デリケートゾーンのにおいが気になる...更年期以降の悩みを医師が解説

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デリケートゾーンの3大悩み「痛み」「かゆみ」「におい」。更年期世代を含めて多くの女性がどれかしらの悩みを感じているといわれていますが、性やデリケートゾーンについて話すことをタブー視しがちな日本では、誰にも相談できずに一人で抱え込んでしまう人が多いようです。

デリケートゾーンをすこやかに保つには、日頃のケアに加え、不調が出始めたら早めの対策が肝心。そこで、3大悩みの原因と対策、そして予防法について、浜松町ハマサイトクリニックの医師・吉形玲美先生に教えていただきます。

第3弾は、自分だけでなく対人的にも気になってしまう不快な「におい」についてお話を伺いました。

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いつもと明らかに違うにおいに注意

――デリケートゾーンのにおいにはさまざまな原因があると思いますが、代表的なものを教えてください。

まず前提として、デリケートゾーンがにおう原因は年齢によって異なっていて、においがするからといって必ずしも異常であるとは限りません

特に閉経前・閉経後で大きく異なり、更年期に至っていない若い方(45歳未満の方)なら、腟内は正常で酸性に保たれていますから、デリケートゾーンやおりものから少し酸っぱいにおいがすることがありますが、通常これは問題がないにおい。むしろ、においがあるのが普通で、腟が正常であるというサインといえるでしょう。

ただし、酸っぱさも程度の問題。例えば強い刺激臭や、何ともいえない独特の不快なにおいがするときは病気の可能性がありますから、すみやかに婦人科を受診してください。急ににおいが強くなったと感じるときは、雑菌などの感染を疑いましょう。

一方、更年期が終わりに近付くと、女性ホルモンの減少に伴って腟内の潤いがなくなり、腟壁が薄くなって乾燥する萎縮性腟炎が起こります。萎縮性腟炎になると、腟のバリア機能が失われて抵抗力が落ちるので、お尻の周りに常在している大腸菌や雑菌などが侵入して繁殖し、おりものが黄~黄土色に変化したり、普段とは異なるにおいがしたりすることがあります。これは、細菌性腟炎といって、治療を要しますね。

――においの源が腟の外なのか、中なのかによっても原因が異なりそうですね。

腟の外側のにおいで多いのが、何かのきっかけで漏れてしまった尿が下着や外陰部についたまま時間が経ち、アンモニア臭がするケースです。更年期から老年期にかけては骨盤の筋肉が衰えるため、腹圧の刺激や性器下垂、性器脱(※)などが原因で尿もれが増えるので、注意が必要ですね。また、単純に尿や便の拭き残しがあってにおう場合や、使用したトイレットペーパーが付着してにおいの原因になっていることもあります。

※性器脱...膀胱や子宮、直腸といった骨盤内臓器が腟の入り口から飛び出た状態になること。これは、骨盤内臓器を支える骨盤底筋群が加齢によって衰えることが原因。

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腟の内側からにおう場合は、病気がほとんどです。数こそあまり多くありませんが、子宮頸がんや子宮体がんなどが進行していると、それまでとは違う独特のにおいがすることがあります。

また、診察で症例が多いのは、独特のおりものが出て、いずれも強いにおいがする性感染症です。

■独特のおりものが出るおもな性感染症
・トリコモナス...泡状のおりものが出る
・カンジダ...ポロポロとしたカッテージチーズ状のおりものが出る
・クラミジア...水っぽいおりもの、黄色っぽいおりものの量が増える

明らかに色が違う場合も、何らかの病気が潜んでいる可能性が高いので、早めに婦人科を受診してください。

もうひとつ、細菌性腟炎から骨盤腹膜炎になると、強い下肢部痛や発熱のほか、感染が悪化してきついにおいのする膿状のおりものが出ます。まれですが、子宮体がん検査をきっかけに骨盤腹膜炎になる人がいるので、検査は必要性を見極めて受けるようにしましょう。

