更年期に適切なダイエットとは?食べないはNG!更年期太りの解消法

少し食べただけで太りやすくなった、食事を抜いても昔と違ってやせない...。ホルモンバランスが乱れ、代謝機能が低下し始める更年期は、20代、30代の頃に比べてやせにくくなります。体型の変化や落ちない体重に悩む人も多いでしょう。
体重が増加すると、どうしても「食べないダイエット」に走りがちですが、若い頃と同じ方法のダイエットは効果が出にくく、むしろ体調を崩す原因になる可能性があります。

ここでは、更年期にやせにくくなる理由やNGなダイエット法のほか、更年期でもやせやすい体を作る食習慣・生活習慣についてご紹介します。

[2021年8月26日更新]

更年期にやせにくくなる5つの理由

更年期にあたる40代半ばから50代半ばまでは、これまでと同じ食習慣・生活習慣を継続していても太りやすく、やせにくくなる時期。その理由として、次の5つが挙げられます。


1 エストロゲンの分泌量が減少する

女性ホルモンの一種であるエストロゲンには、血中のLDLコレステロール(悪玉コレステロール)の量をコントロールしたり、中性脂肪の蓄積を抑えて脂肪燃焼を助けたりする働きがあります。更年期になると、エストロゲンの分泌量が急激に減少するため、脂質代謝が悪くなり太りやすくなるのです。


2 男性ホルモン値が優位になる

女性ホルモンの値は、30代から少しずつ減り始め、40代後半に入ると急激に減少します。そのため、更年期以降は、女性ホルモンより、テストステロンなど男性ホルモンのほうが多くなります

男性ホルモンは、体の中で下記のような働きをします。

・筋力や骨の力をサポートする

女性ホルモンが減ることで起こりやすくなる骨密度の減少を抑え、筋量を維持します。

・気力を高める

意欲や気力など、心の健康を保ちます。加齢とともに億劫になりがちな人付き合いを助け、社会性を保ち続ける上でも、男性ホルモンは重要な働きをしているといえます。

なお、男性ホルモンには、皮下脂肪より内臓脂肪を溜め込みやすいという特徴があります。女性ホルモンの減少により、脂肪を分解する力が衰える一方、溜め込む力がアップすることで、脂肪を燃焼しにくい体になってしまうことが考えられます。


3 運動量が減る

更年期には、さまざまな身体症状や精神症状が現れ、日常生活に影響が出ることも少なくありません。頭痛やめまい、気分の落ち込み、意欲の低下、ホットフラッシュ、イライラなどの症状があると、症状の重さによっては外出やスポーツを楽しめなくなるだけでなく、人に会うのが嫌になったり、外に出る気がしなくなったりして、自宅にこもりがちになります。

気持ちがふさぎ、これまで趣味として親しんでいたスポーツに対して興味が持てなくなることもあるでしょう。結果として、どうしても以前に比べて運動量が減り、摂取したカロリーを十分に消費できずに、太りやすくなります


4 食欲にムラが出る

エストロゲンの分泌量が減って、ホルモンバランスが乱れると、自律神経に影響が出て食生活が乱れやすくなります。わけもなくイライラして、ストレス解消のために食べすぎたり、食欲にムラが出たりすることもあります。


5 筋肉量が減って基礎代謝量が低下する

加齢に伴い筋肉量が減るのも、更年期に太りやすくなる大きな原因。筋肉量の減少は、基礎代謝量(特に何もせずに過ごしても消費されるエネルギー量)の低下に直結するからです。

厚生労働省が発表した「日本人の食事摂取基準(2020年版)」策定検討会報告書を見ると、男女とも加齢に伴い、基礎代謝量を体重で割った基礎代謝基準値が低くなっているのがわかるでしょう。20代の頃と同じ生活をしていても太りやすくなるのはこのためです。

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ダイエットをする前に、適正体重を理解することが大切

やせにくくなったからといって、無理なダイエットを続けていると、体に大きな負担をかけることになりかねません。更年期はやせにくい時期でもあるため、急激に体重を落とすよりは、適正な体重を維持することに目を向けるといいでしょう。そのためにも、自分が適正体重か、それとも肥満傾向にあるのかを把握することが大切です。

このような傾向は、肥満を判定するための国際基準である「BMI(Body Mass Index)」で確認できます。BMIは、身長(m)を2乗して、体重(kg)で割ることで算出できます。

<BMIの算出方法>
BMI=体重÷(身長×2)

BMIの基準値は「22」であり、この数値に近いほど、さまざまな病気にかかるリスクが少ないといわれています。「18.5」未満は低体重、「25」以上は肥満と判定されます。

なお、下記の計算式を使うことで、適正体重を確認することもできます。

<適正体重の算出方法>
適正体重=(身長×身長)×22

BMIが普通体重(18.5以上25未満)の範囲内であれば、無理なダイエットで急激に体重を落とすのではなく、適正体重に近づけることを心掛けましょう。

「単品ダイエット」や「食べないダイエット」が骨をもろくする

太ったからといって焦ってやせようとすると、単品ダイエットや食べないダイエットなど、無理なダイエットに走りがち。しかし、無理な食事制限をすると、体に必要な栄養素まで不足してしまう可能性があり、とても危険です。骨密度や筋肉量だけが落ちることにもなりかねません。

