婦人科医師に聞く、子宮頸がん検診を後回しにしてしまう理由

株式会社アドバンスト・メディカル・ケア

三浦 知代(専門分野:管理栄養士)

子宮頸がん検診は「怖い」「恥ずかしい」という思いが強く、できれば受けたくないと思う方も多いのではないでしょうか。しかし、がんの早期発見のために大切な検査です。そこで、子宮頸がん検診にまつわる疑問や不安について、婦人科の先生に直接伺いました。

子宮頸がんとは?

子宮頸がんは、子宮の入り口にあたる「子宮頸部」にできるがんです。その多くにHPV(ヒトパピローマウイルス)の感染が関係しており、初期には自覚症状がほとんどないため、定期的に検診を受けることが大切です。

メノポーズカウンセラー

メノポーズカウンセラーとは?

更年期と加齢に関する正しい知識をもとに、一人ひとりの悩みに寄り添い、よりよいセルフケアや受診につなげるサポーターです。

※NPO法人「更年期と加齢のヘルスケア」認定

婦人科医師に聞く、子宮頸がん検診を後回しにしてしまう理由

メノポーズカウンセラー MC

「婦人科の先生に聞いてみたいことは?」と編集部メンバーに尋ねたところ、真っ先に挙がったのが「子宮頸がん検診」。編集部では会社の健康診断で受けている人が多かった一方、日本全体でみると、20~69歳女性の過去2年間の受診率は46.1%にとどまります※1。どうして後回しになってしまうのか、その理由を探ってみました。

※1 厚生労働省「2025(令和7)年 国民生活基礎調査の概況」より

医師 医師

正直なところ、私自身、医療従事者でありながら、これまで「どのくらいの人が検診を受けているか」を強く意識してきませんでした。日本ではHPVワクチン※2の接種率が低く、子宮頸がんに罹患する人も多い中で、検診を受けている人がこれほど少ないのは大きな問題です。受診率は少し上がってはいても、長く横ばいに近い状態で、子宮頸がんの認知度の低さや啓蒙活動の不足が今なおあるのではないかと感じました。

※2 HPVワクチン:子宮頸がんなどの原因となるHPV(ヒトパピローマウイルス)の感染を予防するワクチンのこと。

ワクチン画像

【2025年】いま知っておきたい「ワクチン」最新事情―種類・助成・副反応まで徹底解説

HPVワクチンは、ヒトパピローマウイルス(HPV)による子宮頸癌などの発症の予防に用いられます。

メノポーズカウンセラー MC

なぜ受診率が低いままだと思いますか?

医師 医師

背景の一つは、受診環境の不便さだと思います。一般の健康診断と同じ施設、同じ日に子宮頸がん検診まで受けられるところは、それほど多くないのかもしれません。会社の健康診断とは別に子宮頸がん検診を受けるとなると、対応している婦人科を探して予約し、仕事などの予定を調整したうえで、あらためて足を運ばなければなりません。忙しいと、どうしても優先順位は低くなってしまいますね。

メノポーズカウンセラー MC

「子宮頸がん検診を受けるので会社を休みます」とはなかなか言いづらいかもしれません。

医師 医師

あとは、子宮頸がんが身近な病気だと十分に知られていないこともあります。学校で詳しく学ぶことも少なく、医療系の道へ進まなければ、子宮頸がんについて知るきっかけも少ないかもしれません。「自分には関係ない」「症状もなく、何も困っていないので大丈夫」と考えてしまうのかもしれません。

メノポーズカウンセラー MC

確かに、今すぐ困っているわけではないなかで、予定を調整して子宮頸がん検診を予約するのは、それだけでもひとつのハードルです。さらに、生理と重なれば、場合によっては予約を取り直すこともあります。健康診断と同じ日に、検査項目の一つとして受けられることが、どれほどありがたい仕組みなのかがわかります。

医師 医師

検査の内容を何となく知っていても、実際に何をされるのかはよくわからない。服はどこまで脱ぐのか、下だけなのか、上も脱ぐのか。そうしたことを聞いてよいのかもわからず、「向こうで恥ずかしい思いをするのでは」と考え、それだけで受診を躊躇ってしまう人もいると思います。

メノポーズカウンセラー MC

受けたほうがよいとわかっていても、受診するまではいくつもの小さなハードルがありますね。

子宮頸がん検診を後回しにしないための3つのポイント

  1. POINT 01

    次の検診時期を確認しておきましょう

    検査方法や結果によって受診間隔が異なります。前回の結果や案内を確認し、次の受診時期を決めておきましょう。

  2. POINT 02

    通いやすい受診先を見つけておきましょう

    場所や予約方法、受診できる曜日・時間などを確認しておくと、次の受診につなげやすくなります。

  3. POINT 03

    症状がなくても、定期的に検診を受けましょう

    子宮頸がん検診は、自覚症状がない段階で受けることが大切です。「症状がないから大丈夫」と考えず、適切な時期に受診しましょう。

メノポーズカウンセラーより

メノポーズカウンセラー

子宮頸がん検診が後回しになる背景には、時間や予約の手間、検査への不安や恥ずかしさ、症状がないため必要性を感じにくいことがあります。受けていない人の意識だけの問題ではなく、受診するまでにいくつもの小さなハードルがあることがわかりました。

次回は、その中でも大きなハードルの一つである「内診への不安」について伺います。

ILACY(アイラシイ)では、子宮頸がんを経験されたタレントの原千晶さんに直接インタビューを行いました。実際に経験されたからこそ感じる想いや、女性の皆様に伝えたいメッセージをぜひご覧ください。

原千晶さんのインタビュー

原千晶が語る | 30歳で子宮頸がんの診断「簡単な手術」が検診サボりの罠

30代で2度の子宮がんを経験した原千晶さん。生理痛は病気じゃないという昭和の根性論と、最初の手術が簡単すぎたことによる油断。そして、なぜ彼女は検診をサボってしまったのか?壮絶な後悔と教訓を語ります。

SUPERVISERこの記事を監修した人

針金先生

PROFILE

針金 永佳 (はりがね えいか) 医師

医学博士
専門分野:婦人科

BASEGATE横浜関内クリニック女性医療センターに勤務。日本医科大学医学部卒業。日本産科婦人科学会専門医。周産期新生児医学会周産期専門医。女性医学学会女性ヘルスケア専門医。新生児蘇生法「専門」コース修了。由利組合総合病院産婦人科、日本医科大学武蔵小杉病院 女性診療科・産科を経て現在に至る。

SUPERVISERこの記事を監修した人

PROFILE

三浦 知代 (みうら ちよ) さん

管理栄養士/メノポーズカウンセラー/睡眠改善インストラクター
専門分野:管理栄養士

管理栄養士として20年以上、病院給食の現場を原点に、病気になる前の食生活とセルフケアの大切さを発信。現在は㈱アドバンスト・メディカル・ケアに所属し、est're〈エストール〉を通じて女性ホルモンマネジメント®の普及に取り組む。メノポーズカウンセラー、睡眠改善インストラクター、「心身美食」編集長。NHK「おはよう日本」などに出演。「ベストメノポーズカウンセラーof the year 2025」受賞。

三浦 知代さんのメッセージはこちら

※掲載している情報は、記事公開時点のものです。
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この記事は、働く女性の医療メディア
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