デリケートゾーンのかゆみがつらい!更年期以降の悩みを医師が解説

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気になって仕方ないけど、話題にしにくい――更年期以降の多くの女性を悩ませる、デリケートゾーンの悩み。中には、悩んでいるうちに悪化させてしまう人も珍しくありません。

デリケートゾーン関連のトラブルで特に多いのが、「3大悩み」ともいわれる「かゆみ」「痛み」「におい」。これらの原因と対策、予防法について、浜松町ハマサイトクリニックの医師・吉形玲美先生に教えていただきます。

第2弾は、20代から増え始め、ILACY(アイラシイ)世代の多くが悩みを抱えている「かゆみ」についてご紹介します。

デリケートゾーンの痛みの原因は?更年期以降の悩みを医師が解説

更年期世代の「かゆみ」で注意したい3つの原因

――デリケートゾーンの「かゆみ」の原因は、どのようなものでしょうか?

更年期世代の場合、大きく3つの原因が考えられます。


萎縮性腟炎

1つ目は、デリケートゾーンの痛みの原因として前回解説した萎縮性腟炎によるかゆみ。

女性ホルモンのエストロゲンが十分に分泌されているあいだは、腟の粘膜には十分な厚みがあり、ふっくらとして潤いを保っています。ところが、更年期に入って女性ホルモンの分泌量が減少すると、腟壁はだんだん薄くなり、外陰部とともに萎縮して乾燥し始めます。

薄くなった皮膚は敏感になり、下着などにふれたときの摩擦刺激でかゆみを感じやすくなるわけですね。

腕や体がドライスキンになるとかゆみを感じるように、乾燥そのものがかゆみを引き起こしている場合もあります。


洗いすぎ

2つ目は、洗いすぎ。デリケートゾーンを清潔にしておきたいと思うあまり、何度も繰り返し洗ったり、デリケートゾーンには適さない強い洗浄力のあるボディソープで洗ったりすると、腟を正常な酸性の状態に保つために必要な物質まで洗い流してしまいます。すると、腟を守るバリアが取れて、アトピー性皮膚炎のような状態になってかゆみにつながります。


なんらかの病気に起因するもの

3つ目は、何かしらの病気に起因しているかゆみ。例として、「細菌性腟炎」「カンジダ腟炎」

「外陰部ヘルペス」など、雑菌やウイルスによる皮膚・粘膜の炎症によるものです。

・細菌性腟炎
外陰部の雑菌が腟内で増殖して炎症を起こす。
おりものがにおったり、色が変化したりすることも。

・カンジダ腟炎
免疫力低下やストレスなどによって、外陰や腟内に常在しているカンジダ菌が増殖して起きる。性交によって菌が伝播されることも。
カッテージチーズ状のおりものが多量に出るのも特徴。

・外陰部ヘルペス
睡眠不足や疲れによる免疫力の低下やストレスで起きることが多い。性交によって感染することもある。
かゆみだけでなく、多くは水泡状の発疹と痛みを伴う

ヘルペスの場合は、発症時に痛みを伴うことが多いのですが、軽症者はかゆみを訴えることが少なくありません。いったん症状が消えても、免疫力の低下などで再発し、何度も繰り返すこともあります。

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――ほかに、アンダーヘアの処理がかゆみにつながる可能性はありますか?

確かに、毛抜きで抜いたり、デリケートゾーン用ではない手足用のカミソリで剃ったりなど、間違った処理がかゆみにつながることはありそうですね。だからといって、まったく処理せずに放置していると、アンダーヘア自体が蒸れてかゆみが起こる可能性がありますし、生理の経血などの汚れが付着しやすくなります。

ただアンダーヘアを剃るのではなく、絡まった部分や長い部分を少し切って、洗いやすくするイメージで処理をするといいのではないでしょうか。

かゆみ対策は「正しい洗い方」と「正しいケア」

――かゆみを感じたときの対策を教えてください。

かゆみ対策の基本は「正しい洗い方」と「正しいケア」。清潔にしておかなければならないけれど、洗いすぎないようにすること、そしてバリアが低下しないように適切なケア用品を使って潤いを補うことです。

