僚の何気ない一言にも、「軽んじられている」「評価されていない」といったマイナスの捉え方をしてしまうのです。

そのことに気付くことができれば、解釈をつけずに事実を事実として受け入れられるようになり、自分の作り出した思いで苦しくなることも減り、組織の中での過ごしやすさがだいぶ違ってくると思いますよ。せっかくの新しい環境です。ネガティブな思考や忖度(そんたく)であなたの実力を抑えてしまうのではなく、これまでのご経験や才能を存分に発揮してください。


お話を伺ったのは...

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半澤久恵(はんざわ・ひさえ)さん

心理カウンセラー/セラピスト

大学卒業後、出版社へ入社。体調を崩したことをきっかけに、興味のあった心と体に関わる仕事をするため、アロマセラピーの道へ。サロンでセラピストとして働きながら、整体やアロマスクールの講師も務める。2012年にOAD心理セラピストの資格を取得。現在は自身のサロン「AROHAM」にて心と体にまつわる個人セッションを行うほか、心理学の講師としてセミナーなども開催している。
https://www.aroham-kee.com/

※掲載している情報は、記事公開時点のものです。

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