「エクオール」の働きや効果とは?体内で産生できない場合の対処法も

コラム・心地よいわたし

更年期の女性の心身に起こるさまざまな不調の原因は、女性ホルモンのひとつであるエストロゲンの減少にあります。できれば、少しでも快適に更年期を乗り切りたい――そんな女性に欠かせない存在として注目を集めているのが、大豆を食べた時に腸内で作られる女性ホルモンと似た働きをする「エクオール」という成分です。

しかし、エクオールを体内で生成する力には個人差があり、日本人女性の約3人に1人しかみずから作ることができないといわれています。ここでは、エクオールの働きや体内で生成できない場合の対処法について、医療系ライターのオリビアさんに説明してもらいましょう。



【PROFILE】

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オリビアさん(43歳)

自身も妊活を経験して授かった1児を育てながら、今も現役で働く医療系ライター。さまざまな学会にも足を運び、ドクターと仲良くなるのが得意。産後に始めたヨガにハマり、最近のリフレッシュ方法はもっぱらヨガスタジオに通うこと。

大豆イソフラボンの恩恵を受けられるかはエクオールで決まる

友人のミホさんとカフェに行ったオリビアさん。オリビアさんはコーヒー、ミホさんはソイラテを頼みました。

オリビアさん 「コーヒーじゃないなんて珍しいね」

ミホさん 「大豆イソフラボンが更年期にいいっていうから、最近は納豆や豆腐もたくさん食べてるんだー」

オリビアさん 「うーん、半分正解ね。ミホが期待する効果は、イソフラボンを体の中でエクオールっていう成分に変換できて、初めて得られるものなの。だけど、誰でもエクオールを作れるわけじゃないのよ」

ミホささん 「じゃあ、大豆製品をたくさんとっても意味がないかもしれないの?」

オリビアさん 「大豆は栄養豊富だから、健康のためにはおすすめしたいわ。でも、イソフラボンの恩恵をしっかり受けたいなら、エクオールを作ることができるかどうかをチェックしてみるといいわよ!」

エクオールってどんな成分?

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エクオールは、大豆に含まれる大豆イソフラボンが「エクオール産生菌」と呼ばれる腸内細菌によって代謝されてできる成分。女性ホルモンのひとつ「エストロゲン」とよく似た構造を持ち、同じような働きをします。エストロゲンが減少する更年期には、更年期障害の緩和、または対策にあたって非常に心強い存在だといえるでしょう。



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エクオールには、ほかにもさまざまな効果があります。

<エクオールに期待される効果>

・体をさび付かせない「抗酸化作用」
・骨密度の減少を抑え、骨の健康を保つ「骨粗しょう症予防効果」
・皮膚の老化を防ぎ、肌コンディションを保つ「美肌効果」
・内臓脂肪の蓄積を抑える、脂質を改善する「メタボ改善」
・血管をしなやかに保つ「抗動脈硬化」
・動脈硬化やメタボリックを改善して予防する「脂質代謝改善」

つまり、女性がすこやかに美しく、いきいきと毎日を過ごすために欠かせない成分こそがエクオールなのです。

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エクオールを「作れる人」と「作れない人」がいる

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以前は、更年期の症状を軽減したり、美しさを保ったりする効果は大豆イソフラボン自体にあると考えられていました。しかし、実際に力を発揮しているのはエクオールであることがわかった今では、大豆イソフラボンをエクオールに変換する腸内細菌・エクオール産生菌の働きがカギになると考えられています。

最近の研究では、ほとんどの人(約97%)がエクオール産生菌を腸内に保有しているにもかかわらず、実際にエクオールを産生できる人は少ない(約22%)という結果も出ています。大豆イソフラボンを摂取しても「ダイゼイン」という成分のまま体内に吸収されてしまいます。

「大豆製品や豆乳を意識的にとっているのに、あまり効果が感じられない」という人は、ひょっとするとエクオールを作ることができないのかもしれません。



エクオールを作れる人の特徴

エクオールを産生できる人とできない人の違いはまだ研究段階ですが、エクオールを産生できる人の腸内には性質の異なる多種の腸内細菌が存在している傾向があるため、食事の内容と腸内環境、そして生活習慣が大きく影響していると考えられています。つまり、エクオール生成を促すには良好な腸内環境が欠かせません。腸内細菌のエサになる根菜、海藻、キノコなどの食物繊維を積極的に取り入れ、お腹の調子を整えましょう。

また、エクオールを作れる人と作れない人では、大豆を摂取する頻度に差があることがわかっています。ある調査によれば、ほぼ毎日大豆を食べる人の中には、エクオールを作れる人が約50%の割合で存在したのに対して、あまり食べない人はその半数以下にとどまりました。豆腐や納豆などの大豆製品をとる回数を増やすことも、エクオールを生み出す力を高めることにつながるといえるでしょう。

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さらに、腸内細菌は一定ではなく、食生活やストレスの有無、睡眠時間、運動量などの影響を受けて変動します。規則正しい生活とバランスのとれた食事を心掛け、エクオール産生菌を活発化させましょう。

「作れない人」はサプリメントで補いつつ、腸内環境改善を!