何度も洗う、強くゴシゴシ洗うのはもちろん、一般的なボディソープを使用するのも避けてください。一般的なボディソープや石鹸は洗浄力が強いので、普通に洗ったつもりでも腟のバリア機能まで落としてしまう可能性があります。デリケートゾーン専用の洗浄剤を使って、優しく汚れを落としましょう

洗い終わった後は、顔をケアするときと同じように、専用の保湿ジェルやクリームなどで蓋をして、潤いを逃さないようにしてください。

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ただし、病気によるかゆみは早期発見、早期治療が重要。中でも、カンジダ腟炎は患者さんが多い病気なので、気を付けていただきたいですね。市販薬もありますが、症状が強いときは迷わず婦人科を受診しましょう。

萎縮性腟炎の場合は、女性ホルモンのエストロゲンを補充するHRTや、女性ホルモンが入っている腟坐薬の挿入で、腟萎縮を根本的に治療することができます。

――デリケートゾーンのかゆみで悩んでいる場合、何科を受診したらいいかわからない人も多い気がします。

受診する診療科に悩んだら、湿疹や肌荒れなど、アンダーヘアより外側のトラブルなら皮膚科、内側のトラブルなら婦人科と考えてみてください。

アンダーヘアより外側のトラブルで、湿疹や肌荒れがある⇒皮膚科

アンダーヘアより内側のトラブル⇒婦人科

ただし、アンダーヘアより外側のトラブルでも、まれに腟の内部で問題を引き起こしていることもあるので、気になる場合は内診台で腟の中まで調べられる婦人科を受診してください。

デリケートゾーンを目で見て確認することが大切

――かゆみを予防する方法はありますか?

かゆみが起きた後の対策と変わらず、日頃から正しいケア用品を使って正しく洗い、きちんとケアすることです。毎日、お風呂に入ったら、時間をかけてシャンプーや洗顔をしますよね。デリケートゾーンのケアもそれと同じように、習慣として生活の中に取り入れてください。

生理用ナプキンやおりものシートなどを使った日は、特に丁寧にケアしましょう。

また、ケアをするときにはデリケートゾーンの状態を見ることも忘れずに。見づらい場合は、鏡を使って確認してみるといいでしょう。発疹が出ていないか、かぶれていないかといったことを、目で見て確認しながらケアするようにすれば、病気の早期発見にもつながるからです。

――デリケートゾーンのかゆみに悩む方に、アドバイスをお願いします。

昔に比べて婦人科を受診するハードルは下がっているとは思いますが、まだデリケートゾーンのことを人前で口にするのは抵抗があるという人がほとんどです。検診のときに相談してくださったり、別の疾患の治療で長く通われていて、信頼関係ができて初めて打ち明けてくださったりすることもありますが、「こんなことで病院を受診していいのか」「何科に行けばいいのか」と悩んでいるうちに、症状が悪化してしまう方は少なくありません。

しかし、慢性化したかゆみや違和感で、「気がおかしくなりそう」といって受診される方もいるくらいですから、ひどくなれば生活に大きな影響を及ぼすことは間違いありません。恥ずかしがらずに自分のデリケートゾーンを知って、ふさわしいケアを心掛けましょう。


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SUPERVISERこの記事を監修した人

吉形先生

PROFILE

吉形 玲美 (よしかたれみ) 医師

医学博士/日本産科婦人科学会 産婦人科専門医
専門分野:婦人科

1997年東京女子医科大学医学部卒業
臨床の現場で婦人科腫瘍手術をはじめ、産婦人科一般診療を手掛ける傍ら、女性医療・更年期医療の様々な臨床研究に携わる。女性予防医療を広めたいという思いから、2010年より浜松町ハマサイトクリニックに院長として着任。現在は同院婦人科専門医として診療のほか、多施設で予防医療研究に従事。更年期、妊活、生理不順など、ゆらぎやすい女性の身体のホルモンマネージメントを得意とする。

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※掲載している情報は、記事公開時点のものです。

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