更年期における生理の変化。生理周期や出血量はどう変わる?

更年期になると、生理周期が乱れたり経血量が増えたりするなど、生理に変化が見られるようになります。生理周期にバラつきが出たり、生理痛が悪化したりといった変化は誰にでも起こりえますが、生理痛があまりに重い、大量に出血するといった症状が見られる場合は、別の病気が潜んでいる可能性もあります。
ここでは、更年期によく見られる生理周期のパターンや生理痛の変化のほか、経血量が多い場合に疑われる病気の種類などについてご紹介します。

[2021年10月12日更新]

生理のしくみとサイクル

生理の変化を知る前に、まずは基本的な生理のしくみとそのサイクルについて確認しておきましょう。そもそも、女性の生理周期は、「卵胞期」「黄体期」「月経」の3つに分けられ、複数のホルモンの働きによって調整されています。


卵胞期

卵胞期は、卵子の元になる「卵胞」が毎月1個ずつ卵巣の中で発育し、成熟するまでの期間です。この期間は、女性ホルモンの一種であるエストロゲンの分泌量が多くなり、精子が子宮に入りやすいような環境が整います。

卵胞が成熟すると「排卵」が起こり、腹腔内に卵子が排出されます。


黄体期

排卵から次回の生理までの、2週間程の期間が黄体期です。黄体期には、女性ホルモンの一種であるプロゲステロンが多く分泌され、受精卵が着床しやすいように子宮内膜を整えて妊娠を助けます。


月経

排卵後に受精卵が着床しないと、プロゲステロンの分泌が止まり、排卵から約14日後に子宮内膜が血液とともにはがれ落ちます。これが月経です。

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更年期によく見られる生理周期のパターンって?

更年期に入ると、女性ホルモンの分泌が急激に低下することによって、体にさまざまな症状が現れるようになります。生理の変化もそのひとつであり、中でもわかりやすいのが生理周期の変化です。

通常、卵胞期から排卵、黄体期を経て月経に至るまでのサイクルは、28~35日の周期で繰り返されます。しかし、元々あった卵胞が毎月の排卵や加齢によって減少し、卵巣の機能も低下し始めると、このサイクルに乱れが生じます。

最初は、毎月1回定期的に来ていた生理が月に複数回来るなど、サイクルが短くなるケースが多いでしょう。これは、女性ホルモンの急激な減少に対応するため、女性ホルモンを調整する性腺刺激ホルモンが卵巣を刺激して排卵を促すから。一般的には、生理の頻度が高くなる一方で経血量は減り、生理期間も短くなります。

さらに、排卵を伴わない無排卵月経の確率が高まるため、妊娠する可能性も減っていくでしょう。

この時期を過ぎると、出血がダラダラ続いたり、短期間で終わったりするなど、生理が不安定になります。変化の現れ方には個人差がありますが、40歳を過ぎた頃から生理周期が短くなり、45歳前後からは反対に間隔が空き始めて、50歳頃には数ヵ月に1度の頻度になるのが一般的。その後、生理が来ない月が出始め、2ヵ月に1度、数ヵ月に1度という風に間隔が空いて、閉経を迎えることになります。

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更年期によく見られる生理不順のタイプ

更年期に入ってからの生理不順には、さまざまなタイプがあります。ここでは、代表的な生理不順のタイプを挙げておきましょう。


過多月経

過多月経とは、1回の経血量が150ml以上ある状態を指します。人によっては、レバーのような経血のかたまりが出ることも。しかし、ほとんどの人は自分の正常な経血量を把握しておらず、経血量の多さに戸惑いながらも、「たまたまかもしれない」と、その変化を見逃してしまいがちです。

過多月経は、ホルモンバランスの乱れも一因ですが、子宮筋腫や子宮腺筋症といった病気によって引き起こされることもあります。生理期間が10日以上続いたり、ナプキンが1時間も保たないほど出血したりする場合は、すぐに婦人科を受診しましょう。

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頻発月経

生理周期が短く、前の生理から24日以内に次の生理が来る場合は、頻発月経にあたります。ホルモンバランスの乱れがおもな原因ですが、不正出血との見分けがつきにくいため、一度婦人科でチェックしてもらうと安心です。


過少月経

経血量が極端に少ない状態を過少月経といいます。女性ホルモンが減少し、子宮内膜が厚くならないことが原因のひとつと考えられますが、子宮や甲状腺機能の異常が影響していることも。

一般的に経血量が増える2日目でもナプキンに経血がほとんど付着しないといった状態に心当たりがあれば、過少月経の可能性が高いといえるでしょう。

更年期に生理痛が重くなるのはなぜ?

更年期を迎えると、人によっては生理痛が以前より重くなる場合もあります。実は、生理が来る前の数日間は、女性ホルモンの分泌量が低下していく時期。これは、更年期の状況によく似ています。

そのため、更年期におけるホルモンバランスの乱れと、生理前の女性ホルモンの減少が重なると、生理痛がひどくなることが考えられるのです。

20代、30代でPMS(月経前症候群)がひどかった人は、更年期を迎えるとさらに症状が重くなることがあります。日常生活に影響を及ぼすほどつらいときは、無理をせず、婦人科へ相談に行くことをおすすめします。

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生理の変化の陰に隠れている可能性のある病気とは?

更年期は、ホルモンバランスの乱れによる生理の変化と、病気による不正出血との区別がつきにくい時期。特に、出血が長引く場合は注意が必要です。

ダラダラ続く出血の陰に、子宮筋腫や子宮内膜症、子宮体がん、子宮頸管ポリープといった病気が潜んでいることもあるため、自己判断は禁物。気になることがあれば、まずは婦人科で検査してもらうようにしましょう。

また、生理周期が短い状態が続いたり、経血量が多かったりする場合、知らず知らずのうちに貧血になることもあります。

これに女性ホルモンの減少が加わると、めまいやふらつきが起こることも。女性の体を司る女性ホルモンは、血管を広げる働きもしており、減少すると血流障害を引き起こすことがあるためです。疲れやすい、だるい、息切れしやすいといった症状が見られたら、注意したほうがいいでしょう。

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監修者・婦人科医の吉形玲美先生より

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女性の場合、年を経る過程に更年期があり、さまざまな不調に悩まされる可能性があります。中でも10代からずっと付き合ってきた生理の変化は、顕著で気付きやすい半面、深刻に捉えずに流してしまうこともあるはず。

生理の変化の陰に別の病気が隠されていたり、生理の乱れが別の症状につながったりしてしまうこともあります。生理周期の乱れや経血量の増減など、顕著な変化があるときは、迷わず婦人科で相談してください。


この記事を監修した人
吉形 玲美(よしかた れみ)医師

医学博士/日本産科婦人科学会 産婦人科専門医
専門分野:婦人科

1997年東京女子医科大学医学部卒業
臨床の現場で婦人科腫瘍手術をはじめ、産婦人科一般診療を手掛ける傍ら、女性医療・更年期医療の様々な臨床研究に携わる。女性予防医療を広めたいという思いから、2010年より浜松町ハマサイトクリニックに院長として着任。現在は同院婦人科専門医として診療のほか、多施設で予防医療研究に従事。更年期、妊活、生理不順など、ゆらぎやすい女性の身体のホルモンマネージメントを得意とする。

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