医師が答える!更年期症状にまつわるギモン

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更年期世代の女性が、多かれ少なかれ直面する更年期症状。生活に支障をきたすほど重い症状に苦しむ人もいれば、ほとんど変調を感じないまま更年期を越えていく人もいます。できれば、更年期症状を軽く済ませたい、なくせるものならなくしたいというのは、世の女性たちに共通する願いではないでしょうか。

今回は、正しい知識を持って更年期に備えることができるよう、巷でまことしやかにささやかれている「更年期症状にまつわる話」の真偽について、浜松町ハマサイトクリニックの医師・吉形玲美先生に教えていただきました。

1. 生理が重いと、更年期の症状も重くなりやすい?

いいえ、まったく関係ありません。生理のトラブルがほとんどなく、経血の量も正常で生理痛もほとんど感じずに過ごせていたのに、いざ更年期に突入してみたら重い更年期症状で日常生活もままならない...という女性もいらっしゃいます。

「ホルモンバランスの変化」という点では、生理前に不快な症状が起きるPMS(月経前症候群)に似ているところがあるので、混同している人が多いのかもしれませんね。

2. 専業主婦より、働いている女性のほうが更年期症状は重くなる?

これも、まったく関係ありません。専業主婦か働きに出ているかという生活スタイルの違いが、更年期症状の程度に影響することはないのです。

それよりも問題なのは、その人自身が今の自分に満ち足りているかどうかということ。パートナーと相談の上、みずから望んで専業主婦になり、家事や育児にやりがいを持って取り組んでいる人と、生活のためにイヤイヤ仕事をしていたり、プライベートが充実していないと感じていたりする人とでは、当然ながら人生に対する満足度が違ってきますよね。

仕事や家庭など、社会的因子や環境因子に対するストレスを強く感じていると、更年期症状が発現しやすくなります。専業主婦か、働きに出ているかではなく、ストレスの有無や自己肯定感が大きく関わっているということですね。

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3. パートナーと継続的に性交渉がある人は、更年期症状が出にくい?

これは難しいですね。性交渉の有無というよりは、性交渉そのものに満足していたり、性交渉によってパートナーの愛情を感じたりすることに意味があります。「パートナーが強く望むので義務感から応じている」という場合は話が違ってくるわけですね。「更年期にはできるだけ性交渉をしたほうがいいと聞いたから、気分はのらないけど機会を持つようにしている」という場合も同様です。

つまり、お互いを必要とし、愛情を分かち合う幸せな性交渉であれば、更年期症状を軽くする要素のひとつになるといっていいでしょう。

勘違いをしている方も多いのですが、女性ホルモンは自力で作ることができないので、性交渉をしたからといって女性ホルモンが増えることはありません。その代わり、性交渉に限らず「幸せだ」と感じることをしていると、幸せホルモンといわれるセロトニンが分泌されて、精神的な安定をもたらします。ですから、たとえ性交渉がなくても、パートナーと良い関係を築けていればいいと思いますよ。

4. 更年期はアイドルに夢中になったり、趣味に没頭したりするといい?

これは本当です。好きな人がいて、その人のことを考えるだけでドキドキしたり、その人にどうやって気持ちを伝えようかと考えているうちに、いつの間にか時間が経っていたりなどの経験を思い出してみてください。

大好きなアイドルがいて、その人が出る舞台やコンサートを追いかけている人も同じです。恋愛感情やときめきを持つことは、性交渉のところでお話しした幸せホルモンのセロトニンや、「心地いい」「気持ちいい」という感情を呼び覚ますドーパミンの分泌につながり、更年期症状の軽減が期待できます。リラックスできる音楽を聞いたり、夢中になれる趣味を持ったりするのもいいですね。

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5. スポーツをすることと、更年期症状の重さは関係する?

関係します。そもそも適度な運動には、筋力を向上、代謝を促進させて体内のバランスを良くする効果があります。体を動かせば、疲れて早く眠くなるので生活リズムが整いますし、必然的に睡眠の質も上がります。そうして自律神経が整えられ、更年期症状を抑えることにつながると考えられますよ。

若いころから親しんでいるスポーツがあれば、それを継続するのが一番ですが、そうでない方はウォーキングを中心とした有酸素運動やヨガや音楽を聴きながらできるダンス系の運動など、初心者でも始めやすいものに挑戦してみるといいかもしれません。

ただ、若いころに比べて、スポーツ歴や基礎体力によって取り組める運動レベルに個人差が出やすいことには注意してください。特に、日頃運動習慣がない方は、体調に合わせて少しずつ回数を増やしていきましょう。体力に自信がある方も、運動負荷が重すぎればケガにつながる危険性もあるので、適度な運動を心掛けていただきたいと思います。

6. 母親の更年期症状が重いと、娘も重い?

そんなことはありません。ここまでの答えからもおわかりいただけると思いますが、更年期症状の出方に大きな影響を与えるのは、「環境因子」と、それに伴う心理的な「ストレス」です。

更年期障害が遺伝することはありませんから、「自分がつらかったから、娘もつらいのではないか」「お母さんが苦しんでいたから、自分もそうなるのではないか」という心配はいりません。ただ、親子のライフスタイルが非常に似ているということであれば、遺伝とは関係なく、症状が似ることはあるかもしれません。心当たりがある方は、早めに生活習慣を改善し、悪い環境因子を取り除く努力をするようにしましょう。

自分を客観視して、ストレスを自覚することが大切

わかっているようで、実は誤って認識していることも多い、更年期にまつわる話。総じて、環境因子と、そこから来るストレスが更年期の症状の程度を左右する大きな要因であるということがおわかりいただけたかと思います。最後に、悪い環境因子を取り除くコツを吉形先生に伺いました。

「まずは、何にストレスを感じているかを知るために、一度自分を客観視してみることをおすすめします。頭で考えるだけでは冷静に自分を見つめ直せないという方は、悩みや感情を紙に書き出してみるといいですよ。毎日メモ程度でも日記を書くのもいいことだと思います。頭を整理すれば心も整理され、ストレスを自覚することができます

自覚したストレスがどこから来ているのかを考えていけば、要因を取り除くことができるでしょう。正しい知識をしっかり身に付けて、更年期を極端に怖がることなく軽やかに乗り越えていきたいですね」


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SUPERVISERこの記事を監修した人

吉形先生

PROFILE

吉形 玲美 (よしかたれみ) 医師

医学博士/日本産科婦人科学会 産婦人科専門医
専門分野:婦人科

1997年東京女子医科大学医学部卒業
臨床の現場で婦人科腫瘍手術をはじめ、産婦人科一般診療を手掛ける傍ら、女性医療・更年期医療の様々な臨床研究に携わる。女性予防医療を広めたいという思いから、2010年より浜松町ハマサイトクリニックに院長として着任。現在は同院婦人科専門医として診療のほか、多施設で予防医療研究に従事。更年期、妊活、生理不順など、ゆらぎやすい女性の身体のホルモンマネージメントを得意とする。

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※掲載している情報は、記事公開時点のものです。

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