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においは専用のケア用品で、やさしく丁寧に洗おう

――デリケートゾーンのにおい対策について教えてください。

デリケートゾーンの痛みの原因は?」の記事でも解説した通り、萎縮性腟炎は、女性ホルモンが入っていて腟粘膜の炎症を改善できる腟坐薬を挿入、もしくは女性ホルモンのエストロゲンを補充するHRTをおこない、根本的な解決を図ります。

カンジダ腟炎や性感染症も、早期発見・早期治療が重要。市販薬もありますが、症状が強いときは迷わず婦人科を受診しましょう。

――病気以外の場合はいかがでしょう。

おりもののにおいは、おりものシートをうまく使えばかなり軽減できると思います。さまざまなおりものシートが市販されていますが、一番重視していただきたいのは素材です。いくつか試してみて、自分に合う肌触りのシートを選んでください。できれば、香料の少ない物のほうがいいでしょう。

素材感は、生理用ナプキンにもいえることですね。使い心地が良く、肌にふれていて嫌な感じがしない物を選んでください。

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どちらにも共通していえるのは、こまめに取り替えること。特に、排出されて時間が経った経血は細菌が好むので、独特のにおいが発生しやすくなります。仕事などで長時間トイレに立てないときもあると思いますが、においを抑えるには、なるべく長時間同じナプキンをあてたままにするのは避けたほうがいいですね。

あとは、デリケートゾーン専用のケア用品を使って、正しいケアをすること。においが気になるとつい強く洗ったり、何度も洗ったりしてしまいますが、洗いすぎは禁物です。

ソープを選ぶ場合はまず、pH値(5.0~7.5)に調整された物を選ぶといいでしょう。一般的なボティソープのpH値が9.0~11.0に対して、腟内は外界から子宮に雑菌がはいってこないようpH3.8~4.5の弱酸性で保たれています。そのためボディ用の作られたアルカリ性のソープでは腟を守る常在菌まで奪ってしまいます。かといって腟と同じpH値だと、汚れがきれいに落ちない可能性もあります。洗い終わったら、デリケートゾーン専用の保湿ジェルやクリームを使って、潤いを逃さないようしっかり蓋をしてください。

自分のデリケートゾーンを知ることが、正しいケアの第一歩

――においを予防する方法はありますか?

まずは、自分のデリケートゾーンに何がどのように配置されているかを知っておきましょう。拭き残しや洗い残しがある方の中には、腟や肛門の場所を正確に把握していない方が少なくありません。

お風呂で洗っているときや、入浴後などに鏡でデリケートゾーンを見て、どこをどう洗えばいいのか、イメージすることをおすすめします。

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――洗う場所がわかれば、ケアも行き届きそうですね。

せめて、尿道口、肛門、腟口のほか、ひだ状で汚れが溜まりやすい大陰唇はしっかり見て覚えておくといいですね。どんな形状をしているかがわかれば、トイレでの拭き方や洗い方も変わってきますし、普段のケアも行き届くようになると思います。

正しいケアの第一歩だと思って、自分のデリケートゾーンを知ることから始めてみてください。

更年期以降に増えていくデリケートゾーンの3大悩み「痛み」「かゆみ」「におい」は、日頃の心掛けである程度抑えることはできます。専用の洗浄剤、保湿ジェルやクリームを使うことを意識して、清潔に、丁寧にケアしていきましょう。

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SUPERVISERこの記事を監修した人

吉形先生

PROFILE

吉形 玲美 (よしかたれみ) 医師

医学博士/日本産科婦人科学会 産婦人科専門医
専門分野:婦人科

1997年東京女子医科大学医学部卒業
臨床の現場で婦人科腫瘍手術をはじめ、産婦人科一般診療を手掛ける傍ら、女性医療・更年期医療の様々な臨床研究に携わる。女性予防医療を広めたいという思いから、2010年より浜松町ハマサイトクリニックに院長として着任。現在は同院婦人科専門医として診療のほか、多施設で予防医療研究に従事。更年期、妊活、生理不順など、ゆらぎやすい女性の身体のホルモンマネージメントを得意とする。

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