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「自分はエクオールを作れているのかな?」「そもそも自分の腸内でエクオール産生菌は働いているのかな?」と思ったら、エクオール検査(ソイチェック)実施医療機関で検査してみましょう。検査方法は、尿検査だけなのでとても簡単。食事から取り入れた大豆は、エクオールに変換されても、ダイゼインのままでも、尿と便から排泄(排出)されます。そのため、採取した尿にエクオールが入っていれば、エクオールを作れていると判断できるのです。

また、病院へ行かなくても郵送でソイチェックが可能なキットも販売されているので、そういった物を利用するのも手ですね!
エクオール郵送検査キット「ソイチェック」

もし、「エクオールを作ることができない」という結果が出てもあきらめないで!エクオールを直接摂取できるサプリメントで補いつつ、腸内のコンディションを整えましょう。

1日10mgを目安に摂取すれば、必要量のエクオールをコンスタントに体内に取り入れることができ、常に体内にエクオールがある状態を作ることができますよ。



この記事を監修した人

★吉形(レミ)先生_200.jpg

吉形 玲美(よしかた れみ)医師

医学博士/日本産科婦人科学会 産婦人科専門医
専門分野:婦人科
1997年東京女子医科大学医学部卒業
臨床の現場で婦人科腫瘍手術をはじめ、産婦人科一般診療を手掛ける傍ら、女性医療・更年期医療の様々な臨床研究に携わる。女性予防医療を広めたいという思いから、2010年より浜松町ハマサイトクリニックに院長として着任。現在は同院婦人科専門医として診療のほか、多施設で予防医療研究に従事。更年期、妊活、生理不順など、ゆらぎやすい女性の身体のホルモンマネージメントを得意とする。



【エクオール検査ができる医療機関】

浜松町ハマサイトクリニック>(東京・浜松町)

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女性の身体と気持ちへの寄り添いをモットーに、気軽に受診いただけるクリニックを目指し、婦人科・内科をはじめとした外来診療や健診・人間ドックを提供。生理痛、不正出血、子宮筋腫、子宮内膜症などの治療やピルの処方だけでなく、疲れや倦怠感、イライラなど更年期障害の治療も得意としたクリニックです。


東京ミッドタウンクリニック>(東京・六本木)

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病気の早期発見・予防のため、きめ細やかなテーラーメイドの健診を提供しているクリニック。外来診療では風邪などの疾患から専門的な診療まで幅広く対応。婦人科では、生理不順、不正出血、おりものの変化、子宮がん・卵巣がん・性感染症など、婦人科疾患全般について相談が可能です。


セラヴィ新橋クリニック>(東京・新橋)

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快適性を重視し「男女別フロア」を採用している健診施設。乳がん検診や子宮がん検診、ホルモン検査など女性ならではの検査が充実。特に子宮頸がん検査においては、精度の高い「液状検体細胞診」を導入するなど、女性に優しい環境が特徴。また内科・糖尿病外来や禁煙外来、乳腺外来など一般外来の診察も受診可能です。


せんだい総合健診クリニック>(宮城・仙台)

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仙台の中心部にある高層ビル「トラストタワー」に位置し、東北エリア最大級の規模を誇る総合健診センター。受診者全員がリラックスして過ごせるよう、快適性を重視した男女別フロアを採用。MRI、ヘリカルCTをはじめマンモグラフィや超音波検査、内視鏡検査など幅広い検査ニーズに対応しています。


ミッドタウンクリニック名駅>(名古屋・中村区)

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JR名古屋駅徒歩1分。JPタワー名古屋5階、立地・快適性を追求した男女別の健診施設。「女性に優しい」をコンセプトに、女性専用エリアやパウダールームの設置など様々なホスピタリティを用意。女性特有の検査には女性医師・スタッフが対応します。また、外来診療もおこなっているため、風邪などの疾患や身体の不調なども相談可能です。



※掲載している情報は、記事公開時点のものです。

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