特に更年期は、女性ホルモンの低下によって骨がもろくなる時期。カルシウム、ビタミンD、ビタミンKなど、骨に必要な栄養素は必ずとるようにしましょう。

大人の女性が健康的に、きれいに体を絞るには、「食べない」のではなく「体に必要な栄養素を選んでとる」ことが大切です。

<骨に必要な栄養素を多く含む食材>
・カルシウム:イワシやシジミなどの魚介類、大豆製品、乳製品、海藻類 など
・ビタミンD:鮭やシラスなどの魚介類、干ししいたけ、きくらげ など
・ビタミンK:納豆、ブロッコリー、ほうれん草、モロヘイヤ など

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やせやすい体を作る5つの生活習慣のポイント

やせやすい体を作るには、やせやすい生活習慣を身に付けることも大切。最後に、すぐに実践できる生活習慣を5つご紹介しましょう。

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1 食べる順番を意識する

簡単にトライできるのは、食べる順番を意識すること。具体的には、食物繊維を多く含む野菜や海藻類、きのこ類などから食べ始めるといいでしょう。次に、肉や魚などのたんぱく質、最後にご飯などの炭水化物という順番にすると、血糖値の急激な上昇を抑えることができ、脂肪が蓄積しにくくなります。


2 たんぱく質をとる

基礎代謝量を維持するには、筋肉を作り続けることが大切。毎日の食事で、筋肉の基になるたんぱく質を積極的にとりましょう。

手軽にたんぱく質をとるなら、納豆、豆腐、チーズ、ツナ、鯖缶などがおすすめ。常備しておき、毎日の食事に少しずつプラスするようにしてください。

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3 お菓子は1日100kcalまで

どうしてもお菓子がやめられないという人は、1日100kcalを目安に。カップのバニラアイスなら半分、板チョコなら5分の1弱が目安です。食べすぎないように、一度に食べる量だけお皿に移して、残りは冷蔵庫や棚の中など、目につかない場所にしまっておきましょう。

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4 水分をしっかりとる

水太りを気にして水を飲まないのは逆効果。大人の体の約6割は水分が占めていて、生命維持に欠かせないものです。十分な量の水がいつも体内を循環していれば、自然と代謝も上がります。1日2Lを目安に、しっかり水分をとりましょう。


5 有酸素運動をする

更年期に太りやすくなるおもな原因は、女性ホルモンの減少や、男性ホルモンの働きによる内臓脂肪の蓄積と運動量の低下です。内臓脂肪は、生活習慣次第で皮下脂肪よりも減らしやすいので、食生活を含めた日常生活の改善を意識しましょう。

内臓脂肪を減らすのに特に有効なのが、皮下脂肪より先に内臓脂肪が燃えるといわれる有酸素運動です。有酸素運動とは、軽から中程度の負荷を体にかけ、筋肉を収縮させるときに酸素を使って脂肪を燃焼させる運動のこと。体脂肪の減少や、高血圧の改善などに効果が期待できます。

代表的な有酸素運動として、下記のようなものが挙げられます。運動が苦手な人や、なかなか時間が取れない人は、室内でできる踏み台昇降や、もも上げなどの運動も効果的です。

<代表的な有酸素運動>
・ウォーキング
・ジョギング
・サイクリング
・水泳
・エアロビクス

更年期のダイエットは焦らず、じっくりと

更年期は、女性の体が大きく変化するとき。長く続く人生を、健康な体で楽しく過ごしたいなら、この時期に無理なダイエットをするのは絶対に避けましょう。

更年期のダイエットのポイントは、長期的に、焦らずじっくり取り組むこと。適度な運動で筋肉量を上げ、たんぱく質を意識してとることで基礎代謝量を維持して、少しずつやせやすい体を作っていきましょう。

監修者・更年期トータルケアインストラクターの永田京子さんより

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これまでと同じ生活をしていても太りやすくなる更年期。見た目が変わると、だんだん自信もなくなり、何だか体調もイマイチに...。そんな悪循環から抜け出す秘訣は、日常生活の中で無理なくできる工夫をすることです!この記事でご紹介したことに加えて、「よくかんで食べる」「姿勢を良くする」など、小さなことから試してみてくださいね。

歳を重ねて"丸くなる" のは性格だけにしたいもの。適切なダイエットで、健康で快適な体を作っていきましょう!


この記事を監修した人
永田京子(ながた・きょうこ)さん

兵庫県出身、愛知県小牧市在住。2児の母。東映アカデミーに所属し、役者として舞台やドラマなどで活躍した後、ピラティスや整体、経絡、アロマ、リフレクソロジーなどを学び、ピラティス指導者、産後ケアのインストラクターとしての活動を開始。受講者の声と、更年期障害が悪化して苦しむ母を見ていた経験から、女性ホルモン・更年期の正しい情報と対策を伝えるNPO法人「ちぇぶら」を創設した。「ちぇぶら」は更年期を英語でいう「the change of life」の意。著書に「女40代の体にミラクルが起こる!ちぇぶら体操」(三笠書房)、「はじめまして更年期」(青春出版社)がある。


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